4/28/2008

究極の(?)英語授業用AV機器


以前は、カセットテレコ。その後、CDラジカセ。授業で使う音声機器も進化してきました。僕は、いつか授業で使う究極のAV機器を開発したいと思っていました。なかなか「究極」とまではいきませんが、4月から使っているものを紹介します。

基本的に、音声も映像もPCか、携帯用のプレーヤー(ipodなど)にしようと思っていました。今のところノートPCを使っています。トラックボール時代からのファンであるLet's Note (Panasonic)。タフで、堅牢、これはまさに究極のモバイルノートPCだと思います。操作は、KeyspanというメーカーのUSBリモコンを使っています。プレゼンテーションのリモコンはよくありますが、これは、Media Playerなどの Play, Stop , Pauseなども操作できるものです。AppleのSteven Jobsも愛用していたというなかなかの優れものです。



で、PCのスピーカーでは教室では非力ですので、一式ケースに入れて、カートに乗せて教室に運んでいっています。左右にスピーカー(自前ですが、一応Bose)、FMトランスミッター(音を飛ばしてFMラジオで聞くやつ。Shadowingの時に使います。詳細は後日。)、キッチンタイマー、リモコン、指示棒(英語指導主事会からの贈り物です。ありがとう)、ピンポンブー(○×を音で知らせます)などです。アダプターがじゃまですが、しかたありません。小ぎれいに収納できる方法はないか、もっと機能的に配置できないか、などと思いつつ、現状で、結構快適に使っています。


それぞれの使い方は、おいおいご紹介していきたいと思います。究極の英語授業用機器の探求は続きます。

4/25/2008

Science Reading Unitテスト

Science Readingの最初のUnitが終わったので、金曜日に初めてのテストを実施しました。

高知工科大学はQuarter制をとっていて、履修した科目は、短期集中で終了します。Quarter終了時にテスト期間は設けておらず、各授業時間内で評価をすることになっています。

Science Readingの授業は、基本的に、定期テストよりも、平常重視型の評価をしたかったので、Quarters終了時のテストは実施しないことにしました。評価の材料は、1)授業内の活動への参加度、貢献度(これはかなり材料集めが難しい) 2)ポートフォリオ 3)Unitテストの3つです。

とにかく、授業では、英語を音読したり、シャドーイングをしたりと、徹底的に英語を発してもらう活動をやっているので、範囲の長いテストよりも、日々の活動を重視した評価であるべきだと考えたからです。一夜漬けで覚えてきて点数がとれるテストではなく、授業での活動そのものが評価と結びつくものにしたかった。

テストの問題そのものも、波及効果を生かしたものにしています。つまり、日々の授業の活動と同じことを繰り返しやることで、点数がとれるものにしたい。つまり、音読や速読などをして、教科書の本文を繰り返し読み込まないと駄目なテストです。単語の意味や、日本語訳をチラっと見てきても点をとれません。この授業は、英語力の土台を固めることと英語への苦手意識をなくすることが大きな目標です。テストそのものも、その目標に貢献するものにしたいわけです。

Science Reading Unit 1 テスト問題

ただ、まだまだこの授業の評価には改善の余地がたくさんあると思っています。音声そのものを評価していないことも問題です。現在のところ、1 Unitを二コマで終了させるカリキュラムになっているのでやっている時間がないのです。工夫が必要。全体に易しすぎて生徒への負荷が低い気もしますし、パラグラフ単位などの大きな読みをみることもできません。今のところ、そのような弱点を認識しつつも、通常の授業と一体化させること、すなわち、授業でやることが評価に結びつくことの方を重視しています。

4/24/2008

英語プレゼン「日本にない大学」


大学院の「オーラル・プレゼンテーション」の授業、第3講。テーマは、Develop Content(内容を構成する)です。ブレーンストーミングやマッピングを使って、プレゼンの内容を構成する手順を身につけてもらうことがねらいです。。(授業用Worksheetです

今回、学生の皆さんに与えたミッションは、こんな感じ。

「外国人投資家が、将来有望な日本の大学に投資をしたいと申し出てきました。高知工科大学は、さらなる財政基盤の安定のために、この投資を受け入れたいと考えています。あなたは、外国人投資家に高知工科大学の強みや魅力を英語でプレゼンすることになりました。外国人投資家たちは、高知工科大学の「日本にない大学」というフレーズに興味をもったようです。この言葉の意味するところを説明したうえで、どのような点が「日本にない」のか、3つポイントをあげて紹介してください。制限時間は5分です。」

KJ法を使って、自分たちの訴えようとする内容を構成して、グループでプレゼンテーションをやってもらおうと思っています。今日は、付箋紙にKUTの良いところ10項目、変えたいと思うところを10項目、それぞれ個人で書いてもらいました。次回は、模造紙のうえで、お互いの考えを交換、最終的には、内容を絞り込んで、プレゼンテーションを完成させる予定です。英語を話そうとする意欲が高いクラスなので、ディスカッションも英語をやることになるでしょう。さあ、来週が楽しみだ!

