5/30/2008

It's so much easier to suggest solutions when you don't know too much about the problem.

- Malcolm Forbes

思い当たるふし、ありませんか?恐ろしいことですが、往々にしてこうですよね。

5/29/2008

公立中高の初任者研修(教科研修)で語る

今日は、高知県教育センターで初任者研修(教科研修Ⅳ)があり、午前中「授業評価」と「テスティング」のコマを担当してきました。中学2名、高校3名のフレッシュな新人英語教員の皆さんと、英語の授業について語り合ってきたのです。"Good morning, ladies and ladies."そう、今年の採用は全員女性。全員、とても意欲的。そのうちの一人は、僕が11年前に教育センターで担当した初任者の教え子。10年一昔というけれど、なんだか感慨深いものがっあった。

授業評価を、授業改善や自己能力の開発に生かす。簡単なようで、なかなか難しいことです。やはり、最大の問題は、「評価されっぱなし」ということでしょう。評価をしてもらっても、「ふむふむ」と考えたり、何かを感じて終わり。授業の課題を論理的に導き出して、その具体的な解決策をつくり、実行されることが実に少ない。そこに問題がある。どうやって、授業評価のサイクル(reflective cycleと呼びました)を確立するか、そのことについて、ディスカッションや講義を行いました。基本的に、アクション・リサーチの手順がそのまま活用できる。僕自身のシラバス、授業のワークシート、テストを使って、実際の授業デザインから、授業の実施、評価までの流れをたどってもらい、どこを、どう評価してもらい、どう改善策を考えるかということを議論しました。最後に、初任者の皆さんが実施した、授業評価の結果をもとに、これから取り組んでいくことを整理してもらいました。一ヶ月くらいたって、その間の取り組みについて、意見交換をしてもらいたいと思います。

授業に悩んでいるという人もいました。当然のことです。神奈川大学の高橋一幸先生曰く「悩み多きは正常の証し。すべての責任を生徒に転嫁して平気になったら教職を辞せ。」厳しいことばですが、プロの教師と自任するのであれば、この言葉を刻みこんでおきたい。

若い皆さんには、大いに悩み、自分自身の授業をつくりあげっていってもらいたいと思ったことです。

5/27/2008

「学びとは?」を考えさせられたKochi Toastmasters Club 第28回例会

Kochi Toastmasters Clubのメンバーは、職業も年齢層も様々。教員、学生、医師、看護師、会社勤めの方、主婦、リタイアした方もいます。学校という閉鎖的になりがちな組織で働くものにとって、この会での交流は貴重な機会になっています。

昨日の例会では、3名の新しいメンバーの方が、初めてのスピーチをしました。Toastmastersでは始めてのスピーチをIcebreakerとしていて、自己紹介をすることになっています。いろいろな人生、様々なエピソードが語られ、とても楽しいスピーチでした。3人のうち、二人が Over fifty(メンバーには70歳代の方もいます)。50歳を超えて、英語を学びたい。英語のスピーキング力をつけたい。そのような思いをもって、毎月出てこられる。本当に頭が下がる思いです。僕なんかは、職業上、英語は常にupdateしておきたいというのが最大の動機だと思うのですが、退職してからも情熱をもって続けられるかどうか自信はありません。

生涯、学びたいことがあって、それを続けていくということは、すばらしいなあと思います。本当に、前向きで、意欲的です。感動的なくらいですね。「輝やくような貴重な時間」を無為に過ごしている若者が、この国はたくさんいます。そんな若者たちに、見てほしいと思う。ゲームや携帯の画面で、目がしょぼしょぼしたような若者たちより、数倍、生き生きしてますよ!

決められた内容を覚え、どれだけ忘れたかが、テストが測定される。そのような学習の繰り返しでは、学び続けようとする気持ちは育たないはずだ。今、世界の教育観は大きく変わろうとしている。しかし、そのような時に、我が国の教育は、逆戻りの方向に舵をとってしまった感がある。「やっぱ、受験があるし。きれい事いっても駄目だよ!」そんな声が聞こえる。

楽しそうに、澄んだ眼で、英語を学ぶ楽しさを語るお二人をみて、そんなことを考えた。

Toastmaster International

5/26/2008

再び授業評価について―二つの授業評価

高知工科大では、もうまもなく 1st quarterが終わる。日本でも珍しいQuarter制だが、やはりあっと言う間。初めての僕にとっては、あまり計画的にタイムマネジメントができなかった気がしている。授業準備に追われまくった感じ。ただ、quarter制のメリットは実感した。基本的に週1コマになってしまう大学の講義では、外国語などではなかなか定着が難しいけど、集中的にできるのはいい。この制度のメリットを、生かすも殺すも、授業のデザインの仕方次第と思う。

さて、quarter終了ということで、教務から「授業評価が始まります。」というお知らせが届いた。「わお、まだ二か月しかたってないで?」と一瞬たじろいだ。まだ、種まきが終わって、芽が出始めたころなのにと。。。まあ、当然のことながら、授業の進め方の評価や達成感などはみれるわけだから、何の問題もないのですが。授業評価が、待遇にもひびくとのこと。厳しい世界です。

で、授業評価。我が国で生徒による授業評価が定着してきたのはおそらくここ10年~15年です。高知県の公立学校は、全国に先駆けて導入しましたが、それは平成9年(1997)でした。香取草之助他『授業をどうする』(東海大学出版)という翻訳が出たのが1995年、池田輝政他『成長するティップス先生』(玉川大学出版)が出たのが2001年。省察(reflection)をもとにした授業改善や自己能力開発(いわゆるFD, Faculty Development)ということが、日本でも話題に上り始めた頃です。

定着しつつある授業評価ですが、いまだに、混同されていることがあります。それは、授業評価の目的には複数あるということ、そして、それぞれに応じて異なった方法をとる必要があるということです。代表的なものは、「人事考課のための授業評価」と「授業改善や教員の能力開発のための授業評価」でしょう。もちろん、完全に切り離すことはできません。年俸を上げるために、一所懸命授業を改善する努力をして、それで授業が改善されれば、いいわけですから。

