2/27/2021

香美市教育研究所 研究発表会にオンラインで参加

 香美市教育研究所研究発表会に参加しました。

大宮小、香北中の国際バカロレアの取組。お二人の研究員による英語教育、インクルーシブ教育。大栃中のGIGA構想と取り組みなど、充実した発表が続きました。意欲的に新しい時代の教育に挑戦しようとする姿勢が印象的でした。日本の教育のトップランナーですね。

みなさん、香美市の学校で働くことに、プライドを感じているなあ。これが僕の率直な感想。素晴らしいことです。

今回は、オンサイトとオンラインの同時開催でした。遠隔地からも参加できるし、気軽に参加もしやすい。その上で、関わりの深い人たちはオンサイトで時間を共有することができる。

今回、配布資料とかは、オンサイトの時と同じでした。資料の作り方や配布の仕方も変わる必要があると思います。また、質疑応答もクラウド・ドキュメントやTwitterを使うなどして、自由に意見交換に発展させることもできる。

割と形式的になりがちだったこのような発表会が、本当に参加する価値のあるものに変貌する可能性を感じます。オンラインとオンサイトの併用。これから、広く普及していくのでは。

2/24/2021

山田高校グローバル探究科の研究発表会に出席しました

 

今日は、山田高校グローバル探求科の研究発表会でした。新しくできた学科の1期生。予想をはるかに超える素晴らしい発表ばかり。質疑応答で、かなり深掘りしても、どんどん答えが返ってくるし、すぐにiPadを開いて、調査結果を見直したりする。よくぞここまでやった!これからの成長が楽しみ。

英語教室に新しい演台


 新しい教室用演台(教卓)を入れました。LLとCALL教室です。スピーチやプレゼンの時に活用します。原稿や資料を手にもたなくてもいいようにしたい。それが一つのねらいです。

環境(舞台づくり)は大切です。

今朝の高知工科大学 2021.2.23


 昨日と逆アングル。木々の様子が冬って感じ。この時期があるから春の息吹がフレッシュな訳よね。

2/23/2021

G7声明文の英語:東京オリンピック支持について

 日本、G7の東京オリンピック支持に腐心 根回しの舞台裏 」(2021.2.23) に、G7の声明に東京オリンピックのことを盛り込むまでの舞台裏が報告されている。

その文言は「新型コロナウイルスに打ち勝つ世界の結束の証しとして今年夏に安全・安心な形で東京オリンピック・パラリンピックを開催する日本の決意を支持する」。さて、これを英語でどう表現しているのか調べてみた。

“we support the commitment of Japan to hold the Olympic and Paralympic Games Tokyo 2020 in a safe and secure manner this summer as a symbol of global unity in overcoming COVID-19”


G7 Leaders’ Statement 19 February 2021 https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100151244.pdf


外交最前線の人たちが練りにねった簡潔さが小気味いい感じ。

2/22/2021

山田高校で探究プロジェクト・ブッククラブ

山田高校で探究プロジェクトのブッククラブを実施しました。今回は、マーサ・ラッシュ著/長﨑政浩・吉田新一郎訳 (2020) 『退屈な授業をぶっ飛ばせ!: 学びに熱中する教室』新評論の4(ストーリーテリング)、5(PBL)、6章(シミュレーション)。

人により、担当教科により、様々な捉え方をしているのが興味深かった。ブッククラブをスターとしてまだあまり立っていないので、少しぎこちない感じがある。ここで読んで、語り合ったことは、いつか必ず役に立つはず。一歩づつ歩みましょう。

次回は、3月17日(水)16:00。7、8章。

今朝の高知工科大学 2021.2.22


 今朝の高知工科大学。とても気持ちのいい朝でした。自然との調和が計算し尽くされている感じ。このような抜群の景観の場所が数箇所ある。季節折々に楽しめるキャンパスです。

香美市・高知工科大学連携協議会に出席しました


地域教育支援センターの仕事をするようになってからずっと出席している会。香美市からは副市長さんほか主要な課の課長さんが出席。今年は懇親会がないのがざんねん。

香美市への移住定住は県内でNo.1とのこと。今年度は100名を超える転入超過があったようです。香美市の教育、香美教育コラボレーション会議にかかわるすべての学校の魅力をアピールして、教育環境の充実でも引きつけていきたいですね。

