10/31/2009

松山大学「アクションリサーチ研究会 研究大会」にてパネルディスカッション



松山大学言語コミュニケーション研究科主催「アクションリサーチ研究会 研究大会」のパネルディスカッション「授業改善のために教師が心がけておくこと-PDCAサイクルの盲点」でパネラーを努めました。コーディネータは金森強(松山大学)先生、パネリストは長﨑政浩 (高知工科大学)、鈴鹿基廣先生 (愛媛県教育委員会)でした。高知でのアクション・リサーチの結果に基づいて、教師の自己成長にとってのアクション・リサーチの意義や、実施していくうえでの課題について問題提起をしました。後半のディスカッションが十分にかみあわず、少し消化不良気味でしたが、参加者の皆さんにアクションリサーチの意義について理解いただけたのでは。

当日の発表レジメはこちら

10/18/2009

GOIKEN(語彙研究会 仮称)スタート

高知県の中学生が中学校を卒業段階で必ず身につけてほしい語彙のリストを作成し、単語学習たのための活動やワークシートを活用しようというプロジェクトがスタートした。JACET8000や参照しうる出現頻度別語彙リストをもとに、1200語程度を選定。コアミーニングの考え方などを活用して、語彙習得のための活動を開発する予定。とりあえず、語彙指導に関する輪読からスタート。将来的には県教委による語彙リストの認定をめざして、高校入試の動機付けにも活用。来月14日(土)から出発。

10/16/2009

授業研究会のご案内

 四国英語研究大会が終わり、2ヶ月となります。さて、前回の大会報告の文末でお知らせしたとおり、研究会を開催します。テーマは「語彙指導の研究」です。高知県の中学生に焦点をあて、中学校から高校に上がるまでの語彙について研究していきます。今回が第1回目で新たな研究会の立ち上げとなります。校種は問いませんので興味・関心のあるかたは是非参加してください。

日時: 平成21年10月17日(土) 15:00~

場所: 高知大学教育学部附属中学校 2F会議室

10/14/2009

Reading Workshop-山田高校との連携

本年度一学期から、山田高校とともに取り組んでいるReading Workshopの実践。今回は2学期2回目。今日のmini lessonは「自分に合った本の選び方」。ストーリーを楽しみながら、自分に会った本をできるだけたくさん読もうと提案。教科書を使い、全員が一斉に読む、「創られた」読解ではなく、本物の読解を実現すべく実践を続けている。1学期にもっとも読んだ生徒は100冊程度。非常に薄いgraded readerも含めてだが、従来のリーディング授業からすれば、圧倒的な読む量だ。

今学期、重要なテーマにしているのがconferenceの進め方。現在、共同研究をしている仲間とOnline Bookclubで輪読をしている Carl Anderson (2000) How's it Going?, Heinemann.を参照しながら、Conferenceの進め方を研究している。同書は "A practical guide to conferring with students writers"とうたわれているとおり、Writing Workshopについての本だが、基本的なconferenceの枠組みは同じだろう。Workshop型授業におけるconferenceは、"we are teaching the writer not the writing."(p.8)という言葉のとおり、目の前にある作品を向上させることが目的ではなく、良い書き手(作家)に育てることを目的としてconferenceを行う。これと同じように考えると、Reading Workshopでは、より良い読み手(読者)を育てることが目的となる。目の前の英文の解釈や文構造の分析を目的とするのではなく、生徒がいつか一人で読んでいけるようになることを目指すのだ。"If the piece of writing gets better but the writer has learned nothing that will help him or her another day on another piece, then the conference was a waste of everyone's time."ということだ。しかし、目の前に生徒の作品のあるwriting と違って、readingの場合は生徒の頭の中でのみ進行していることなので、指導する糸口がつかみにくい。まだまだ、試行錯誤の連続だ。

今回、少し手ごたえがあったのは、「じゃあ、今から読んで(黙読)してみて、分からなかったところで、止まってそこを指さしてみて。」と指示する方法だった。実際その場で読むという作業をperformしてもらう、やや "Think aloud"に近い方法と言えるだろう。しばらく、この方法で考えてみようと思う。次回からは、conferenceの録音を許可してもらうなど、少し記録を残す必要性を感じている。

また、sharingの時間には、今日読んだ本の中から、もっとも印象に残ったフレーズを紹介するということをやったのだが、結局、ほぼどのグループも全体のストーリーを振り返って話すというところからスタートしているようだった。なかなか部分だけでは伝えきれない、そのフレーズの意義を分かるには全体のストーリーが必要なのだろう。sharingはしばらくは本全体のストーリーを振り返らせるという作業が良いのかもしれない。

