4/15/2008
Science Reading 開講:和訳先渡しデビュー
ついに和訳先渡し授業デビューを果たした。
金谷憲先生(東京学芸大)と高知の仲間たちと出した(2004)『和訳先渡し授業の試み』(三省堂)。この本で、我々は、日本の高校英語では根強く、というよりも、定番としてごく普通に日常行われている「訳読授業」に挑んだ。授業の大部分を費やしてしまう「英文を日本語に置き換える作業」をなくし、それで生み出された時間を、徹底的に有効活用しようという考え方だ。今でも、賛否はある。訳読しか授業のレパートリーがない先生にとっては、とんでもないことのようだ。なんせ、授業の目的が完璧になくなってしまうわけだから。しかし、授業の中で、様々な活動をして、英語力を育てていきたいと考えてきた先生方からは、支持をされてきたと思う。
で、実は、この研究グループの中で、僕だけ実践をしていない。僕にとっては、和訳先渡し授業は、机上の論に過ぎなかったのだ。とにかく、過去の授業スタイルを根本から変えてしまう、この方法を自分自身で試したいとずっと思ってきた。念願だった。ついにその時はきた。学部2年生のScience Readingだ。記念すべき、長崎のはじめての和訳先渡し授業は、2008.4.15。
しかし、終わってみると、あっけなかった。「なーんだ」という感じ。
少し大げさに言えば、和訳を先に配布してしまうことは、何か「大罪」でも犯すことであるかのような気持ちがどこかに残っていたと思う。だから、気持ちのうえでは、どこか「構えていた」ところがあった。なのに、まるっきり何でもないことだったのだ。
一つだけはっきりしていることがある。それは、授業の中で達成したいことが、いくつも明確にあったということだ。英文を読む力をつけるためにやっておきたいトレーニングや練習がたくさんあった。それらを効果的にやることを必死で考えて授業をしていたら、「和訳先渡し」などということを考えている暇もなかったのだ。
そのようなことで、僕の和訳先渡しデビューは、あっけなく終わったわけですが、大切なのはこれから。仲間たちがやった実践を、今一度違う環境で検証しておく必要があると思う。そして、授業で行うタスクについては、開発の余地が残っていると思う。まだまだ、やるべきことはある。
☆画像をクリックすると授業で使った和訳シートを見ることができます。対訳形式を使っています。(pdfです)
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