4/23/2008

教員養成とインターンシップ



高知工科大学は、本年度教職課程を設置しました。これまで、高知県では工業の教員になるには県外の大学に進学するしか方法がなかったわけですが、これで、県内の高校生が教員を目指して高知工科大学に進学することもできるようになったわけです。工業に加えて、理科と情報の教員免許を取ることもできます。

本日、高知工科大学で教職課程を担当する中村教授、田島准教授のお二人と、高知県教育委員会に行ってきました。高等学校課(昨年までの私の職場です)では、教育実習のことと、教職志望の学生がTAとして学校現場に入っていく仕組みづくりの打ち合わせをしてきました。高等学校課も前向きのとらえてくださり、今後具体的な制度づくりに着手することになりました。その後、教育政策課でも、今後の採用の見通しや教員免許更新制にあたっての高知工科大学の取り組みついて、相談をさせていただきました。

僕は以前から、教員養成にはインターンシップが不可欠であるという考えをもってきました。教員が大量に必要だった時代は、我が国のこれまでの教員養成の制度が大切な役割を果たしたと思います。しかし、これまで以上に教職の専門性が求められる時代になりました。教科の専門的知識のみではなく、教科教育の専門的知識や技能も高める必要があります。まだまだ、経験(自分の受けた教育)と本能だのみのところがあると言わざるをえないというのが、これまでの僕の実感です。教職課程の授業や、短期間の教育実習ではできないことがあるはずです。教職が、専門職であり続けるためには、医師養成のようにインターンシップが必要。

高知工科大学で教職を目指す学生の皆さんには、ぜひ、早い時期から学校現場を知ってもらって、力をつけて教員免許を手にしてもらいたいと思っています。本当のプロの教員養成に向けて、そのような試みのお手伝いを少しでもさせていだきたいと思っています。

*写真は、英語教員指導力向上研修(高知県教育センター主催)でのアクションリサーチのポスターセッションの様子です。

4/22/2008

Kochi Toastmasters Club 第27回例会


21日(月)、高知トーストマスターズクラブの第27回例会に出席してきました。

トーストマスターズとは、スピーチとリーダーシップのトレーニングを行うことを主な目的とした非営利教育団体です。1924年にアメリカのカリフォルニアで生まれました。世界中で、国籍、職業を問わず、20万人以上の男女が、トーストマスターズ・インターナショナルのマニュアルを使って、言葉によるコミュニケーション能力の向上をはかるため、トレーニングをしています。 日本でも80以上のクラブがあります。高知トーストマスターズクラブには、さまざまな職種のメンバーが月に一回楽しみながら練習をしています。

例会は、第1部が即興スピーチで、決められたテーマについて、その場で1~2分のスピーチを行います。第2部がプロジェクトスピーチで、トーストマスターズのマニュアルにあるプロジェクトにしたがって、スピーチを行います。その後、相互評価(Evaluation Session)の時間があってメンバー同士で、評価しあいます。評価自体も、一つのスピーチであり、練習の一つになっています。

トーストマスターズクラブは、メンバーが協力的な環境の中で、お互いを高めあう、そんな集まりです。この雰囲気がとても良くて、自分を高めたいという意欲がわいてきます。何か新しいことにチャレンジしてみたい方、ぜひ一度のぞいてみてください。

 月例会は第4月曜日、19:00~21:00まで、場所は高知大学です。
  
高知トーストマスターズクラブ
Toastmater International

  【連絡先】長崎 高知工科大学 masahiro@nagasaki21.com 0887-57-2105

4/21/2008

授業事前アンケート調査結果:講座「Science Reading」

学部2年生(3クラス)の授業事前アンケートの結果をまとめました。

Scinece Reading 授業事前アンケート結果

全般的に英語に対する苦手意識があることがわかります。どうやって、英語に対する自信をもたせていくかが重要な課題になりそうです。最初は少ししんどいかもしれませんが、基礎的なトレーニングを、しっかりやって、一定の達成感をもてるようにしたい。

苦手意識はあっても、これまで授業中の様子をみると、とても意欲的で真摯な姿勢をもっていると思います。英語の必要性や英語学習への目的意識ももっています。この講座の受講者はある程度の基礎力はもっているので、それらを、いかに生きた英語力に転換していけるか、授業中のタスクの設定が重要になる。

高校時代の授業については、大学院の授業とまったく同じ傾向です。90%近くが高校の英語の授業は、大学受験のための演習だったと答えています。「先生が解説するだけな感じ」というコメントもあり、我が国の英語の授業が、やはりまだまだ教師主導の「知識獲得型」から逃れられていないことが推測されます。ただ、大学入試に向けた英語学習が完全に悪いかというと、必ずしもそうは言い切れない。「潜在的」な力をつける方法として、悪くはない。それしかやらないのが問題なんだろうと思う。現実として、大学入試という強力なモーティベーションがあるのだから、それを利用しない手はない。「大学入試を手段として、ホンモノの英語力を身につけさせる!」という発想があってもいい。

4/19/2008

四国英語教育研究大会(H21)研究部会に参加

今日、来年(平成21年)の8月に高知県で開催される四国英語教育研究大会の、第1回研究部会がありました。大会テーマは、「今、求められる英語力とは-確かな英語力を目指して」です。大まかな日程案と分科会テーマが研究部スタッフから提案され、活発な意見交換がありました。分科会は、授業実演Q&A、ディベート、ライティング、テスティング、リーディングをとりあげることを決定。それぞれの分科会のねらいが伝わりやすいテーマ設定にすることになり、研究部に分かりやすく、アイキャッチングなテーマ設定が一任されました。そして、記念講演の代わりに、シンポジウムを実施することを決定。パネラーに、小中高大それぞれの校種から「論客」を選び、大会テーマ「確かな英語学力」について「熱い議論」を展開し、大会を締めくくることになりました。高知県では、 H13に全英連、H15~19に英語教員全員研修を実施、実践的で、質の高い英語教育研究が根付き始めていますが、まだまだ県全体に広がるまでにはいたっていないのです。今回の四国大会を高知の英語教育の次へのステップにしたい、そんな思いが詰まった研究部会になりました。
 5月から中高の英語教員が協働で、大会に向けての授業研究を始めます。高知英語Connection!の世話人として、そして、研究授業のコーディネータとして、積極的に関わっていきたいと思っています。

第38回四国英語教育研究大会高知大会研究部会がありました

 今日、来年(平成21年)の8月に高知県で開催される四国英語教育研究大会の、第1回研究部会がありました。大会テーマは、「今、求められる英語力とはー確かな英語力を目指して」です。大まかな日程案と分科会テーマが研究部スタッフから提案され、活発な意見交換がありました。分科会は、授業実演Q&A、ディベート、ライティング、テスティング、リーディングをとりあげることを決定。それぞれの分科会のねらいが伝わりやすいテーマ設定にすることになり、研究部に分かりやすく、アイキャッチングなテーマ設定が一任されました。そして、記念講演の代わりに、シンポジウムを実施することを決定。パネラーに、小中高大それぞれの校種から「論客」を選び、大会テーマ「確かな英語学力」について「熱い議論」を展開し、大会を締めくくることになりました。高知県では、H13に全英連、H15~19に英語教員全員研修を実施、実践的で、質の高い英語教育研究が根付き始めていますが、まだまだ県全体に広がるまでにはいたっていないのです。今回の四国大会を高知の英語教育の次へのステップにしたい、そんな思いが詰まった研究部会になりました。

4/18/2008

Kochi英語No.83(2008.4.18)debate, Goro Tajiri

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■       英語教育の広場 -KOCHI英語-       ■■   ■■             
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■         第83号 2008.4.18.(Fri)       ■■■
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■    Blog: http://kochi-e-project.blogspot.com/      ■■■
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■       発行元:高知英語Connection事務局        ■■  ■■
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<もくじ>

1.英語ディベート入門指導(No.3)
2.田尻悟郎先生による「生徒の心に火をつける」研修 (案内)

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             英語ディベート入門指導 (No.3)

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 「英語ディベートで英語力の向上を図る」をテーマに、入門指導の具体的
な方法を連載で紹介しています。
 今回は連載No.3。【準備するもの】、【1時間目の授業計画】です。
 ディベート関連サイトも紹介してますので、参考にしてください。

【準備するもの】
・高校生の英語ディベート試合ビデオ(自校の生徒が出ているものが良い)
・ねらい、指導計画などを印刷したハンドアウト(例:連載No.1とNo.2)
・各時間の指導に必要なハンドアウト(今後の連載に掲載します)
・ファイル(ハンドアウト類を閉じるのに利用する。生徒一人1冊)
・ベル 3~4つ (100円ショップで)
・ストップウオッチ 3~4つ (100円ショップで)
・フローシート(試合の様子をメモする専用の用紙のこと)
・ジャッジ用判定カード(1セット=A1枚+N1枚:生徒数のセット+教員分)

【1時間目の概要】先輩の姿から学ぶ
①ディベートについて概要を紹介する(15分)
 ・身近な具体例(裁判や選挙討論会など)を用いて紹介するとよい。
 ・ビデオは、これまでの参加校に依頼して手に入れる。

②ビデオで先輩の勇姿を見せる(20分)
 ・将来の自分の姿(夢・ゴール)を具体化させる。
 ・ディベートの方法やどんなスキルが必要なのか、大まかにつかませる。
 ・教員が試合の様子を、ある程度解説する。
 ・多くの生徒が「難しそうだ」と感じるので、「面白いよ」を強調して伝える。

③これからの学習計画をハンドアウトを通じて周知する(10分)
 ・難しく伝えないで、大まかな流れ、ねらい・ゴールをしっかりと伝える。
 ・次回から実際にトレーニングを始めることを伝える。

<ディベート関連サイト>
日本ディベート協会 http://www.kt.rim.or.jp/~jda/
全国教室ディベート連盟 http://nade.jp/school/whatis.html
Debate Open Space http://www2u.biglobe.ne.jp/~kurapy/debate.html


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        田尻悟郎先生による「生徒の心に火をつける」研修

              ーーー2日間 IN 沖縄ーーー       

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世界の田尻悟郎先生が沖縄で教員養成のための研修に登場されます。
申し込み・日程など詳細は、添付資料をご覧ください。

                     記

日時:6月21日(土)~22日(日) *第82号掲載の日付けは間違いです

場所:沖縄国際大学(沖縄県宜野湾市)

<田尻悟郎先生関連サイト>
http://gtec.for-students.jp/tajiri/
http://www.nhk.or.jp/wakuwaku/mail/enq-04-0422.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E5%B0%BB%E6%82%9F%E9%83%8E
http://kazekirari.sblo.jp/article/4527368.html

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高知県教育委員会事務局高等学校課
指導主事 山田 憲昭 YAMADA Noriaki
TEL 088-821-4850 FAX 088-821-4547
noriaki_yamada@ken3.pref.kochi.lg.jp
noriaki_yamada@kt5.kochinet.ed.jp
noriaki_yamadajp@yahoo.co.jp

高知県教育委員会事務局高等学校課:
 http://www.kochinet.ed.jp/koukou/
高知英語Connection:
http://kochi-e-project.blogspot.com/
Kochi Toastmaster Club:
http://kochitoastmasters.blogspot.com/

4/17/2008

Kochi英語No.82(2008.4.17)高知英語Connection、研究会、ディベート、田尻悟郎先生

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英語教育のひろば  Vol. 82 2008. 4/17(Thu)

   Blog: http://kochi-e-project.blogspot.com/
            (ブログアドレスが新しくなりました!)

   ■□■□■ Kochi 英語 ■□■□■

         発行元:高知英語Connection事務局

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もくじ
1)高知英語Connectionの結成 (案内)
2)H21四国大会・研究部会 (案内)
3)英語ディベート入門指導(No.2)
4)田尻悟郎先生による「生徒の心に火をつける」研修 (案内)

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            『高知英語Connection』の結成
             
             高知の英語教育を結ぼう!
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 高知の英語教育のさらなる発展のために、県内の英語教育関係者が
集結する新しい団体を結成します。現在、本団体には、土佐研外国語部
会、高教研英語部会、四国英語教育学会高知支部、英語指導主事会が
参加します。
 具体的な活動としては、情報の提供・共有、研究会やセミナーの開催、
共同研究など、を検討しています。特に、小学校への英語授業・英語活動
の導入や中学校での授業改善などを、多くの関係者の関わりの中で効果
的に進めることができるのではないかと考えます。
 具体的な組織つくりが現在進んでいますので、ぜひ何か少しでも関わり
を持っていただけたらと思います。

                        (文責:山田憲昭@高等学校課)