2/21/2021

我らが Kochi Toastmasters ClubのPVが完成

 クラブのPromotion Videoが完成しました。英語にチャレンジしてみたい方、新しい学びの機会が欲しい方。リーダーシップについて考えたい方。ぜひメンバーに。

http://kochitoastmasters.blogspot.com







香美教育コラボレーション会議のTwitterをスタート

香美教育コラボレーション会議の大きな課題は、広報活動でした。もっと多くに人に知ってもらいたい。もっと多くの人に参画してもらいたい。もっと様々な意見がほしい。もっと積極的な意見や批判がほしい。

先日の会議でもすばらしい取り組みが報告され、とてもいい実践の交流や振り返りができたと感じました。その日のブログには、「今日の印象は、それぞれの取り組みが、少しづつ輝き始めた感じ。時間をかけて、ゆっくりと熟成していっているんだな。」香美教育コラボレーション会議(第68回))と書きました。


良い実践や取り組みをもっと多くの人と共有したい。その方法はないか?とりあえず、Twitterのアカウントをとって、スタートしてみました。しばらく、つぶやいてみたいと思います。

香美教育コラボレーション会議Twitter




2/20/2021

Kochi Toastmasters Club Regular Meeting: 177th

 177回例会。もう半年あまりオンラインが続く。おまけに今日は参加者も少なく、盛り上がるんだろうかと思ってけど、全く心配なし。Quality Meetingは人数ではないね。コンテンツの質とみなさんのPassionが大切かな。

来月は、状況が好転すればオンサイト・ミーティングの予定。歓送迎会も実施。

2/19/2021

小学生のプレゼンから学んだこと: ポスターセッションでの静と動のビジュアル


大宮小学校(国際バカロレア)児童のポスターセッションでのアイデアがすばらしい。左手側には大きなポスター。右手側に譜面台をおき、紙芝居のように資料をめくってプレゼン。掲示されたままの情報と1枚づつ提示される情報。その二つを見事に組み合わせていた。オーディエス目線の準備。秀逸。(山田高校で開催されたよってたかって探究発表会&清笑祭)

探究の町へ着実な第一歩 山田高校で「よってたかって探究発表会&清笑祭」が開かれました


今年は、コロナの影響でことごとくイベント、発表会などが中止されました。今回は、山田高校のふんばりで、「よってたかって探究発表会&清笑祭」が開催され、高校の生徒たちの発表だけでなく、市内の小中、大学生、民間企業も参加しました。

10年近く、香美教育コラボレーション会議で香美市、山田高校とはいろいろなことをやってきましたが、今回の発表会で感じたことは、香美市が目指す「探究の町」への着実な第一歩を刻むことができたのではないかと言うこと。


明らかに、変わってきています。探究活動の質、発表の質、参加する子どもたちのやる気。


これは、1回や2回の経験で培われるものではない。1、2年でできることでもない。ずっと続けてきたから、積み上げてきたから、付け焼き刃でない成長が見られたのだと思う。これからも前に進もう。


2/18/2021

仕事道具:  Apple Watch 研究され、考え抜かれたディバイス

ガジェットの中でももっとも使用頻度の高いのがApple Watch。

購入後しばらくは、こんなもん必要ないと思っていた。出張に行ったとき、JRでSuica を使ってみたい。そんな田舎者モロ出しの動機だったのかもしれない。


しかし、しばらく使っていると、絶対に手放せないディバイスになってくる。その良さがじわりと分かるようになってくるのだ。邪魔にならず、必要なサポートはしっかりしてくれる。そのバランスが絶妙。計算つくされている感じ。


改めて実感するのは、Appleの改善する力だ。イノベーションを大切しているから、新しい試みは必ずやってくる。最初は十分に熟していなかったりする。しかし、必ず、必要だと感じた改善は施してくるのだ。良く顧客の声を聞いて、アップデートに生かしていると思う。ハードとソフトを一体で作っているところも利点だろう。


Apple のハードウエアは、材質も造りもこだわり抜いてあるだけあって優秀。多少値が張っても、結局長い目で見るとApple 製品が優ることが多い。良いものを長く使う。持続可能な社会づくりへのヒントかもしれない。



☆環境や教育、人権、特別支援などに対する真摯さには目を見張る。


Appleのホームページ 環境

 https://www.apple.com/jp/environment/

環境省からアワードを受賞。Appleが地球に優しい3つの理由

   https://ideasforgood.jp/2019/09/11/apple/

Appleのどこまでも本気な環境への取り組み

  https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1906/21/news043.html

優秀な教員は良いメンターだろうか?