ただし、「これらの二つは異なる目的実施しているんだ」ということを、授業者が明確に認識しておくことは決定的に重要です。人事効果が目的に場合、平等性を保つためにも、共通の質問紙を使って評価を得ることになるでしょう。しかし、授業改善や能力開発を目的とした場合、授業ごとに、教員ごとに、質問紙は異なったものになるはずです。授業のねらいも、課題も、教員の力量も異なるわけですから。一般的な評価だけでは、具体的な改善の手だてを見出すことはできないはずです。

5/24/2008

Reading(読解)について考える

ある英語関係のメルマガで次のような問題が紹介されていた。英語がnative speakerの小学校2年生の国語の問題らしい。

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Read the letter and answer the question.

Dear Grandpa,
We're having a great camping trip. Dad put our tent undera big tree, and we can hear the water flowing over the rocksin a nearby stream.Yesterday Mom and I cooked some hot dogs.Today we went on a hike. I wanted to pick a flower,but Mom said it was better to leave the plant alone becauseall flowers want to grow!

Love,Kate

For what purpose was this letter written?

○To warn not to pick wild flowers.
○To show how to put up a tent near a stream.
○To share the joys of the trip with her grandfather.
○To suggest some plans for the trip.
○To ask her grandfather to reply to her.
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一瞬、日本の高校入試でもありそうな読解問題だなあと思って読み始めたが、やはり違っている。正解は、「○To share the joys of the trip with her grandfather.」。discourse 全体をglobalに読み取って、意図を解釈しないとできない。

日本の外国語の読解問題の場合、書かれてあることが、そのまま問われるような問題が多い。そうでないものもでてきてはいるが、まだまだ表面的で形式的な理解を問うものが多数だろう。場合によっては、

Keiko bwenested the car.

(question)Who bwenested the car?
(answer) Keiko did.

のように、bwenestedという単語の意味が分からなくても、正解になってしまう。(注 存在しない架空の語です)このようなことが起こってしまう。

果たして、外国語教育では、どこまで求めるべきなのか。僕は、この小学校2年生レベル(むしろ、それ以上)の読みを要求すべきだと思う。決して難解な英語を駆使しなくても、内容自体の知的レベルをあげることは可能なはずです。皆さんはどう思われますか?

5/23/2008

Classroom Discipline(授業規律)


昨日の、高知南中高等学校のセルハイ運営指導委員会で「授業規律」のことが話題になった。意図的、計画的に授業規律を取り上げていることが少ないという問題意識があったので少しコメントをさせてもらった。Wong & Wong(1998) The First Days of School(Harry K.Wong Publications)という本のことが念頭にあったからだ。(Amazon.comの書評などはこちら

この本の、p.167に、

Most teachers do not teach.
They "cover" or "do" activities.
Then when things go wrong, they discipline.
In short, most classrooms are nonmanaged.

とある。本質をずばり言い当てた言葉だ。Disciplineの作り方、提示の仕方から、問題のある生徒への対応の仕方などが、実に丁寧に記述されている。同書は、Effective teacherの要件として、 1. Exhibits positive expectations for all students 2 establishes good classroom management techniques 3 design lessons for student mastery. の3点をあげ、それらを具体的に解説することが本書の柱になっており、classroom managementを重要視していることが分かる。

p.143に、"It is easier to maintain good behavior than to change inappropriate behavior that has beocme established. "とある。やはり、明確な意図をもって、計画的に「授業規律」に取り組む必要がありそうだ。高知南中高は、今年、授業規律を学校あげての重要なテーマにしているとのこと。ぜひ、しっかりとしたプランを立てて、実行してほしいと思う。

さて、How to become an effective teacherという副題がついたこの本は、日本にはあまりないタイプの本だと思う。"The frist days are critical."というセクションで始まるこの本は、始めて教壇に立つ若い教員に対して、プロの教師たるにはどうすればよいかを説いた指南書だ。きわめて具体的で、実践的な内容が丁寧に書かれている。新人教員ならずとも、役に立つことがたくさんあると思う。日本では、このような実践書があまり好まれないのかもしれない。あまり注目されたこともないようだ。経験で気付く前に、このような本で「教える」ことも重要じゃないだろうか。僕は、「教師の自己成長」(Teacher Development)ということに関心をもっているけれど、やはり基礎となる指導技術や考え方は身につけておくことが先だと思う。

英語授業研究会スタッフミーティング

 昨日は、19:00から英語授業研究会のスタッフミーティングをもちました。来年8月の四国英語教育研究大会に向けて、中高の教員が協働で授業研究を進めていこうと立ち上げたもの。5月10日に実施した第一回の後、スタッフ間で反省をする中で、毎月の授業研究会をより魅力あるものにしたい、そのためには、スタッフが十分にプランを練っておきたい、ということで集まったのです。
 
 毎月の定例会は、1部が「参加者自身が指導技術や力量を高めるためのワークショップ」、2部は、課題や問題を話し合い、解決の道筋を探るグループごとの「学びの場」を設定することになりました。前半が、Teaching skillsを高めるためのTeacher Trainingだとすれば、後半は、Reflective practitionerになるための、Teacher Developmentの活動と言えそうです。手探りの中で、進めていくことになると思いますが、今後の、教員の力量形成を考えるうえで、とても重要な要素が入ったものになると思っています。
 
 「毎月の研究会が、楽しく、得るものがあって、来て良かったと思ってもらえるものにしたい。」スタッフのみんなも、忙しいはずなのに、そのような思いで、集まる。このような前向きな空気の充満した会は、とても気持ちがいいものです。

5/22/2008

高知南中学校・高等学校SELHi運営指導委員会


本日、今年第一回目のセルハイ運営指導委員会があり、高知南中学校・高等学校セルハイの概要)に行ってきました。昨年までは、言わば主催者側、今年は、運営指導委員なので、同じ会議に出ても、心持ちが違います。第三者的な立場で見たら、気楽かなと思っていたのですが、そうでもなかった。やはり、せっかく委員という立場で参加するのだから、何らかのヒントが示せるようなコメントをしたい。様々な取組や結果があるなかで、最も本質的に重要なところを見つけなければ。。そう思うと、もしかすると去年(高等学校課の立場で聞いたとき)よりも、ずっと真剣に学校側の説明を聞いていたのかもしれません。

 いくつも興味深い取組があったのだけど、やはり、今回作成している中高一貫のシラバスは注目に値すると思う。特徴はいろいろあるけれど、やはり project-basedのシラバスという点。「プロジェクト」(英語を使うコミュニカティブな活動)を、定期的に取り入れている。一定期間授業をした後、その中で身につけた英語を使うタスクを取り入れたプロジェクトを行うのだ。到達すべきスキルが明確になること、そのスキルが身についたかどうかのperformanceの評価が可能であることなど、通常のシラバスにはないことが実現されている。

研究指定も今年1年。あと一踏ん張り、ぜひ良いものを残してほしいと思う。応援します。

今日、高知南中高等学校に行って感じたことは、生徒たちが本当に人なつっこく明るいということ。廊下で会うたびに、どの生徒も笑顔で挨拶をしてくれる。こっちまで、うれしくなる。

Kochi英語No.86(2008.5.21)春季大会、小学校英語など

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<もくじ>

1.高知県春季英語教育研究大会(案内)2.小学校英語関連サイト3.第3回英語教育勉強会(案内)4.英語ディベート入門指導(No.6)5.田尻悟郎先生による「生徒の心に火をつける」研修(案内)

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高知県春季英語教育研究大会(案内)
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日 時:2008年6月1日(日)
場 所:高知県教育センター本館
参加料:1,500円(高教研・土佐研会員は1,000円)
日 程:
9:00- 9:30 受付 
9:30- 9:35 開会式
9:40-12:30 研究、実践発表
①高知市立新堀小学校
②高知市立城東中学校
③県立伊野商業高校、県立春野高校12:30-13:20
昼食
13:30-15:00 講演 講師 菅 正隆 氏    (文部科学省初等中等教育局 教育課程課 教科調査官)
15:00-15:20 質疑応答
15:20-15:30 閉会式
<講師関連サイト>管 正隆 氏http://www.bumblebee.jp/6way_site/cast_kan.htmlhttp://yosidon2.hp.infoseek.co.jp/kongonoeigo.htm  ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
小学校英語教育関連サイト特集
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小学校における英語教育が話題となっていることもあり、「小学校英語」をキーワードにネット検索してみました。文部科学省のサイトは、情報という点では、まだまだ不十分です。以下のサイト、すべてを見たわけではありませんが、現場の先生方の役に立つのではないかと思われるサイトもあります。
<小学校英語関連サイト>
文部科学省小学校外国語活動サイト  http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gaikokugo/index.htm
文部科学省 「英語教育改善実施状況調査」の結果について  http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/index44.htm
小学校英語活動の支援(小学館)  http://www.shopro.co.jp/eigokatsudo/index.html
小学校英語応援サイト(成美堂)  https://www.seibido.co.jp/kids/index.htm
SPACE ALC小学校英語(アルク)  http://shogakko.alc.co.jp/
元気English!(リチャード・グレアン)  http://www.genkienglish.net/gamemenuj.htm
松香フォニックス研究所小学校英語  http://www.mpi-j.co.jp/elementary/
小学校英語活動情報WEB(文溪堂)  http://www.bunkei.co.jp/eigo/
児童と英語教育~パソコンとインターネット~(國本和恵)  http://www.urban.ne.jp/home/bisa/children/elementary1.htm
JES小学校英語教育学会  http://www.e-jes.org/
小学校英語カリキュラム(中村節男)  http://homepage2.nifty.com/works95/
島根県浜田市立雲城小学校  http://www.kanagi.ed.jp/kumogi/
神奈川県横須賀市立鴨居小学校  http://schoolnet.edu.city.yokosuka.kanagawa.jp/schoolnet/element/133kamoi/
東京都町田市立小山田南小学校  http://www.machida-tky.ed.jp/e-oyamadaminami/
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第3回中・高合同・英語教育勉強会
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 2009年8月に、四国英語教育研究大会が高知で開催されます。この大会に向けて4月より、月1回のペースで勉強会をしています。普段の授業の悩みや新しい発見と刺激を共有しませんか?本会の特徴は中高合同で勉強会を行っていることです。中・高の先生にとっては、本会に参加して得られる「新しい発見や共通認識」がきっと日々の授業で役立つはずです。 第3回勉強会を下記日程で開催しますので、お気軽にご参加ください。

【日程・場所】  第3回勉強会 6月14日(土)15:00~17:00 高知西高校会議室
【世話人】 お問い合わせは以下世話人までお願いします! 
山中 由香 (附属中学)yuka_yamanaka@kt4.kochinet.ed.jp 中馬 剛  (須崎高校)middle-h@me.pikara.ne.jp
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英語ディベート入門指導 (No.6)
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「英語ディベートで英語力の向上を図る」をテーマに、入門指導の具体的な方法を連載で紹介しています。 今回は連載No.6【4時間目の授業計画】です。内容は、基礎トレーニングと日本語でのマイクロディベートです。
【4時間目の概要】(1)基礎トレーニング(10分)     ↓(2)日本語マイクロディベート②準備(5分)     ↓(3)実践(30分)
【4時間目の内容】(1)Q&Aトレーニング:   リスニング・スピーキングの基礎力を鍛える(5~10分)第3時間目の授業と同様の活動を行います。3回目ではまだまだ難しいと思いますが、生徒のほうもこのトレーニングに次第に慣れてくるはずです。その慣れてきた頃が、次のステップに進む頃合です。語彙リストを改良しましょう。改良のポイントは以下です。
<語彙リスト改良のポイント>ポイント1: 語彙だけにとどまらず、Are you a high school student?などの 疑問文をたくさんリストに入れます。さらに、Are you ( )?の ような形式を取り入れ、問いかける生徒が好きな語彙を使えるよ うにすると即興性も高まります。
ポイント2: リストに「ディベートで使う表現」を少しずつ加えます。たとえば、 Cross Exam(質疑応答)の場面で使われる可能性が大きい表現、Would  you please repeat your 1st advantage?/ Did you say that...? などをリストに加えます。
ポイント3: 慣れてきた頃が、発音の正確さとスピードを高める頃合です。教員 との練習は「生徒が苦手な発音」にポイントを絞って、どうすれば その音声がすばやく正確に再生できるか具体的に指導します。
(2)Micro Debate日本語②準備:全授業と同様、ディベートを楽しみ、慣れることが目的です。生徒がよく知っている人物・事柄を用いた簡単な論題を準備します。たとえば、以下のような論題はおなじみのものです。試合フォーマットや方法も、前回と同様で行います。あまり、堅苦しくルールで縛り付けないで、「今回はしっかりとメモを取ろう!」など、ポイントを絞った方がよさそうです。 論題①ドラえもんVSアンパンマン (英語ならば→Doraemon is better than Anpanman.)②高知VS東京       (英語ならば→Kochi is better than Tokyo.)③うどんVSラーメン     (英語ならば→Udon is better than ramen.)
■形式4名1グループ(MC1名、肯定側1名、否定側1名、ジャッジ1名)を決める。やむを得ずできる3名グループでは、ジャッジがMCを兼ねる。このグループで、4回試合を行う。つまり、毎回、係をローテーションしながら、全員がすべての係を経験できるようにする。
■フォーマット:1試合7分間の以下のフォーマットを使用する。Affirmative Constructive Speech 肯定側立論  (1min) Preparation Time (30sec)Cross Examination 質疑応答  N→A (1min)Preparation Time (30sec)Negative Constructive Speech 否定側立論   (1min) Preparation Time (30sec)Cross Examination 質疑応答  A→N (1min) Preparation Time (30sec)Negative Rebuttal Speech 否定側反駁   (30sec)Affirmative Rebuttal Speech 肯定側反駁   (30sec) ------------------------------------------------------------             Total time 7 minutes
(3)実践(30分)前回は身近な生徒同士でグループを作ったので、今回は前回と違うメンバーで取り組ませたいところです。準備ができたら、教員はTKを担当しながら、試合を進めます。「メモを取ることが今回のポイントだよ」ともう一度念を押します。
<ディベート関連サイト>日本ディベート協会 http://www.kt.rim.or.jp/~jda/全国教室ディベート連盟 http://nade.jp/school/whatis.htmlDebate Open Space http://www2u.biglobe.ne.jp/~kurapy/debate.html
■□■□■□■ □■□■□■□■□■□■□■□■ □■□■□■      田尻悟郎先生による「生徒の心に火をつける」研修        ~~~ 2日間 ~~~        ~~~ 沖 縄 ~~~       
■□■□■□■ □■□■□■□■□■□■□■□■ □■□■□■世界の田尻悟郎先生が沖縄で教員養成のための研修に登場されます。申し込み・日程など詳細は、添付資料をご覧ください。
            記
日時:2008年6月21日(土)~22日(日)場所:沖縄国際大学(沖縄県宜野湾市)
<田尻悟郎先生関連サイト>http://gtec.for-students.jp/tajiri/http://www.nhk.or.jp/wakuwaku/mail/enq-04-0422.htmlhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E5%B0%BB%E6%82%9F%E9%83%8Ehttp://kazekirari.sblo.jp/article/4527368.html

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高知県教育委員会事務局高等学校課指導主事 山田 憲昭 YAMADA NoriakiTEL 088-821-4850 FAX 088-821-4547noriaki_yamada@ken3.pref.kochi.lg.jpnoriaki_yamada@kt5.kochinet.ed.jpnoriaki_yamadajp@yahoo.co.jp
高知県教育委員会事務局高等学校課: http://www.kochinet.ed.jp/koukou/高知英語Connection: http://kochi-e-project.blogspot.com/Kochi Toastmaster Club: http://kochitoastmasters.blogspot.com/

5/20/2008

教員養成にビジョンはあるか:「目指す英語教師像」

H15~19まで、高知県でも英語教員の全員研修をやった。(高知県教育センターの本研修ページ)その柱にすえたのがアクション・リサーチ。その研修を企画するときに、「我が国の教員養成にビジョンはあったのだろうか?」という問題意識をもった。「真面目で、教育に対する意欲のある者。」などのような決まり文句のようなものは、あっても、どのような教員になってほしいのか、どのような知識とスキルをもった教員が必要なのかということは、示されていない。養成段階でも、採用でも、任用後の研修でもだ。

以下が、この研修で示した、「目指す英語教師像」だ:

「良質の英語を使った授業を展開することができ(REAL English Teacher)、 省察によって授業を改善する方法を身につけ(reflective practitioner)、 新しい英語教育の創造に自ら積極的にコミットする英語教員 (self-directed teacher)」

生涯にわたって、プロの英語教師(paid English Teacher)としての、自負とプライドをもって、自律的にキャリアを積み上げていってほしい、それができる自律的英語教師だ。この英語教師像を実現すべく、研修プログラムも組み立て、研修の評価も行った。

今、この5年間の取組のまとめをしている。今日も、研修自己評価を整理したが、全体的にポジティブな結果が出ている。英語を使った授業展開(REAL English Teacher)の部分は十分ではなかったが、授業の省察(reflective practitioner)と英語教育に取り組む意識(self-directed teacher)の部分では、望ましい変容がみてとれる。

この研修プログラムの、どのような点が、教員の資質や意識のどの部分に効いたのか、少しずつ明らかにしていきたいと考えている。このページでも結果を報告していくつもりだ。

5/19/2008

授業評価されてみたい(?)

Science Readingの授業で、生涯初の和訳先渡し授業をしたことは、以前にも書きました。(今は、和訳配布前に、教科書の付属のビデオを使って概要把握のタスクをさせているので、正確には和訳中渡しになっているのですが、授業後に渡さないという点では「先渡し」の一種?)いろいろと試行錯誤しながら進めてきて、やっと、授業として落ち着き始めたかなあといったところです。もちろん、毎時間悩みはつきませんし、一喜一憂です。

今回、新しい取り組みを導入してみて痛感したことは、「生徒の声を聞いてみたい」と、心底思ったことです。「授業の様子を見ればわかるはずだ」、「テストをしてできていれば良い授業だったと分かる」、「生徒には授業を評価する力がない」、「生徒に迎合するのか」「忙しくて、授業評価をやっている時間がない」。。。といった「批判(というか、いいがかり?)」が授業評価にはありました。

もちろん、それらの意見も完全な誤りとは言えなくもないと思います。授業の結果(product)だけを求めるのであれば、テストや観察だけでいいかもしれません。しかし、自分がやっている授業の、どの部分が、どこに効いたのか。どこがつまらなかったのか。どの部分が楽しくて、どの部分がつらかったのか(良い負荷がかかったかということも含めて)。それは、なぜか。

より望ましい英語学習をして、より良い英語学習者に育てる、そのようなprocessも重視したいと思えば、生徒の声を聞くしか方法はない。

開講から約一か月、そろそろ、一回目の授業評価をやりたいと思っている。

5/15/2008

Kochi英語No.85(2008.5.15)

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■   英語教育の広場 -KOCHI英語-    ■■  ■■ **   **
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■     第85号 2008.5.15.(Thu)    ■■     **
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■Blog: http://kochi-e-project.blogspot.com/  ■■■   **
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■  発行元:高知英語Connection事務局    ■■  ■■  **   **
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<もくじ>

1.第3回英語教育勉強会(案内)
2.英語ディベート入門指導(No.5)
3.田尻悟郎先生による「生徒の心に火をつける」研修 (案内)

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        第3回中・高合同・英語教育勉強会

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 みなさん、こんにちは。新年度が始まってまだ1ヶ月、各先生方には何か
と忙しい毎日を送られていると思います。
 さて、2009年8月に、四国英語教育研究大会が高知で開催されます。
まずは、この大会に向けて今月より、月1回のペースで勉強会を行います。
普段の授業の悩みや新しい発見と刺激を共有しませんか?本会の特徴は
中高合同で勉強会を行っていくことにあります。校種を超えた英語教員の
協働研究です。中・高の先生にとっては、本会に参加して得られる「新しい
発見や共通認識」がきっと日々の授業で役立つはずです。
 第3回を勉強会を下記日程で開催しますので、同僚の先生をお誘い合わ
せの上、お気軽にご参加ください。多くの先生方と一緒に勉強会を進めて
いけることを楽しみにしています。

【日程・場所】    
第3回 6月14日(土)  15:00-17:00   高知西高校


【世話人】 お問い合わせは以下世話人までお願いします!
山中 由香 (附属中学) yuka_yamanaka@kt4.kochinet.ed.jp
中馬  剛 (須崎高校) middle-h@me.pikara.ne.jp

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          英語ディベート入門指導 (No.5)

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 「英語ディベートで英語力の向上を図る」をテーマに、入門指導の具体的な
方法を連載で紹介しています。
 今回は連載No.5【3時間目の授業計画】です。内容は、基礎トレーニングと
日本語でのマイクロディベートです。

【2時間目の流れ】
(1)基礎トレーニング(5分)
   ↓
(2)日本語でのマイクロディベート準備(15分)
   ↓
(3)実践(25分)

【内容】
(1)Q&Aトレーニング:
  リスニング・スピーキングの基礎力を鍛える(5分)

 第2時間目の授業と同様の活動を行います。2回目ではまだまだ難しいと
思いますが、生徒は4回、5回と同じトレーニングを繰り返すうちに、
新しい雰囲気にもなじみ、やがてリストにある英語表現をよりスムーズ
により正確な発音・イントネーションで発話できるようになります。継続
のポイントは以下の2つです。

ポイント1:教員があきらめずに取り組む。もちろん、生徒と一緒にトレーニングする。
ポイント2:語彙リストを少しずつバージョンアップする。たとえば、最初は「日常生活に
      関わる基本的な英語表現」リストで初めて、少しずつ「ディベート
      で使う表現」をリストに加えていく、などが効果的だと思われます。

(2)Micro Debate日本語①:
  「我がクラスは教室を自由席にすべし」の準備(15分)

日本語によるマイクロディベートに挑戦させ、ディベートにおける役割を体にしみ込ま
せることが目的です。今回は、役割を交代しながら、同じ論題で3回ディベートを行い、
全員がそれぞれの係を体験できるように仕組みます。

■形式
4名1グループ。MC1名、肯定側1名、否定側1名、ジャッジ1名の係を務める。やむを
得ずできる3名グループでは、ジャッジがMCを兼ねる。4回のディベート毎に、各係を
ローテーションすると全員がそれぞれの係を経験できる。

■フォーマット:1試合7分間の以下のフォーマットを使用する。
Affirmative Constructive Speech 肯定側立論   (1 min)
Preparation Time (30 sec)
Cross Examination 質疑応答  N→A(1 min )
Preparation Time (30 sec)
Negative Constructive Speech 否定側立論   (1 min )
Preparation Time (30 sec)
Cross Examination 質疑応答  A→N(1 min )
Preparation Time (30 sec)
Negative Rebuttal Speech 否定側反駁   (30 sec)
Affirmative Rebuttal Speech 肯定側反駁   (30 sec)
------------------------------------------------------------
            Total time 7 minutes
■用語定義
「自由席=生徒が自由に自分で決める座席」