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       H21年度四国英語教育研究大会・高知大会

             第1回研究部会のご案内

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下記日程で四国大会の準備として、第1回研究部会を開催します。ぜひ、
ご参加ください。

日時: 4月19日(土)15:00~17:00
場所: 高知西高校会議室

*駐車スペースに限りがありますので、乗り合わせや公共交通機関をご利用
ください。

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             英語ディベート入門指導(No.2)
       
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 「英語ディベートで英語力の向上を図る」をテーマに、入門指導の具体的な
方法を連載でご紹介します。
 連載No.1のまとめと発展として、以下の指導計画等を確認してください。今回
は、2単位ものライティングという科目の中でディベート指導を行う際の指導計画
をもう少し詳細に掲載しました。イメージできますでしょうか。

■指導概要■
1)2単位・ライティング(総単位時間60時間)
2)ディベート指導:20単位時間  教科書指導:40単位時間
3)教科書中に出てくるテーマや表現のうち、ディベート指導で扱うことができる
 もの、パラグラフライティング指導、はディベート指導20時間の中で扱う。
4)他クラスとの共通定期考査は、共通テスト70%、個別出題30%で実施。
5)所属ALTに指導概要を伝え、可能な限り協力してもらう。

■第8回高知県英語ディベート大会データ■
論題: Japan should lower the age of majority to 18.
     (日本は,法的な成人年齢を18歳に引き下げるべきである) 
日程: 平成20年10月26日(日)
場所: 高知大学朝倉キャンパス(予定)

■ねらい■
①ディベートのおもしろさを知り、間違いを恐れない積極性を身につける
②日本語でディベート理論の概要を学び、身につける
③英語力を4技能の点で向上させる

■指導計画■
【モチベーション覚醒期】ねらい①の達成を重視する
 1時間目・・・ディベート概要紹介,先輩の勇士(ビデオ),学習計画発表
 2時間目・・・日本語マイクロディベート①(東京VS高知)
 3時間目・・・日本語マイクロディベート②(うどんVSラーメン)
 4時間目・・・日本語マイクロディベート③(アンパンマンVSドラえもん)

【理解深化期】ねらい②の達成を重視する
 5時間目 ・・・日本語16分ディベート①
 6時間目 ・・・日本語16分ディベート②
 7時間目 ・・・ディベート大会論題に挑戦①(ルール確認・グルーピング・立論)  
 8時間目 ・・・ディベート大会論題に挑戦②(立論準備)  
 9時間目 ・・・ディベート大会論題に挑戦③(立論完成)  
 10時間目・・・ディベート大会論題に挑戦④(反駁準備)   
 11時間目・・・ディベート大会論題に挑戦⑤(反駁)  
 12時間目・・・ディベート大会論題に挑戦⑥(反駁完成)  
 13時間目・・・ディベート大会論題に挑戦⑦(質疑応答)  
 14時間目・・・ディベート大会論題に挑戦⑧(質疑応答)  
 15時間目・・・デリバリー練習(音読)  
 16時間目・・・デリバリー練習(音読)

【チャレンジ期】ねらい③を実感させることを重視する
 17時間目 クラス大会 
 18時間目 クラス大会 
 19時間目 クラス大会 
 20時間目 クラス決勝戦 


<次回No.3は、授業に必要なもの・1時間目の授業内容>

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        田尻悟郎先生による「生徒の心に火をつける」研修

              ーーー2日間 IN 沖縄ーーー       

==============================
世界の田尻悟郎先生が沖縄で教員養成のための研修に登場されます。
申し込み・日程など詳細は、添付資料をご覧ください。

                     記

日時:6月20日(土)~21日(日)
場所:沖縄国際大学(沖縄県宜野湾市)

資料 詳細 ポスター

授業事前アンケート調査結果:講座「Oral Presentation」

大学院生対象の講座Oral Presentationは、英語でプレゼンテーションができるようになるための、基礎的な知識とスキルを身につけるを目的としています。学生の実態把握や授業に対する要望などを把握し、指導計画、指導目標の修正に役立てるために、1時間目の授業で、アンケート調査を実施しました。その結果はこちらです。

 Oral Presentation授業事前アンケートの結果(pdf)

・英語力自己評価の結果は、かなり謙虚。授業では、全員積極的に英語を使おうとするし、十分にコミュニケーションが図れています。心配なし。
・高校時代の授業形態は、90%が「ほとんどが訳読と文法の解説の大学受験のための演習中心」。旧態依然とした授業から脱却できていないことが分かります。(図をクリック)



・様々な貴重な意見をもらい、概ね当初のシラバスで良しと判断。加えて、授業の方向性がより明確になりました。学生には、この結果を説明、次のような所信を表明しました。

【授業に向けての長崎の所信】
☆英語のより良い学び方を提案していく。
☆苦手意識がなくなり、自信をもって英語に関われるようにする。
☆speaking, listeningに重点を置く。
☆プレゼンのおもしろさ、楽しさ、人に自分の考えや意見が伝わった時の感動や喜びを味わえるようにする。
☆基本的なプレゼンのノウハウは、しっかりと身につけられるように全力をつくす。

このようにして、授業についての情報を把握しておくと、安心感と確信をもって授業に望めます。この結果を報告した時、学生たちにとっても、授業つくりに参画した意識、自分のアクションが授業の改善に貢献したというちょっとした達成感があったようでした。

4/15/2008

Science Reading 開講:和訳先渡しデビュー


ついに和訳先渡し授業デビューを果たした。

金谷憲先生(東京学芸大)と高知の仲間たちと出した(2004)『和訳先渡し授業の試み』(三省堂)。この本で、我々は、日本の高校英語では根強く、というよりも、定番としてごく普通に日常行われている「訳読授業」に挑んだ。授業の大部分を費やしてしまう「英文を日本語に置き換える作業」をなくし、それで生み出された時間を、徹底的に有効活用しようという考え方だ。今でも、賛否はある。訳読しか授業のレパートリーがない先生にとっては、とんでもないことのようだ。なんせ、授業の目的が完璧になくなってしまうわけだから。しかし、授業の中で、様々な活動をして、英語力を育てていきたいと考えてきた先生方からは、支持をされてきたと思う。

で、実は、この研究グループの中で、僕だけ実践をしていない。僕にとっては、和訳先渡し授業は、机上の論に過ぎなかったのだ。とにかく、過去の授業スタイルを根本から変えてしまう、この方法を自分自身で試したいとずっと思ってきた。念願だった。ついにその時はきた。学部2年生のScience Readingだ。記念すべき、長崎のはじめての和訳先渡し授業は、2008.4.15。

しかし、終わってみると、あっけなかった。「なーんだ」という感じ。

少し大げさに言えば、和訳を先に配布してしまうことは、何か「大罪」でも犯すことであるかのような気持ちがどこかに残っていたと思う。だから、気持ちのうえでは、どこか「構えていた」ところがあった。なのに、まるっきり何でもないことだったのだ。

一つだけはっきりしていることがある。それは、授業の中で達成したいことが、いくつも明確にあったということだ。英文を読む力をつけるためにやっておきたいトレーニングや練習がたくさんあった。それらを効果的にやることを必死で考えて授業をしていたら、「和訳先渡し」などということを考えている暇もなかったのだ。

そのようなことで、僕の和訳先渡しデビューは、あっけなく終わったわけですが、大切なのはこれから。仲間たちがやった実践を、今一度違う環境で検証しておく必要があると思う。そして、授業で行うタスクについては、開発の余地が残っていると思う。まだまだ、やるべきことはある。

☆画像をクリックすると授業で使った和訳シートを見ることができます。対訳形式を使っています。(pdfです)

4/14/2008

Oral Presentation開講

大学院のOral Presentationの授業が始まりました。

「英語でプレゼンテーションができるようになるための、基礎的な知識とスキルを身につける。」を目標として、プレゼンテーションの作成、話し方やデリバリーなどのトレーニングを行います。最終的にはクラス内プレゼンテーション大会をやろうと思っています。英語に対しても積極的な態度の学生が多く、海外の学会で発表する学生もいるので、意欲的です。とてもいい感じでスタートを切れたと思います。(配布用シラバス



授業開きは、Hilterのスピーチのビデオから入りました。聴衆を引きつけ、熱狂させたスピーチです。そして、そのHilterを映画『チャップリンの独裁者』で徹底的に笑い飛ばしたChaplinのこと、そして、二人の比較。実は、この二人、誕生日が四日しか違わない。Chaplinは、Hitlerがまだ権勢を誇っている真っ最中に、この名作を作っています。驚くべきことです。Talkie(有声映画)嫌いのChaplinが始めてとったTalkieです。それは、最後の約6分間のスピーチをするためでした。ずっとこだわってきたSilent Movieを捨ててまで世界に伝えたかった、伝える必要があると思ったメッセージです。一方は、殺戮と恐怖と悲しみをもたらし、もう一方は、愛と涙と歓喜をもたらした。最後に、Chaplinのスピーチを見てもらいました。(下にYou Tubeのリンクを貼り付けています。感動します。このスピーチは、生涯教材としてとりあげていこうと思っています。)この二つの比較から、プレゼンテーションとは何かということ考えてもらいたかったというのが、この導入のねらいでした。
授業用ワークシートはこちら

その後は、優れたプレゼンテーションの条件を考えてもらうために、AppleのSteve Jobsのプレゼンを見て、その優れた点を考えてもらいました。"We're gonna re-invent the phone."と言って、iPhoneを発表した時のプレゼンです。Steve Jobsは本当にプレゼンが上手い。visualsも効果的に使っていて、英語も分かりやすい。工科系の学生の英語学習にはもってこいだと思います。

さあて、いよいよ本番。受講生の皆さんにPresentationの力を身につけてもらう。これからが、僕の勝負です。


4/10/2008

11年ぶりの授業 至福の90分


11年ぶりの英語の授業が終わりました。大学院の Oral Presentationの授業でした。

実に、楽しく、心躍る90分間でした。いやあ、おもしろかった。計画どおりに行ったこともあれば、いかなかったこともあります。まあでも、そんなのは授業では当たり前といえば当たり前。何か、伝えたいものがあって、それが伝わる快感。興味深そうに顔をあげるときの表情、つまらないことに気もそぞろになった表情。すべてが新鮮でした。80%くらいは英語でやったし、学生の皆さんからは、それなりの理解と納得を得たと感じます。自己採点すれば、75点くらい。授業のワークシートなんかはまた、公開しますのでみてください。

 最後に、授業の事前アンケートをしました。まだ集計はしていないですが、とても気になった項目がありました。予想はしてましたが。。。

3 高校時代の英語の授業の様子は、どれに当てはまりますか。
 □ほとんどが、訳読と文法の解説の大学受験のための演習中心
 □英語を使う活動も多く、英語のコミュニケーション能力を身につける授業
 □両方がバランス良くあった。
※高校時代の授業を簡単に説明してください。

約25名の受講者で、2番目と3番目はそれぞれ一人。あとは全員、「ほとんどが、訳読と文法の解説の大学受験のための演習中心」でした。高校の受験英語。まだまだ手強し!

4/09/2008

教室に魅力を (大村はま)


「子どもが一人でいては、そこまでで安心するところでした。けれども、自分の知らなかった世界、やってみたらやれたというもう一つの世界があった。そこへもってくるのが教室だと思うのです。」

大村はま(1988)『教室に魅力を』国土社


☆研究室のショーウインドーに掲示してある大村はまさんの言葉です。再び教室に立つにあたって、心に響いた言葉でした。学びは自然に成立するのではない。教師の明確な働きかけがあって成立するのだ。教育の可能性を追求した大村さんならでは言葉です。

4/05/2008

高知工科大学入学式



4月5日(土)は高知工科大学の入学式でした。桜が満開のキャンパスに、工学部、マネジメント学部、大学院の新入生の皆さんがやってきました。着なれないスーツがちょっと初々しい感じがしましたが、割と落ち着いているように見えました。キャンパスでは、お茶の野立て、かつおのたたきのふるまい、吹奏楽部のコンサートなどがあり、新入生を歓迎していました。式のあとは、専攻別のオリエンテーションと保護者対象の説明会がありました。そのあと、学内のミニツアーをやっていたようで、コモンスペースで保護者の方の相談にのっている姿がみられました。とても親身に話を聞いているなあと思いました。

4/04/2008

シラバス完成

なんとかシラバス完成。シラバスの完成度としてはまだまだだと思う。それなりに、実現したいことは盛り込んだつもり。とにかく、一度実施してみないことには、このシラバスの評価は分からない。1年かけてじっくり取り組みたい。シラバス自体が固定されて、授業自体を縛るものである必要もない。生徒の習熟の度合いを見ながら、柔軟に修正を加えていきたい。このシラバスは、学生の履修登録のための情報で、授業開きに配布するシラバスは、別途作成する予定だ。

Science Reading 1 Science Reading 2 (工学部2年)
Oral Presentation (大学院修士)
Technical Reading(工学部3・4年)