 昨日のコミュニティー・スクール運営協議会で、学校の働き方改革のことも話題になった。

メンター制度を取り入れて、教員相互のメンタリングを始めたとのことだった。教員の大量退職の時代を迎え、初任者など若年教員が増えることも背景にあるようだ。メンタリングを取り上げたことは良かったと思う。ただし、運用というか、メンタリング趣旨を正しく伝えることが重要になりそうだ。従来の若手ーベテランの関係性の中での成長とは少し異なる考え方になると思われるからだ。

この話をした時、同じく運営協議会のメンバーで地域で大きなスーパーマーケットを経営している方から興味深い発言があった:

「力のある社員に、若手の指導を任せたところ、たくさんの若手が仕事をやめた。」

とのこと。

これと同じことが学校でも起こっているのではないかと思った。力のあるスーパー・ティーチャーが必ずしも、若年教員の良きメンターではないかもしれないからだ。

はっきりは分からないけれど、経験即で言えば、ある一つの方法を教え込むといったアプローチではうまくいかないのかもしれない。それよりも、本人の意欲や主体性を引き出し、自分自身で新しい方法を見つけるように仕向けていくことが必要なのかもしれない。

2/17/2021

外部評価者たりえるのか?ー香美市立楠目小学校コミュニティー・スクール運営協議会に出席しました

 今日は3回目の運営協議会。2回目はコロナでキャンセルだったので、実質は2回目。1年間の取り組みの評価がテーマだった。

率直に思ったことは、1、2回の2時間程度の会議で、学校の取り組みを評価できるのだろうか?という疑問だった。要は目の前にある資料と学校側の報告のみをもとに評価するなんて、かなり難しいと感じた。

外部の意見を入れることは、日本の学校にとって、とても必要なことだと思うけれど、実効性のある関わり方はどのようなことか、考えされてしまった。

個人的には、ジェイムズ・ボパット(2002)『ペアレント・プロジェクトー学校と家庭を結ぶ新たなアプローチ』新評論で紹介されているような、親も学校と一緒に学んでいくようなアプローチから始めていく必要があるのかもしれないと思った。

高知工科大学と高知県教育委員会との連携協力に関する実務担当者会(兼 地域教育支援センター会議)開催

年に1回の県教委との意見交換会。今日は、今年度の新規事業 CSL(コミュニティー・サービス・ラーニング)に取り組んでいる学生3名が、日頃の取り組みを紹介してくれた。

新しい時代を切り開いていこうとする姿勢がすばらしかった。県教委の高等学校課の指導主事さんは、高校生に、大学生のこのような主体的で生き生きした姿を見せたい!と言って帰っていった。スタートしたばかりのCLS。次年度さらに質を高めていきたいと思う。


2/16/2021

高知工業高校課題研究発表会に参加

Innovation KTの授業作りでここ10年くらい一緒に取り組んできた高知工業高校の研究発表会。Innovation KTの成果だけではないだろけど、課題研究は質が高まってきているように感じた。

高知県高校生産業教育生徒発表会の記事 に書いたことだけど、高校生の発表には「これやりました。」「これつくりました」という事実を伝えただけのものが多かった。その辺りが、少しづつ改善していっているように感じる。


高校生の発表には、次の3つのタイプがあると思う。


タイプ1 「これやりました」「これつくりました」という事実を伝えているもの


タイプ2 タイプ1に加えて、そのプロセスや考察を含めて、論理的かつ効果的に組み立てることができているもの


タイプ3 タイプ2に加えて、驚きや情熱、そして、(高校生らしい)自分自身のボイスや発見があるもの


タイプ3を目指して前に進んでいってほしい。


自作楽器のデモ演奏をする発表生徒


今日の発表で、これに近かったのは、情報技術科の「電子楽器制作ーCoPS」だろう(発表最優秀に選ばれた)。ものを作るワクワクするような楽しさにあふれる課題研究だったと思う。