言語面での少しでも、蓄積をさせたいということで、次回からはお気に入りの表現を書きためさせる作業を入れることにした。

次回は11月4日。教育センターの指導主事が絵本の読みきかせにきてくれる予定だ。

10/11/2009

FDer(ファカルティ・ディベロッパー)養成講座に参加

SPOD(四国地区大学教職員能力開発ネットワーク)と愛媛大学が主催するFDer(ファカルティ・ディベロッパー)養成講座に参加してきました。今回の講座は、大学でのFDのプログラムつくりがテーマ。2日間かけて、参加者は個人またはグループでFD講座のプログラム案を作成しました。いろいろな教員研修のプログラムを企画し、研究もしてきたので、前半は特に目新しい情報はありませんでしたが、2日間のワークショップの運営方法では、多くの得るものがありました。特に、完成したプログラムを全員で改善していくポスターセッションの部分は参考になりました。各プログラム案をポスターとして掲載、それに付箋紙で全員がコメントをつけていきます。最後に、作成者はそれぞれのコメントを読み、自分なりの改善策を考えることがもとめられました。全体の中から2作品が選ばれ(僕の作品も選ばれました)、全員の前で簡単なプレゼン、それに対して全員でディスカッションをし、さまざまな意見をもらいました。簡単な飲み物、食べ物を準備しておくなど、FD運営のノウハウも知ることができ、貴重な情報を得ることができました。

10/08/2009

「反対!」とは-鳩山宣言についての大前研一氏の見解-

鳩山首相が、ニューヨーク国連演説で、CO2排出量の25%削減を宣言、世界中から喝さいをあびた。あの辛口の大前研一氏ですら「リーダーシップを発揮した鳩山首相」の中で高く評価したのである。

一方、国内では、産業界を中心に反発が相次いだ。経団連会長の御手洗氏についても、「それは産業界、経済界も同じだ。御手洗経団連会長もこれについてはいろいろ文句を言っているが、わたしは「黙りなさい」と言いたい。」とまで述べている。

大前氏の主張はこうだ。少し長いが引用する:

「このマスキー法は後になって日本でも適用された。当時、トヨタや日産をはじめ、日本の財界がこぞって廃案にしようとしたものだ。米国に自動車を輸出しているため、マスキー法をクリアしなければならなかったのだが、「技術的に無理」「産業への影響が大きい」と反対していたのだ。

 ところが、この実現不可能と言われた基準を、なんとホンダがクリアしてしまった。ホンダはそれまで二輪車を主に手がけていた。わずかに小さなスポーツカーを扱ってはいたが、主流は二輪車だった。そのホンダが、CVCCエンジンという新しいコンセプトのエンジンを開発して、マスキー法をクリアしてしまった。

 それは、ちょうどトヨタや日産が国会で「なぜこの基準が達成不可能か」ということを説明しているころだった。そんなときにホンダが「はい、私たちはその達成不可能な基準を達成しました」と名乗り出たのだから、トヨタや日産は大恥をかいてしまったのである。それでこの議論には決着がついた。」

痛快ではないか。

反対論は常にでるものだ。反対が強い場合、その案が根本的にだめであるか、先進的過ぎて理解されないかどちかの場合のいずれかに思える。リーダーたるもの、先見性も要るが、決断力も要る。難しいものだ。

教師になりたてのころ、生徒会の担当をしている時に、職員会で提案した事案を、徹底的に反論され、たたきのめされたことがあった。「これだけ反対されるということは、長崎くん、この案見込みがあるで。」と言ってくれた先輩がいた。この言葉はずっと心に残っていて、あらゆる場面で自分自身の行動を規定していると思う。

10/07/2009

会議漬けの一日

今日は朝から会議漬け。午前中は、県教委の連携教育担当の皆さんと、地域教育支援センターのメンバーで、今後の連携教育の在り方について議論しました。開学以来続けてきたBluebird事業。公立大学法人化を受けて、新しい局面へ進みたい。今後、双方のメンバーによるワークショップを行い、新たな協定の作成に着手します。午後は、香南市の小中連携英語教育研究の打ち合わせ、香南中学校の校長、教頭、英語担当の先生と打ち合わせをしました。文部科学省の指定をうけており、それに助言者のような形でかかわります。小学校の授業を継続的に見ることのできる貴重な機会になると思っています。その後、教授会、教職員懇談会。そこで、台風による5限目の休校の知らせ。台風接近。明日は警報しだいで休校になるかもしれないとのこと。

10/06/2009

中学校の授業におけるCreativityの問題

昨日のミドルリーダー育成授業での研究授業のゴールは、オリジナル・スキットを作成して実演するというものでした。この日の授業は、その準備作業。スクリプトつくりです。生徒達は、あいさつ、導入部分からとても積極的で、意欲的に聞き、意欲的に発言もしていて、日ごろの丁寧な指導を垣間見ることができました。次の日に、スキットの発表会を行ったようですが、非常に盛り上がったとの報告をいただきました。その後の、ワークショップも非常に貴重な議論ができ、参加者の皆さんにとっても実り多い研究授業になったと思います。

1点だけ、気になった点。それは、授業のゴールであるオリジナル・スキットつくり。別に、このゴール設定に問題があるわけではないし、生徒たちも大いに楽しんで取り組めたようです。

しかし、中1の10月の時期。まだまだ、手持ちのカード(身についている表現)も少ない時期。基礎基本を徹底的に身につけさせなければいけない時期。はたして、多くの時間を割いて、クリエイティブなスキットをつくることが、本当に妥当なのか。そのような思いは残りました。