■プラン(論題を実際に行動に移す際の計画)
① 朝、教室に来た人から順に、自分で自由に席を決めることができる。
② 席はその日の教室の席で、移動の際の特別教室は含まないものとする。

■立論
肯定側は、ADを2つ→その発生過程→どれだけ重要か、を述べる。
否定側は、DAを2つ→その発生過程→どれだけ深刻か、を述べる。

■反論
 まず、それぞれの側は、相手の議論に対して、
   「・・・は必ずしも本当ではない」
   「それは重要ではない」
   「それは関係ない」
   のどれかを当てはめる。
 次に、そう言える根拠(データ)や理由付けを述べて反論する。

■ジャッジ
*どの議論(主張)が、根拠(データ)と理由付けがあるか。(説得力)
*立論から反論まで主張が一貫しているかどうか。
*自分の考えは捨てる。言った事のみで判定する。

(3)実践(25分)
身近な生徒同士でグループを作らせ、机を以下のように配置させる。じゃんけんで、
1回目のディベートの役割(肯定側、否定側、ジャッジ)を決める。準備ができたら、
教員はTKを担当しながら、試合を進める。全員に、メモを取ってもいいことを伝える。












<ディベート関連サイト>
日本ディベート協会 http://www.kt.rim.or.jp/~jda/
全国教室ディベート連盟 http://nade.jp/school/whatis.html
Debate Open Space http://www2u.biglobe.ne.jp/~kurapy/debate.html



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  田尻悟郎先生による「生徒の心に火をつける」研修
        ~~~ 2日間 ~~~
        ~~~ IN沖縄 ~~~       

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世界の田尻悟郎先生が沖縄で教員養成のための研修に登場されます。
申し込み・日程など詳細は、添付資料をご覧ください。

                    記

日時: 2008年 6月 21日(土) ~ 22日(日)
場所:沖縄国際大学(沖縄県宜野湾市)

<田尻悟郎先生関連サイト>
http://gtec.for-students.jp/tajiri/
http://www.nhk.or.jp/wakuwaku/mail/enq-04-0422.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E5%B0%BB%E6%82%9F%E9%83%8E
http://kazekirari.sblo.jp/article/4527368.html

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高知県教育委員会事務局高等学校課
指導主事 山田 憲昭 YAMADA Noriaki
TEL 088-821-4850 FAX 088-821-4547
noriaki_yamada@ken3.pref.kochi.lg.jp
noriaki_yamada@kt5.kochinet.ed.jp
noriaki_yamadajp@yahoo.co.jp

高知県教育委員会事務局高等学校課:
 http://www.kochinet.ed.jp/koukou/
高知英語Connection:
http://kochi-e-project.blogspot.com/
Kochi Toastmaster Club:
http://kochitoastmasters.blogspot.com/

5/14/2008

アクション・リサーチを活用した教員研修支援システムを準備中

5月14日、松山大学で、佐野正之先生(同大大学院教授)と、アクション・リサーチを活用した教員研究支援のための組織の設立準備の打ち合わせをしてきました。佐野先生が、全国各地の英語教員研究を支援したきた実績(報告者第一部)と、高知でのアクション・リサーチの取り組の成果(報告書第2部、準備中暫定版)を、なんとか、今後の英語教員研修の充実に生かすことができないかという思いから、準備を進めてきたものです。

アクション・リサーチに取り組んでみたいけれど、どのようにすれば良いか自信がもてない、研修企画担当者を対象に、リアルタイムに実施されているアクション・リサーチの実例を交えながら、メールマガジン形式のを中心とした支援を行う予定です。

詳細が決まり次第、このページで報告します。

5/10/2008

四国英語教育研究大会第2回研究部会に出席してきました

中高の先生方が協同で英語の授業について研究を進める授業研究会の二回目の会合に出席しました。中学校、高校とも、新しい事務局体制でスタート。司会の中馬先生(須崎高校)は初仕事で、とても進行が固かったと反省していました。いやいや、なかなか良いスタートでしたよ!

高知県の英語教育研究部会は、ずっと中高で協力して進めてきたのですが、今回のように、本格的に中高の教員が一緒に本格的に授業研究に取り組むことは初めてのことです。なかなか、共通点は見出しにくいのですが、学校種を超えて、英語の授業を根本から再考していくことをテーマ(Back to the Basics)に進めていく予定です。

僕は、高校の研究授業のコーディネータをする予定ですが、今後どのような形で授業研究会を進めていくかについて、簡単なワークショップを行いました。この10年間の高知の英語教育研究を総括し、今後求められるキーワードとして、 self-directed teacher を提案(以下、引用参照)。

An important direction in teacher development in recent years has been a movement away from “outsider” approaches to “insider” ones. The former are often based on expert knowledge as well as general theories and principles that teachers apply to their own situations; the latter are locally based approaches that encourage teachers to explore their own contexts and construct their own knowledge and understanding of what takes place in their classrooms. In self-directed learning, teachers assume responsibility for their classrooms. In self-directed learning, teachers assume responsibility for setting goals for self-development and for managing and controlling their own learning.
Among the reasons for the shift toward self-directed approaches to teacher development are a move from a authoritarian organizational structure in schools toward more democratic and participatory forms of teacher development; a shifting of responsibility for professional development from managers and supervisors to learners themselves; and a recognition of the power of experiential and action-based learning.

Jack C. Richards & Thomas S.C. Farrell (2005), Professional Development for Language Teachers, Cambridge University Press.

英語授業の基本的な知識や技術を、今一度、再検証したうえで、自ら授業の課題を見出して、自ら解決していく、そのような「自律型英語教員」を目指して、協同で研究を進めていくことを提案しました。もちろん、この5年間の英語研修で行ったアクションリサーチの延長線上にあるものです。1ランク成熟した「英語教員文化の創造」に向けての取り組みが始まりました。

Oral Presentation 「日本にない大学」とは?