2/15/2021

香美教育コラボレーション会議(第68回)

日時:2月15日(月)17:00-18:00

場所:  香美市市役所

議題:

ショート・リフレクション      ☆1ヶ月の振り返りや個人的な話題など 

1 アクション・ラーニング(実践を通じての学び、進捗状況、力を借りたいことなど)

  ★次年度の計画、見通し、新規事業なども含めて

2 次年度以降の会議の在り方について



それぞれの実践について、語り合ったあと、次年度以降やってみたいこと、興味があることなどについてブレーンストーミング。とても興味深い意見がでました。中でも、私が注目したのは、「市の予算ヒアリングに子どもたちを参加させられないか」というもの。今やっている、School Leadershipに関するブッククラブでは、子どもたちが教員採用に関わっている例が紹介されていた。大いに可能性あり。大人がリスクを取る勇気があるかどうかかな。


今日の印象は、それぞれの取り組みが、少しづつ輝き始めた感じ。時間をかけて、ゆっくりと熟成していっているんだな。


2/13/2021

2021年AFS 第1回地域会議オンライン

今年はとにかくあらゆる会議がオンライン。多くの会議がオンラインで用が足ることがことが分かった一年でもあった。県外の出張は、少し「プチ休暇」的な癒しもあったので、それは残念。一方で、対面で接することの重要性も身に染みて分かった感じ。すべてをオンラインで置き換えることはできそうにない。

そう考えると、いい塩梅のハイブリッドが見出せれば、生産性もあがり、かつ対面の質も高められそう。

支部長の5年任期が話題になった。このようなボランタリーな組織では悩ましい問題だ。特に、人が少ない地方では、一部の人が続けざるを得ない状況が続く。

他のさまざまな活動でも感じることだが、次代のリーダーを育てることは、これからの最重要課題。

2/12/2021

ガブちゃん、邪魔!


 我が家のモフモフ ガブリエルちゃんです。手を枕に熟睡中。机の上が大好き。いつも邪魔をしに(本人にその意図はない)上がってきます。これまで、オンライン授業、オンライン会議に数回出演しています。


2/10/2021

Fostexのサブウーファーも増設: FOSTEX アクティブ・サブウーハー PM-SUBmini2

前回の仕事道具でFostexのサウンドシステムを紹介した。「デスクトップ上での音の楽しみ

その記事を書くために、何度も聞いているうちに低音が物足りなくなってきた。一気にいきおいでポチリ(仕事がはかどるなら無駄な投資ではないと言い聞かせて)。FOSTEX アクティブ・サブウーハー PM-SUBmini2。密林で¥18,029也。



効果のほどは正直分からん。少ししまった音になったかな。

2/08/2021

高知県グローバル教育推進委員会に出席しました

高知西高校、高知南高校の統合・合併と、それを受けた高知国際中学高等学校の創設(その後、山田高校もメンバーに)。そして、新設の学校に国際バカロレア教育を導入することも重要なミッション。

一連の施策、学校の取り組みなどに対して、意見を述べたり、助言をしたりするのが役割。二つの学校の廃校を含む(これは実にやっかいで悩ましい政策)、新しい教育の考え方を導入する大改革。


これまでのところ、順調にきている。来年度はいよいよ国際高校がスタート。いよいよ、このプロジェクトも新しいフェーズ。


日本の旧来の学校観を、根底から覆すような学校を創ってほしい。


http://www.kochinet.ed.jp/kokusai-jh/index.html

2/06/2021

今月の言葉 2021年2月  Peter Drucker

 “We can't make people better by trying to eliminate their weaknesses, but we can help them perform better by building on their strengths.”