当日も、最後にコメントしたのですが、完全なオリジナルを作らせなくても、当初のねらいは達成できるように思えます。例えば、せっかく本文の対話文を練習しているのだから、その対話をロールプレイとして練習するようにして、本文の後に、1つか2つのやりとりを、オリジナルでつける。この程度でも十分所期の目的は達成てきたはずです。むしろ、この課のtarget sentenceや必要な表現を確実に練習させるという意味でも。

楽しく、生徒の主体性やオリジナリティの生きる授業は大切ですが、こと外国語の授業では、それ以前に着実に定着させたいことがある。これは、中学校の授業全般に言えることのように思います。一度、原点に立ち返って全員が考えておくべき問題ではないでしょうか。キャッチボールや素振りだけでは、確かにつらいかもしれませんが、公式試合の前に、シートバッティングや紅白戦をやってもいいのでは。むしろ、その方が自信をもって、公式試合にのぞめ、達成感も高くなるのではないかと思いました。

10/05/2009

教科ミドルリーダー育成事業 授業研究(3)

今日は、教科ミドルリーダー育成事業(県教委)の英語部会3回目の授業研究会(授業者 大豊町中福留先生)でした。アドバイザーという形でかかわっていますが、毎回、実に学ぶことが多い集まりになっています。この事業の趣旨は、ミドルリーダーたる中堅の先生方を育てることですが、英語部会では、将来的にミドルリーダーの皆さんが、地域や学校での授業研究のリーダーとして、授業研究会をfacilitateできるようになるために、効果的な授業研究の方法を探るということを重要なテーマにしています。今回のこの事業では、ワークショップ型の授業研究の方法を探っています。

もちろん、お互いの授業力アップも大切なねらいです。今日、参加者の一人、嶺北中の豊永先生から次のようなメールがよせられました「授業研究は今回で3回目ですが、回を重ねるごとに、自分自身で毎日の授業をチェックする視点をもらっているような気がします。やはり、このような活動(勉強会を)継続して、実践していくことが、教員一人ひとりの授業力を高めることになるのだと思いました。」

毎回、メンバーで振り返り、改善を加えながらワークショップをやっていますが、このコメントをみると、概ね意味のあるワークショップの展開になっているようです。

今日は、非常の多くの貴重な考察、提案のあるよいワークショップになりました。今日の授業については稿を改めます。

10/04/2009

日本教師教育学会(2日目)で発表

 日本教師教育学会で研究発表。高知県の英語教員研修で行ったアクションリサーチの事後調査の結果から、授業改善の課題を探るという内容。発表自体への反響は結構あったが、準備不足。納得できない発表。もっと勉強せんと!直前の発表は授業評価についてのもので、高等学校課在職時代に書いた文章が引用されていた。奇遇。発表した部屋のテーマは「現職教員の成長と研修」。授業評価の取り組み、校内研修における若手教員の省察、国立附属学校における連携についての発表があった。全発表のあとに、30分間の総括討議があり、その中で発表者は、他の発表者について、2分間のコメントを義務つけられた。その後、フロアからの意見を聞いたのち、最後に1分間のまとめのコメント。出しっぱなしの議論に終わることが多い中で、なかなか見事な運営だと思った。最終的には、授業研究の具体的な方法(例えば、ワークショップ型のものなど)を開発し、提案するという活動も、学会としてももっと積極的に取り組んではどうかと提案した。こと教育研究においては、目の前の現象を「客観的に(あるいはそういう装いで」分析し、意義つけたり、批判することが多いのだが、もっと主体的に提案し、「生産」することがあっても良いのではないかと考えているからである。

10/03/2009

日本教師教育学会(1日目)

弘前大学日本教師教育学会出席。養成、採用、研修を中心にした分科会に出席。採用試験分析の発表が興味深かった。教員に必要な資質を測らず、需給関係で決まっているという指摘は衝撃だが、事実だろう。問題は大きい。要するに、いかに採用試験を工夫し、質の高い問題をつくり、選考をしたとしても、需要があれば、もとめたい資質をもたないものが採用されてしまうのだ。民主党政権で、免許更新講習を廃止し、6年間の修士課程まで求める教員養成制度を導入することをとなえている。教員の質的向上にとって歓迎すべき政策転換だ。発表の中でも、教師塾の主催(都道府県が独自に養成)、大学の推薦による採用など、都道府県の人材獲得合戦、様々な事項が議論されたが、現実問題として、この需給関係の問題が常に障害になりうるだろう。

10/02/2009

Long time no see

長らく更新をさぼってしまいました。ずっと、気にはかかっていたのですが、何かに「追われる」数ヶ月。この間も、実にいろいろなことがありました。政権も交代し、日本の教育界も新しい歩みを始めました。時間に余裕がないとだめなのか。時間は絞り出すものなのか。今一度、足跡をとどめていく覚悟。

10/01/2009

今月のことば 10月




One important key to success is self-confidence. An important key to self-confidence is preparation.
- Arthur Ashe