そうそう、高知工科大の特色の一つに Quarter制がある。日本ではまだ少ないらしい。1年は4期に分かれており、履修した講座は、短期集中で修了させる。Science Readingなど1、2年生の科目は、60分×週2回=計120分で実施している。これを、通常の大学の授業の90分に対応させている。だから、学生にとっては、単位数よりも授業のコマ数は多いことになる。演習中心の1、2年生の英語では、とても望ましいことだ。教育に力を入れている高知工科大学ならでは仕組みだと思う。このあたりにも、学生に実力をつけていると評価されているKUTの秘密がありそうだ。

4/03/2008

オフィスアワー



僕が高知工科大に来たいと思った理由の一つは「日本にない大学」というキャッチフレーズにあります。そう、「じゃあ、どこにあるんだ?」を確かめたかった。。。(もちろん、高知にありました)この「日本にない大学」というフレーズにはいくつかの意味が込められていると思いますが、その一つが「教育」に力を入れている大学であると宣言しているという点だと思う。未来ある若者を育てよう、鍛えよう、そんな志が込められている。実際、大学の中にはそのような空気が充満しています。とても純粋に、大切に学生を育てていこうという空気があって、それがとても「すがすがしく」感じるほどです。

教員は全員、週1回のオフィスアワーをもっています。この時間は、広く学生にも知らされていて、いつでも相談や質問に来ることができるようになっています。4月には、履修の相談に学生がくるようです。

さて、この写真は僕の研究室(工科大では「教員室」と呼びます。この辺りにもこだわりが感じられます)の入り口です。全面ガラス張りです。いつでも学生が相談にきて、教員と気軽に話ができる環境を作っています。廊下にはコモンスペースやホワイトボードがあって、いつでも、その場で、講義が始まるし、議論もできるようになっているのです。僕は、ショーウインドウ(?)に、好きな言葉や自分自身の「哲学」を記したものを掲示しています。ここには、研究分野の成果やポスターなどを掲示している人もいます。

このような学びの場の環境づくり。日本の学校はあまり工夫をしない傾向がありました。教師の「感性」にまかされてきた。Wong & Wong, The First Days of Schoolには、教室の環境づくりにも言及がある。僕たちは、「学びの場づくり」などのような、広い意味での「教師力」を高めるということを考えなければならないのではないでしょうか。

そんな意味でも「日本にない大学」だろうと思う。

4/02/2008

美しいKUTのキャンパス



高知工科大勤務2日目。とにかくKUT(Kochi University of Technology高知工科大)のキャンパスは美しい。何度か訪れたことはあったのですが、桜が満開のこの季節に来たことはありませんでした。塀も囲いもないオープンなキャンパス。県立鏡野公園と一体化して、まさに自然の中にとけ込んでいます。おそらく、日本でもこんなに美しいキャンパスをもつ大学はないんじゃないでしょうか。毎日、多くの花見客の人たちが、キャンパスの芝生のうえで、お弁当を広げています。とてもいい光景です。しかし、のんびりと眺めてばかりもいられません。シラバスの締め切りが4日。担当の講座は少し前から決まっていたのでちょっとは準備していましたが、結構悩みます。高校と違って、決まった教科書もなく、自由に講座を組み立てられることは、教師にとっても大きな醍醐味ですが、自由度が高いだけに、難しさもある。質の高い授業をつくりあげたい。それを、分かりやすいシラバスに表現したい。大学での初仕事は、「心躍るような悩み」でいっぱいです。

4/01/2008

高知工科大学へ



23年間勤めた県立高校を辞し、今年の四月から高知工科大学に勤めることになりました。

県立高校で12年、県教委事務局で11年でした。県立高校で勤めることにプライドをもってやってきました。人一倍問題意識ももってやってきたつもりです。長い間、県民に「ノー」と言われてきた県立高校でしたが、近年は進学実績の躍進や、特色のある学校づくりが成果を見せはじめ、今では多くの皆さんに信頼されてきています。これからは「県立高校の時代」だと思っています。引き続き、今の歩みを続けてほしいなあと思います。本当に、多くのことを学んだ23年間でした。この間、大変多くの方にお世話になりました。本当にありがとうございました。

まだまだ、やり残したこともあると思いました。僕にとって、子どもから大人への成長の時期を生きる生徒たちを育てる高校教育はとても魅力的なものでした。せっかくこれまで積み上げてきた経験や知識を高校現場でもっと生かしていきたいとも思ったことでした。

しかし、退職まであと10年と少しになり、今一度、新しいことに挑戦してみたい。もう一度、英語の授業にのめり込みたい。そんな思いから、今回のことを決心しました。48歳の決断。初心に帰って、教育に研究に没頭したいと思っています。