10/08/2009

「反対!」とは-鳩山宣言についての大前研一氏の見解-

鳩山首相が、ニューヨーク国連演説で、CO2排出量の25%削減を宣言、世界中から喝さいをあびた。あの辛口の大前研一氏ですら「リーダーシップを発揮した鳩山首相」の中で高く評価したのである。

一方、国内では、産業界を中心に反発が相次いだ。経団連会長の御手洗氏についても、「それは産業界、経済界も同じだ。御手洗経団連会長もこれについてはいろいろ文句を言っているが、わたしは「黙りなさい」と言いたい。」とまで述べている。

大前氏の主張はこうだ。少し長いが引用する:

「このマスキー法は後になって日本でも適用された。当時、トヨタや日産をはじめ、日本の財界がこぞって廃案にしようとしたものだ。米国に自動車を輸出しているため、マスキー法をクリアしなければならなかったのだが、「技術的に無理」「産業への影響が大きい」と反対していたのだ。

 ところが、この実現不可能と言われた基準を、なんとホンダがクリアしてしまった。ホンダはそれまで二輪車を主に手がけていた。わずかに小さなスポーツカーを扱ってはいたが、主流は二輪車だった。そのホンダが、CVCCエンジンという新しいコンセプトのエンジンを開発して、マスキー法をクリアしてしまった。

 それは、ちょうどトヨタや日産が国会で「なぜこの基準が達成不可能か」ということを説明しているころだった。そんなときにホンダが「はい、私たちはその達成不可能な基準を達成しました」と名乗り出たのだから、トヨタや日産は大恥をかいてしまったのである。それでこの議論には決着がついた。」

痛快ではないか。

反対論は常にでるものだ。反対が強い場合、その案が根本的にだめであるか、先進的過ぎて理解されないかどちかの場合のいずれかに思える。リーダーたるもの、先見性も要るが、決断力も要る。難しいものだ。

教師になりたてのころ、生徒会の担当をしている時に、職員会で提案した事案を、徹底的に反論され、たたきのめされたことがあった。「これだけ反対されるということは、長崎くん、この案見込みがあるで。」と言ってくれた先輩がいた。この言葉はずっと心に残っていて、あらゆる場面で自分自身の行動を規定していると思う。

No comments: