6/30/2008

授業研究:中村高校 OC I の授業



来年度は、四国英語教育研究大会が、高知で開催される。そのための、授業研究会が発足したことは、すでにお知らせした。(こちらの記事)来年度の大会の公開授業を充実したものにするため、まずは、県内の授業研究をもっと質を高めていきたい。そこで、まずは、今年の高知県英語教育秋季大会に向けての授業研究に取り組むことにした。

今年の担当校は、中村高校とすでに決まっている。中村高校には、日本で始めて和訳先渡し授業(と僕たちは思っている)をやった谷先生が、教頭で赴任している。既に谷教頭がリードして、校内で議論を始めている。その中で出てきたのが、Oral Communication Iの授業とGrammarの授業の融合。僕自身、ずっとCommunicative School Grammar(そんなものはまだないのだが)の確立が必要だと思ってきたので、この機会にぜひ取り組んでみたいテーマだ。

6月30日(月)、授業参観にいった。ALTとのティーム・ティーチングのOral Communication Iの授業。生徒たちが、とてもまじめにそれぞれの活動に取り組む姿が印象的だった。この写真は、授業で使ったパスポート。授業の最後のタスクは、生徒一人ひとりがパスポートをもって、先生のところに会話を挑みに行く。パスすればパスポートに印がもらえる仕組み。その間、他の生徒は、ワークシートに取り組んでいた。

とても落ち着いて、スムーズに授業が運営されており、生徒たちの取組みも意欲的だ。パスポートの取組みのように、キラリと光るアイデアもある。と同時に、課題もみえてきた。少し改善するだけで、もっともっと生徒たちが夢中で活動できる場面があった。夏休みに入ったら、この授業のビデオを使って、英語科で授業分析の校内研修を実施する予定。そこで、取り組むべき課題を見つけ、共有したいと思う。そこからスタートだ!

6/27/2008

高知南中・高での発見:素敵な授業規律の取組み



高知南中高に行くと、僕はいつも心が軽やかになる。玄関を入って、廊下を歩いていると、どの生徒も笑顔で挨拶をしてくれるからだ。とても伸びやかな校風をもったいい学校だと思う。併設中学校ができてから、疾風怒濤の年代の子どもたちを迎え入れ、しばらく苦労したようだ。入学志願者も少し減少している。でも、この伸びやかな校風は失われていない。

前回のセルハイ運営指導委員会の時、授業規律のことが話題になった。(こちらの記事)今年は、全校をあげて、授業規律に取り組んでいるとのことだった。今回、公開授業にいって、この写真のようなポスターを見つけた。ポスターには、「自由と規律」の大きな文字がある。そして、「1000人のオーケストラ」というサブタイトルがついている。ステレオタイプ的な見方で恐縮だが、高校教員だけだったら、授業規律を学校あげて取り組むときに、このような発想は生まれなかったかもしれない。生徒指導的に「管理強化」で乗り切ろうとしただろう。併設中学校があるなかで、中学校、高校が一緒になって、素敵なハーモニーを奏でたい、そのような、発想が読み取れるポスターだ。

このような形で、授業規律の問題に取り組んだ例をあまり知らない。この取り組みの成果を楽しみに見守りたいと思う。

Kochi英語No.89(2008.6.26)勉強会、セミナー、トーストマスターズ

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       英語教育の広場 -KOCHI英語-  
                       
        第89号 2008.6.26.(Fri)
                       
     Blog: http://kochi-e-project.blogspot.com/ 
                       
       発行元:高知英語Connection!
                      
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<もくじ>

1.第4回中・高合同・英語教育勉強会
2.第13回英語教育実践セミナー(松山)
3.第30回記念高知トーストマスターズクラブ
4.第22回英語教育セミナー21(高知)
  
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  第4回中・高合同・英語教育勉強会

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 6月14日の第3回勉強会は、参加者13名の少人数の勉強会で
したが、熱心な先生方の交流・勉強の場になりました。アクション・ラー
ニングで行うグループ研究も始まりましたので、是非ご参加下さい。
 現在、私たちが行っているアクション・ラーニングは、参加者がグルー
プ内で自分の実践を、シラバス、指導経過、課題、成果等について
報告し、他の先生方に共有してもらいます。グループに属するすべての
先生がこれを行います。同時に、先生方はそれぞれの報告に対して素
朴な質問、疑問を繰り返します。このようなグループ活動は、授業者が
自分自身ではなかなか気づかない授業の様々な「改善点」を発見させ
てくれます。是非、お仲間にお入り下さい。

■第4回勉強会■
日時:7月12日(土)15:00~17:00
場所:高知西高校会議室
*先生方の授業の様子がわかるもの(授業シラバス、指導案、
授業ビデオ、授業で使用したハンドアウト等)を必ずご持参
下さい。

【世話人】 お問い合わせは以下世話人までお願いします!
山中 由香(附属中学)yuka_yamanaka@kt4.kochinet.ed.jp
中馬 剛 (須崎高校) takeshi_chuma@kt4.kochinet.ed.jp



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   第13回英語教育実践セミナー in 松山

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皆様へ
                 愛媛英語教育研究会
                 代表 池野 修
               (愛媛大学教育学部)

皆様方には、ますますご健勝のことと存じます。今夏も
英語教育の推進を図るために『第13回英語教育実践セ
ミナー in 松山』を愛媛大学にて開催いたします。今回
は東京都より久保野りえ先生、太田洋先生をお迎えし、
今後の中学校英語指導力向上について先生方とともに多
くのことを学びたいと考えております。真夏の季節を迎
え何かとご多忙な時期とは存じますが、ぜひご参加いた
だき、夏季休業中のよい研修活動になりますようご案内
いたします。
日時:7月26日(土)9:45~16:20
場所:愛媛大学 教育学部2号館1階103教室
主催:愛媛英語教育研究会
講師:久保野りえ(筑波大学附属中学校教諭)
   太田 洋 (駒沢女子大学准教授)
参加費:2000円

*申し込み・問い合わせは、添付資料をお読み下さい。


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         第30回記念例会&パーティー
          高知トーストマスターズクラブ

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最近の平均参加者数は、12~13名です。新規会員も続々と増え、
にわかに活気付いています。今回は第30回記念例会&パーティーで
す。初めての方もどうぞご参加を!

*パーティー会場の都合で、例会の会場も高知大学から変更になる
可能性もありますが、万一会場変更の場合はご連絡いたします。

【Date】 19:00 - 21:00, Saturday, July 26, 2008

【Venue】
Conference Room, 2nd floor, Sogo Kenkyu Faculty of Education,
Kochi University

Note: Venue might be changed depending on the party place.

【Schedule】
15:00 Call to Order President
15:05 Greeting by Toastmaster TM Kitaoka
15:10 【Table Topics Session】 TM Sugimoto
*topic will be annouced at the meeting
15:30 【Current Topic Seesion】TM Mine
15:50 Intermission
16:00 【Formal Speech Session】
◆Speaker 1 TM Minami,CC (AT Project3)
◆Speaker 2 TM Hiromatsu (CC Project 2: Organize your speech)
◆Speaker 3 TM Nagano (CC Project 2: Organize your speech)
◆Speaker 4 TM Hayashi (CC Project 2: Organize your speech)
◆Speaker 5 ATM Nagasaki (AT Project 1: )

16:45【Evaluation Session】 General Evaluator TM
◆Evaluator 1 TM
◆Evaluator 2 TM
◆Evaluator 3 TM
◆Evaluator 4 TM
◆Evaluator 5 TM

◆Timer TM ◆Grammarian TM
◆General Evaluator's Report
16:50 Business Session *Officer Election
17:00 Adjourn President

17:30 30th Anniversay Party Good chilled beer!

For further information:
Kochi Toastmaster Club
http://kochitoastmasters.blogspot.com/


  
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  英語教育関係大会やセミナーの予定(12月まで)

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 7月12日(土)第4回中・高合同英語教育勉強会
 7月13日(日)第1回英語検定(二次試験)
 8月 9日(土)第5回中・高合同英語教育勉強会
 8月23日(土)第22回英語教育セミナー21
 8月26日(火)土佐研英語学習会(北原延晃先生)
 9月13日(土)第6回中・高合同英語教育勉強会
10月11日(土)第7回中・高合同英語教育勉強会
10月19日(日)第2回英語検定(一次試験)
10月25日(土)ディベートセミナー(矢野善郎先生)
10月26日(日)第8回英語ディベート大会
11月 2日(日)秋季英語教育研究大会
11月 8日(土)第8回中・高合同英語教育勉強会
11月 9日(日)高知県中学・高校英語弁論大会
11月16日(日)第2回英語検定(二次試験)
11月21・22日全英連鹿児島大会
12月13日(土)第9回中・高合同英語教育勉強会
12月20・21日第3回全国高校生英語ディベート大会


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高知県教育委員会事務局高等学校課
指導主事 山田 憲昭 YAMADA Noriaki
TEL 088-821-4850 FAX 088-821-4547
noriaki_yamada@ken3.pref.kochi.lg.jp
noriaki_yamada@kt5.kochinet.ed.jp
noriaki_yamadajp@yahoo.co.jp

高知県教育委員会事務局高等学校課:
 http://www.kochinet.ed.jp/koukou/
高知英語Connection:
http://kochi-e-project.blogspot.com/
Kochi Toastmaster Club:
http://kochitoastmasters.blogspot.com/

6/26/2008

メンタリング研究:授業分析と研究協議

教育センターの指導主事のお二人と始めたメンタリング研究。今日は、今月出席した初任者研修の授業研修のビデオとその時の研究協議内容の分析を行った。(6月26日(木)、高知工科大学の研究室で)

まずは、3人で授業を見た感想を出し合い、授業の課題を探った。いろいろな見方はあるのだが、課題としてあげた項目は、概ね一致していたと言える。いずれにしても、まずは授業を分析する目を養う必要があることでは一致。今回のように、数人で授業分析することが不可欠なトレーニングだと思う。様々な見方を知り、その中で課題を絞り込んでいく目が養われると思う。必要な授業分析のトレーニングをせずに、指導主事が授業に対してコメントするというは、かなり無茶なことと言えるかもしれない。結局、自分自身の経験と本能頼みである。しかし、それが現実だ。わが国の教員養成、教員育成の弱点だ。教員という仕事を真の専門職に高めるには、この辺りのことが重要になる。

研究協議を分析して感じたことは、実に多くのコメントやアドバイスが授業者に送られるということ。それ自体は、良いことにちがいない。自分自身の気づかなかったことに、気づくチャンスが増える。しかし、ここで得られた助言が、授業改善のアクションにどの程度結びつくの、その点が課題ではないかと考えた。このような研究協議で明らかになった課題を、必要な順に重み付けをし、具体的な手立てを考え、実行させていく。その部分に、指導主事のメンタリングが生きてくるのではないかと。ぼんやりとだが、共同研究の方向性が見えてきたようだ。

次回も、授業分析と研究協議の分析を続けることにした。

高知南中高SELHi公開授業


高知南中学、高等学校セルハイの3年目の最後の公開授業がありました。中1、高1、高2の3本の公開授業があり、参観させていただきました。授業者は、力量のある先生方ばかりで、安定した授業運営あり、チャレンジありで、とても勉強になりました。ちょっぴり気になったのは、「公開授業」であるということを、意識して、公開する授業を決めたのかなあという点でした。多くの方が参観にくるので、気持ちは分かるのですが、やはり、この2年間授業研究に取り組んできた、その成果(課題もふくめて)が盛り込まれた授業を配置してほしかったと思う。というのも、高知南中、南高校の英語科が取り組んできた実践研究は、非常に価値のあるものだからだ。最終の報告会では、これまでの研究成果が生き生きと伝わるような報告を、お願いしたいと思う。

6/25/2008

高知小津高SSH科学英語研究部会第2回

高知小津高SSHの科学英語研究部会を開催(といっても、メンバー3人)。各自が宿題をもちより、その内容を検討しました。新「科学英語」のシラバス、1レッスンの指導計画案、Oral Presentation部分の指導計画の3点。少しずつ形になってきていますが、まだまだ検討事項はたくさんあります。新しい授業をつくるというのは、大変なことですが、やりがいもある。自分たちが実現したい英語の授業を実現できるわけですから、楽しくないわけがない。来月は、高知工科大学に来てもらって、学部1年生のScience EnglishとScience Labの授業のデモを見てもらう予定です。

6/23/2008

Toastmasters Club 第29回例会



6月23日(月)に高知大学で開催。新メンバーが増え、活気がもどってきました。2年前に、正式に支部として設立しましたが、当初の熱気が薄れてくるとともに、しばらくメンバー不足が続いていました。毎回、全員が何かの役割をしなければならない日々が続きました。何とかその時期を乗り越え、来月は、記念すべき第30回目の例会となります。7月は、国際交流協会の研修室をお借りして、午後に開催。記念パーティーを、新阪急ホテルのビアガーデンで行う予定です。

6/22/2008

四国英語教育学会シンポジウム「セルハイは英語教育に何を残したか?」



22日(日)高知大学で開かれた四国英語教育学会のシンポジウムで、コーディネータをしました。パネラーは、 河野 極先生(愛媛大学附属高等学校・元松山工業高校)澤田朝子先生(高知南中学・高校)山田憲昭先生(高等学校課・元高知西高校)のお三方。それぞれの学校でセルハイの研究主任をなさった方です。(澤田先生は現在もそうです)とにかく、本音で、語り合いましょうと約束をしてスタートしました。

後半にさしかかったころ、「先生方がセルハイでやったことは、他の高校でも実現できますか?」と質問。「できます。」3名とも、即答。まったく迷いなく回答されたのがとても印象に残っています。フロアーからは、現状の授業に納得し、満足しているとすれば、なかなか新しいことにトライしようとするエネルギーは沸いてこないという意見もありました。

今回の、シンポジウムは、セルハイの成果を今後の英語教育改革にどう生かすかがが、最大のテーマでした。多くの事業が、まるで打ち上げ花火のように、多額の予算を使って、ひと時の盛り上がりをもって終わる。「事業」をやったという業績は残る。しかし、それだけ。それでは、あまりにもったいない。

「成果を普及しよう!」と掛け声をかけても難しい。文部科学省がデータベースをつくってセルハイ情報を提供しても、活用されなければ意味はない。

結局のところ、どのような情報であれ、データであれ、「主体は我々にあり」というではないだろうか。求める側に、ニーズやウオントがあれば、必死で求める。とすれば、そのような、ニーズやウオントを作り出す仕掛けが必要になる。現状の問題点、課題を的確に指摘し、ニーズやウオントを実感させてくれるような、ビジョンをもったリーダーが不可欠のなんじゃないだろうか。進行をしながら、そのようなことを考えました。

思う存分、語ってくださったパネラーの皆さん、ありがとうございました。

6/21/2008

四国英語教育学会理事会

四国英語教育学会の理事会が、6月21日(土)高知大学であった。県教委に在職中ほとんど活動に参加できていなかった四国英語教育学会に久しぶりに参加した。懐かしい皆さんに再会したといった感じだった。来年度の鳥取大会は、日本の英語教育200年記念大会にするとのこと。大胆な全国研究大会改革案が提案されたが、メンバーからはあまり賛同の声はなかった。大会改革に皆依存はなさそうだったし、問題意識も納得のいけるものだった。少し、目先のことにとらわれて、十分に練られていないような印象を受けた。各単位学会での意見をもとに、再度、検討するとのこと。ポスターセッション形式の研究発表の導入を意見としてだした。

6/19/2008

「英語教員のためのアクション・リサーチ支援ネットワーク」開設



 佐野正之先生(松山大学)を主宰として、「英語教員のためのアクション・リサーチ支援ネットワーク」開設しました。スタッフとして、高橋一幸先生(神奈川大学)、金森強先生(松山大学)、事務局を長崎(高知工科大)が担当します。これは、全国の英語担当指導主事の皆さんを対象として、小学校、中学校、高等学校の英語科教員指導力向上のための研修に、アクション・リサーチを導入・実施するためのノウハウの習得すること、そして、現職英語教員の力量形成に資することのできる指導主事のメンタリング能力の向上を目指すものです。方法は、電子メールによるオンライン・レクチャーの定期的配信と受講者支援(メンタリング)に関する指導主事・研修担当者への助言が中心になります。アクション・リサーチに関する様々な情報やコラムを掲載するページとして、英語教員のためのアクション・リサーチ支援ネットワークも設置しました。

英語の先生方の自己成長につながる、支援ネットワークを広げていきたいと考えています。多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

<お読みください>
アクション・リサーチのすすめ:指導主事の皆さんへ
アクション・リサーチと教員研修


 

6/18/2008

メンタリング研究:初任者授業研修に参加2



昨日に引き続いて、メンタリング研究のために初任者の授業研修に参加してきました。今度は、中学校の授業。須崎市のA中学校1年生の授業でした。複数形の導入に当たるレッスンです。初任者とは思えないような上手い授業の進め方で、楽しく参観させていただきました。

昼食をとりながら、共同研究者の山沖、井上両指導主事(教育センター)とディスカッション。英語教員の力量や指導主事としての助言、メンタリングなどについて、有意義な意見交換ができました。重要なポイントだと思ったのは、授業を観察すると、いくつも気づく点、改善点は見えてくる。それらを、ただ指摘するだけでよいのかという点。観察者側にたくさん気づきがあって、伝えても、それらを、授業者がどう整理し、どう自分自身の授業改善につなげるかという点は保証されていない。たくさん貴重な助言があったとしても、一度のそれらを自分のものにすることは困難かもしれない。これが、これまでの授業研究会の弱点だったのではないかということです。

そのあたりも含めて、授業分析とメンタリング研究の第1回目の研究会をもつことになりました。

日時: 6月26日(木)16:30ころ

場所: 高知工科大学A456 (長崎研究室)

テーマ:授業分析とメンタリング研究
・どのような視点で授業を分析するか
・指導助言は、どのような視点でなされているか
・メンタリングという観点から、現状の授業研究や指導助言をどう考えるか

6/16/2008

メンタリング研究:初任者の授業研修に参加



教育センターと共同で進めているメンタリング研究。5年間やってきたアクション・リサーチでもっとも反省点が多かったのがメンタリングだった。リサーチをしている先生方への支援が、十分効果的にできなかったのだ。自ら授業の課題を見つけ、授業についての省察を繰り返しながら、解決を図ることができるようになるには、どのようにすればよいのか?先生方に、そのような力量を育てるにはどのようにすればよいのか?そのための働きかけの方法を探っていきたい。

メンタリング(mentoring)とは、外的コントロールを避け、「質問型コミュニケーションを使い、相手にとるべき行動を選択してもらう」行為のことを言う。民間企業などでも導入がすすんだコーチングとほぼ同じものと考えてよい。

外的コントロールというのは、批判する、責める、文句を言う、ガミガミ言う、脅す、罰する、ほうびで釣るなどの行為で、この方法では、真の幸せや職業を通しての達成感は得られないする考えが根底にある。
   
メンタリングの3原則は、
  1)答えは本人にある 
  2)強力な味方になる
  3)自発的な行動(アクション)を促す

で、本人が自律的に考えて、解決をしていくことろが、コンサルティングや指導助言と異なる。基本的には、「聴く」「問いかける」「フィードバックを与える」という3つの行為を通じて、メンティー(対象者)の内省活動の支援者、伴走者となることがメンタリングである。

まずは、現状を調べてみないことには分からない。ということで、実際、現職教員研修の中では、どのような問いかけが与えられ、その対象者は、何に気づき、どのように行動しているのかを探っていきたいと考えた。

今日は、まず、高知西高校の初任者Tさんの授業研修とその後の研究協議に参加させてもらった。教科指導担当教諭、教頭、指導主事などから、指導助言があった。あたたかい言葉と適切なアドバイスがあった。とても良い職場環境がつくられていることが良く分かった。

まだ、漠然としたものだが、授業に対する指導や助言には、何らかのパターンがありそうだ。また、授業のどの部分を、どのような視点で見るかという点でも、何らかの考えか方があるのではないかと思う。非常に興味深い。授業、協議ともビデオに記録したので、共同研究者である指導主事の皆さんとも一緒に、じっくり分析していく予定だ。

6/15/2008

An eye for an eye will make us all blind.