 大学院のOral Presentationの授業で、海外の投資家に、KUTを売り込む英語プレゼンテーションを行いました。 (授業計画はこちら


さすが、修士課程の学生たちだけあって、きちんと準備もしてきていたし、プレゼンのねらいを実現しようとする的確な意図が感じられました。もちろん、英語やdeliveryには、まだまだ課題はありましたが、十分な基礎力を備えていると言えます。英語を使うことへの抵抗感があまりないなど、KUTの英語教育の成果と言えるかもしれません。今後、適切なトレーニングをしっかりと積めば、全員good presenterになれると感じました。授業の後半戦に向けて、伸ばしたい点、補強すべき点がよくわかったプレゼンテーションでした。


次の講義では、以下のような評価を返しました。


 ○良かった点
  ・全体にバランスよく構成できていた。
  ・キーポイントが明確に提示されていた。
  ・オーディエンスを見て、語りかけようとしていた。(原稿を読んでいない)


 △こうすればもっと良くなる点
  ・introでKUTの魅力をもっとアピールしたい。(自分自身がどう実感しているか)
  ・メリットに何らかの客観的なエビデンスがほしい。(生の声、第三者のコメント、データなど)
  ・オーディエンスにとって、メリットが何を意味するかを明確に伝えたい。
  ・conclusionで、要点にうまく言及し、さらに強く印象づけたい。
  ・もっと、熱(passion)があっていい。
  ・もっと、自信をみなぎらせ(confident)、確信をもって伝える。
  ・ほんの少しvocal variety(声の使い分け)に工夫を。



ちなみに、「"KUT is not in Japan."じゃあ、「日本にない大学」にならんでねえ。」と的を得た生徒のコメント。公式には、どのような英語を使っているか調べてないのですが、"Nowhere else in Japan can you find an university like KUT."みたいな感じでしょうか。


Class Presentationの様子:

5/07/2008

全英連の思い出




先日、ある人を通して、石川県の英語研究部会から、高知の全英連の取組について話してほしいと言っているとの依頼があった。全国規模の研究大会に向けてのどのように考え、どのように準備を進めたかということについてである。数年後に、石川で全英連があるとのこと。英語教育の実践や授業の話ではないのに、興味をもってくださったことが、ちょっぴり不思議な気もした。でも、僕たちがやってきたことが、このような形で、ある意味評価され、関心をもってくださるのであれば、あのとき、僕たちが共有した熱気のようなものや、使命感のようなもの、そして、大きな充足感のようなものを伝えたいと思った。あのような草の根の動きでしか、実現できないことがあると、痛感している。7月下旬、高等学校課の山田先生と二人で行くことにした。

全英連高知大会の準備を始めたのは1998年だったので、もう10年が経った。この10年で、その時描いたことのうち、実現したこともあるし、まったく実現できていないこともある。ただ、10年前よりも前に進んだことだけは確かだ。英語教員研修も良い形で実施することができた。大学院進学を希望する現職教員の割合も圧倒的に英語科が多い。高校生英語ディベート大会は7回を数える。ここ数年、決勝ディベートなどは結構すごい。高校生の英語力としては、全国に誇れるレベルだ。昨年は、高知の高校生が、全英連スピーチ、英作文コンテストの両方を制覇した。何と言っても、すばらしいのは、生徒たちのために、汗をかこう、努力しようという意志をもった教員が増えたことだ。

たくさん、楽しいことも、しんどいこともあったけど、全英連の思い出を一つあげよと言われたら、迷わず答える。「あの取組をとおして、「夢」や「理想」を語り合える仲間にめぐりあえた」ということだ。そして、それらを真剣に語りあい、それを少しずつ実現してきた。どんな時でも、"I am on your side."と思える仲間だ。

このような仲間は、やはり、それなりに大きなプロジェクトを、一緒に成し遂げなければ、生まれないんじゃないかと、今になって思う。石川県の皆さんにもこれだけは伝えたい。












5/04/2008

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■       英語教育の広場 -KOCHI英語-    ■■  ■■ **   **
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■         第84号 2008.5.2.(Fri)     ■■     **
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■    Blog: http://kochi-e-project.blogspot.com/   ■■■   **
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■       発行元:高知英語Connection事務局     ■■  ■■  **   **
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<もくじ>

1.英語教育勉強会のお誘い
2.英語ディベート入門指導(No.4)
3.田尻悟郎先生による「生徒の心に火をつける」研修 (案内)

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        中高合同・英語教育勉強会のお誘い

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 みなさん、こんにちは。新年度が始まってまだ1ヶ月、各先生方には何かと忙しい毎日を送られていると思います。
 さて、2009年8月に、四国英語教育研究大会が高知で開催されます。まずは、この大会に向けて今月より、月1回のペースで勉強会を行います。普段の授業の悩みや新しい発見と刺激を共有しませんか?本会の特徴は中高合同で勉強会を行っていくことにあります。校種を超えた英語教員の協働研究です。中・高の先生にとっては、本会に参加して得られる「新しい発見や共通認識」がきっと日々の授業で役立つはずです。
 第1回を4月19日に行い、研究会の日程や四国大会の分科会などについてディスカッションしました。今後の日程は以下のように決定していますので、同僚の先生をお誘い合わせの上、お気軽にご参加ください。多くの先生方と一緒に勉強会を進めていけることを楽しみにしています。

【日程・場所】
第2回 5月10日(土)  15:00-17:00   高知西高校        
第3回 6月14日(土)  15:00-17:00   高知西高校
第3回 7月12日(土)  15:00-17:00   高知西高校

【世話人】 お問い合わせは以下世話人までお願いします!
山中 由香 (附属中学) yuka_yamanaka@kt4.kochinet.ed.jp
中馬  剛 (須崎高校) middle-h@me.pikara.ne.jp

