10/24/2010

第1回高知県英語ディベート講習会(報告)

 「第1回高知県英語ディベート講習会~ディベートへの第1歩」が9月4日(土)高知大学教育学部4号館第3会議室で開催された。今回の講習会には十数名の先生方が参加してくださり、今年のディベート大会の論題である「"Japan should significantly relax its immigration policies."(日本は、移民政策を大幅に緩和すべきであるか、否か)」について活発に議論をした。まずは「移民とは何か?」という定義から考え始め、「現状はどうなっているのか」などといった社会状況の分析をした。現状をお互いが確認するにつれ、今回の政策の定義にある「2060年までに移民を1000万人受け入れる」ということが実現可能かどうか考えさせられた。その後、3人1チームとなり、今回の論題のadvantageとdisadvantageを考えた。それぞれのチームから出たものをまとめると以下のとおりである。
〇Advantages
・労働人口が確保される
・社会保障が充実する
・少子高齢化に歯止めがかかる
・経済が活性化される
〇Disadvantages
・犯罪率の増加
・経済的に負担がかかる
・失業率の増加
・アイデンティティーが失われる
 今回のディベートでは、肯定側が「あくまで50年で1000万人の移民を受け入れる必然性、実行可能性を証明する必要がある」と思う。そこをうまく説明できれば肯定側が有利に進めることができるのではと考える。否定側は、現状分析から入り、移民を受け入れる必要性があるのか?この論題が問われた4~5年前と日本経済は大きく変わり、現在経済成長率は衰退している。このような中で移民を受け入れ、雇用の促進などを行うことが果たしてよいかを考える必要がある。
               (文責・ 樫尾 岡豊高校)

10/11/2010

平成22年度高知県英語教育研究大会(報告)

今年度の県英語教育研究大会が8月6日(金)、8月7日(土)に高知大学で開催された。昨年度は四国大会ということもあり2年ぶりの開催であり、今年度より参加者が主体的になれるように内容をさらに充実させ、年1回開催とした。以下が内容である。
(1日目)
13:00 開会行事
13:25~15:20 授業研究Ⅰ・Ⅱ
15:30~16:10 分科会
(2日目)
10:00~10:45 提案授業「小・中・高のつながりを考えよう」
10:45~12:00 パネルディスカッション
13:15~14:15 スキルアップワークショップ
15:00~16:30 講演「『英語屋さん』の著者が語る、現場で学んだ英語術」 浦出善文氏
(1日目)
研究授業では、授業発表をもとに参加者同士や発表者と参加者が議論することによって、成果や課題を共有すると同時に、自分の授業としてとらえようとすることと授業改善力アップにつながr有意義な場となった。分科会においては、現在取り組まれている実践が紹介され、県内の英語教育の最前線を知らせるとともに、課題提起もおこなった。
(2日目)
午前の部では、提案授業として小学校の授業実践が発表され全体でパネルディスカッションを行った。これは新しい企画で、あるテーマをもって一定の期間取り組み、発表について議論をする中で新しい授業の方向性や可能性を見出すというものである。今年度より本格的に導入された小学校外国語活動に伴い、今後は小・中・高の連携を意識して取り組む予定である。
午後の部では、スキルアップワークショップを行い、参加者ができるだけ多くのワークショップに参加できるように同じ内容で3本実施した。内容については昨年の四国大会の参加者の声や現在の状況を元に決定した。来年度も内容を工夫しながら実施したい企画である。
今年度の研究大会の締めくくりとして講演を行った。講師は浦出善文氏であり、SONYの通訳者として貢献され、現在も翻訳家としてご活躍中である。氏の体験談は私たち英語教員にとってはとても新鮮であり、興味深いものであった。講演の最後には、坂本龍馬が英語学習に励んでいた姿と、氏がお仕えした井深氏、盛田氏の姿を重ね、英語を使いこなせた理由として高い志があったからではないかと振り返られた。浦出氏の研究大会の感想が自身のホームページでも紹介されています。以下がアドレスですのでご覧ください。「英楽通法」(連載第221回)keynote speech 基調講演 http://bit.ly/9B9Gdk
今回の研究大会は現状と今後を見据えての取り組みである。参加者からは好意的な感想をいただいており内容としては一定の評価が得られたが、運営等の面では改善の余地が大いにある。来年度は今後の成果と反省を活かし、さらに充実した内容で実施したいと思う。
       (文責・中馬 高知西高校)