-Peter Drucker


2/04/2021

全国英語教育学会 研究大会企画部(準備会)を開催

 新体制になる全国英語教育学会。今タームから研究大会企画部をやることになった。今日はその準備会を、オンラインで実施。今夏の長野研究大会が、完全オンライン開催になったことより、いくつか確認が必要になった。新メンバーでの快調な船出。

2/03/2021

歳とともに聞き方が変わった: 懐かしい音楽

週末、用があって実家に帰省していた。片道、約2時間半。最近は、講談や落語をよく聞いたけど、今回は「懐メロ」。

少し前から、青春の時代によく聞いた歌のプレイリストを育ててきたのだが、往復の運転で、通して聞いた。懐かしいメロディ。音楽とともに、いろいろなシーンや思い出が蘇る。


ふと思った。聞き方が変わった。


若い時は、まるでその頃に帰りたいかのように、どこかワクワクしながら聞いていたと思う。


今は、遠い昔を、どこか切ないような思いで聞いている。Agingかな。




プレイリスト*を一部紹介:


哀愁のヨーロッパ(サンタナ)

愛の休日(ミッシェル・ポルナレフ)

Alone Again(Gilbert O’sullivan)

カリフォルニアの青い空 It never rains in Southern California(アルバート・ハモンド)

Killer Queen(Queen)

New Kid in Town (The Eagles) 

青い影(プロコルハルム)

青春の光と影 Both sides now(ジョニ・ミッチェル)

You light up my life (Debie Boon)

そよ風の誘惑 Have you never been mellow?(オリビア・ニュートンジョン)

落ち葉のコンチェルト For the Peace of all mankind(アルバート・ハモンド)

素直になれなくて Hard to say I’m sorry  (Chicago)

長い夜 25 or 6 to 4 (Chicago)

We’re all alone (Boz Scags)

Angie (Rolling Stones)

Hopelessly devoted to you (Olivia Newton John)


こんなに気軽に聴けるのはApple Musicのおかげかな。


*英語の授業のWarm upで、「プレイリスト紹介」やったことがある。とても面白い。その人のいろいろなことが分かる。


2/02/2021

仕事道具:ロジクール ヘッドセット H111

驚異のコスパ。何とAmazonで1,125円!戸田覚さんがYouTubeで絶賛していたので購入。Zoomなどを使ったオンライン会議やオンライン授業、最初はスピーカーとカメラについたマイクでやっていた。さほど不都合もなかったけれど、使ってみると集中できるし、周りに人がいる環境では特にいい。そして、この値段が信じられないほどの音質。ヘッドフォンも十分な音質だし、マイクもクリア。本格的に音楽を聴く時にはどうかと思うけど、オンライン会議が目的なら秀逸。


2/01/2021

基礎学力不足の生徒に失敗の上塗りをさせていないか?

学力に深刻な問題を抱える生徒に対しては、まずは基礎基本を徹底的に繰り返して、身につけさせるべきだとの主張は根強い。

高等学校の「つなぎ教材」(中高接続学習の教材)などには、その傾向が強いように感じた。いきおい、中学校英語の文法の復習のような問題集を与えることが多かった。


果たして、これで良かったのか。中学校時代の失敗の上塗りをさせるだけになっていないか?そのような問題意識をずっともってきた。


『退屈な授業をぶっ飛ばせ!: 学びに熱中する教室』★でも指摘されているが、教師は学力に課題がある生徒には基礎的なドリルを繰り返し続ける以外にないと思ってしまいがちだ。本当はそのような生徒たちにこそ、夢中になれるような学びが必要なのだけれど。一部、引用しておく:


「サーラ・ファインは、この問題について教師たちと議論を続けてきた。そこで明らかになったことは、より主体的に学べる課題が与えられれば、低学力の生徒でもよく学べるという数多くの事例があるにも関わらず、学校や教師たちの多くは、来る日も来る日も、生徒たちに基礎基本を覚えるためのドリル的学習を課し続けているという事実であった。


生徒たちは、これが終わったら、もっと楽しい学習に進むと繰り返し聞かされている。でも、そのような日は決して訪れない。


結局、生徒たちは、そのような学習を続けることに幻滅し、学ぶことをやめ、多くの場合、中途退学してしまうのである。ワクワクするような学びを一度も経験することなく。」p.27


中学校までに、身につけられなかったことを押し込むのではなく、身につけることができたものを、生かすことのできる方法からスタートできないだろうか。


★マーサ・ラッシュ著/長﨑政浩・吉田新一郎訳 (2020) 『退屈な授業をぶっ飛ばせ!: 学びに熱中する教室』新評論