*5月10日が本格的なスタートですので、勉強会終了後、懇親会を予定しています。ふるってご参加ください。詳細は研究会場でお知らせします。

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          英語ディベート入門指導 (No.4)

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 「英語ディベートで英語力の向上を図る」をテーマに、入門指導の具体的な方法を連載で紹介しています。
 今回は連載No.4、本格的な授業スタート【2時間目の授業計画】です。内容は、基礎トレーニングと理論学習です。

【2時間目】(1)基礎トレーニング→(2)理論学習→(3)試合発表とチームリーダー投票

(1)Q&Aトレーニング: リスニング・スピーキングの基礎力を鍛える(20分)
 授業の最初に、スピーキング・リスニング活動を中心に英語を積極的に使う活動を行い、授業の雰囲気作り、つまり、間違いを恐れずどんどん英語を話したり、聞いたりする、間違えても言い直せばいいんだよという雰囲気・学習環境をつくり出すことは教員が行う大変大きな役割です。この雰囲気・学習環境があってこそ、生徒は安心して英語を使い、英語力の基礎的な部分を鍛え上げることができるのではないかと思います。
 語彙インプットシート(以下参照)を利用して、英語による簡単な質問およびその回答をすばやく行う訓練を行います。生徒はペアになり、じゃんけんで質問する人、答える人を決めます。質問者は、シートの質問を上から下へとどんどん質問し、回答者は、どんどん回答します。質問は基本的なYes-No question中心から始めます。

質問する人も回答する人も、正確な発音・イントネーションで、すばやく、明瞭に発話することを心がけることが大切です。指導のポイントは、最初はゆっくりと正確に、次第にスピードを上げていくこと。こなれてきたら、さらに難易度をあげ、時制変えたり、What、Who、Where、When、Howなどの疑問詞で始まる疑問文を用いて、多彩なバリエーションで、シートがなくてもできるようなるまで十分な訓練を行います。

(シートの例)
*ここでは質問1~5だが、実際の授業では15~20くらいでもOK。   (チェック欄)
*下線部は、バリエーションを各ペアで考え自由に変えれる部分を示唆。   ↓
1Do you like sports?Yes, I do. / No, I don’t.
2Do you like music?Yes, I do. / No, I don’t.
3Don’t you like sushi?Yes, I do. / No, I don’t.
4Don’t you like football?Yes, I do. / No, I don’t.
5Are you a student?Yes, I am. / No, I’m not.

(2)Debate理論学習①(15分)
「ディベートとは何か?」について理論を学習する時間です。説明する際、少なくとも、以下のような項目が必要だと思われます。

①ディベート定義:
 1つの論題に関して、肯定側と否定側に分かれ、それぞれの立場の優位性を客観的 かつ論理的に第三者(Judge)に示す競技。Aff.側は、論題を採択するメリット(merits/変革/よさ/AD:advantage)を、Neg.側は、そのデメリット(demerits)または、メリットが無いこと(現状維持、DA:disadvantage)を主張する。Debateは、頭のスポーツ。勉強性とゲーム、両方の楽しみがある。

②ディベートのルール等:
 論題、フォーマット、肯定側、否定側、ジャッジ、オーディエンスなどについて簡単に解説・確認する。ディベートを行う際の大切な「論理性・ロジック・説得力」について、「三角ロジック」を説明する。

*三角ロジック:下図参照
 論理的な主張には、客観的なデータと、データと主張を結びつける理由付けが必要。たとえば、医者が患者さんに診断(主張)を下す際、医者は必ず熱を測り(データ収集)、そして「熱はインフルエンザの症状である」(理由付け)をもって、最終的な診断を下す。これをしない医者は、信頼できない、当てにならない「やぶ医者」ということになりかねない。


主張

彼はインフルエンザである。
             データ     
データ              理由付

彼は熱が39度ある。      熱はインフルエンザの症状である。

(3)ディベートに必要な3つのもの(ディベーター、論題、ジャッジ)を考えさせる。
 クイズ方式で、ロジック以外にディベートに必要な3つのものを考えさせてみる。一見難解な質問だが、答えは人(ディベーター)、論題(proposition)、ジャッジ。

4)ディベートリーダーの選出(投票)(10分)
 最後に、1チームを5名で構成する8チームによるクラス対抗戦を行うことを伝える。準備として、リーダーにふさわしいと思う人を、生徒は各自3名連記で投票する。投票数の多かった8名がリーダーになり、その後、残りの生徒に、「どのリーダーと一緒にディベートをしたいか?」について希望調査を行うというチーム決定方法を説明。すぐ3名連記の投票を行い、教員が投票結果をその日のうちにクラスに報告する。同時に、希望用紙を残りの生徒に配布し、一緒にディベートチームを作りたいリーダー名を第4希望まで記入し提出するように指示する。最終的なチームの決定は5時間目までに行う。

<ディベート関連サイト>
日本ディベート協会 http://www.kt.rim.or.jp/~jda/
全国教室ディベート連盟 http://nade.jp/school/whatis.html
Debate Open Space http://www2u.biglobe.ne.jp/~kurapy/debate.html

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  田尻悟郎先生による「生徒の心に火をつける」研修
        ~~~ 2日間 ~~~
        ~~~ IN沖縄 ~~~       
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世界の田尻悟郎先生が沖縄で教員養成のための研修に登場されます。
申し込み・日程など詳細は、添付資料をご覧ください。

                    記

日時: 2008年 6月 21日(土) ~ 22日(日)
場所:沖縄国際大学(沖縄県宜野湾市)

<田尻悟郎先生関連サイト>
http://gtec.for-students.jp/tajiri/
http://www.nhk.or.jp/wakuwaku/mail/enq-04-0422.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E5%B0%BB%E6%82%9F%E9%83%8E
http://kazekirari.sblo.jp/article/4527368.html