-Mahatma Gandhi



JohnのHappy Xmasのバックに流れる映像。皆さんは何を感じますか。ビデオの最後に、ガンディの言葉が提示されます。人類の文明はものすごく発達し、洗練されてきているはずなのに、いまだに暴力による報復で解決できると思っている。理想論では解決できない複雑な要因があるのは分かるけど。。。ちなみに、「目には目を」で有名な 「ハムラビ法典」は、「報復の合法性」を認める「野蛮」な法のように言われますが、正確には違うようです。むしろ、報復の連鎖を断ち切ることが目的だった。当時は、罪を犯した人に対して過剰な報復が当たり前だった時代で、それを、「ハムラビ法典」は “目には目まで”、“歯には歯まで”と、過剰な報復を禁じることを目的としたものだったということです。紀元前18世紀のことです。

6/14/2008

第3回英語授業研究会(報告)


 第3回英語授業研究会が本日開かれました。前回までの準備会を経て、今回が本格的なスタートです。本日の内容と感想をリポートします。会は2部構成となっており第1部(授業実践のアイデアを共有しながら授業のパワーアップをはかる)、第2部(授業実践の課題を共有し、共同研究をして授業の質と教師の力量アップをはかる)です。

第1部

ミニリポート:

①photo language(森先生・城東中学校)

 好きなpicture cardを1枚選び、describeしながら自己紹介するという活動でした。英語学習以外の活動でも利用できそうな活動でした。

②diamond ranking(山田先生・高等学校課)

 あるテーマに関するキーワードが10あり、9個のマスにランキングして入れて、それを説明する活動です。今日のテーマは「良きEFL teacher の条件」でした。いろいろなバリエーションも考えることができ、日本語でもできそうです。

ワークショップ: テーマ Back to Basics「音読」 (長崎先生・高知工科大学)

 普段行っている活動を基本にもどって再確認し、それらのバリエーションを考えて、授業の力量アップを目指すためのコーナーです。本日のテーマは、「音読」。ワークショップ形式で、①音読の意義の再構築 ②音読活動の紹介とアウトプット活動への移行の流れを紹介していただきました。当たり前のようにやっている音読活動。確かに「儀式」のように形だけになっていることが多いかもしれない、音読の深いところの意義を見出す必要があるなあと考えさせられました。音読活動の紹介では生徒を飽きさせないようなバラエティーに富んだ活動を実践していただきました。久々に自分が生徒になってやってみるとよい緊張感の中で新鮮に感じられました。

第2部

授業研究:

 グループに分かれて、授業実践の課題を出し合いました。次回では、課題に対する一ヶ月間の取り組みとその結果を報告する予定になっています。

 このような内容構成で、今後研究会を進めていきます。非常に内容の充実した2時間で、あっという間に終わってしまいました。本日、都合が悪く参加できなかった方、まだ参加されたことがない方も遠慮なく、次回参加してみてください。一緒に学び、高めていきましょう。

以上、本日のリポートでした。

*次回の研究会は7月12日(土)15:00~17:00 (高知西高校)です。

 次回から参加される方は自分の担当授業のシラバス(1種)と課題を用意しておいてください。

英語授業研究会(高知英語Connection!)本格始動



高知英語Connection!として始めた「英語授業研究会」が本格始動しました。

これまで準備会をやってきましたが、研究会としては実質第1回目。中馬先生(須崎高校)が今回のファシリテーター。前回、研究部長として運営した会が、緊張してガチガチだったという中馬先生ですが、今日は笑顔で楽しい会を演出してくれました。毎月、役割の交代して皆で会をつくりあげていこうという約束をしています。

第1部、ミニレポートは、森先生(城東中学校)のphoto languageと山田先生(高等学校課)のdiamond rankingの紹介。それぞれ、いろいろな応用が可能な活動だと思いました。次のワークショップのテーマは、Back to Basics。日常何気なく行っている様々な活動を今一度基本にもどって確認すること、そして、それらのバリエーションを考えて、授業の力量アップを目指します。今回のテーマは、「音読」。僕がワークショップを行いました。まずは、音読の意義の再構築という話。単なる、「リーディングの仕上げ」といった役割から、より積極的にその意義を見出すべきではないかと提案。様々な音読指導のバリエーション。飽きさせないように、少しずつ負荷をあげながら、いろいろな音読を繰り返したあと、最終的には、ミニスピーチにつなげていくような流れを紹介しました。

第2部は、アクションラーニングの導入。アクションラーニングとは、実業務で起こっている問題を、チームやグループで共有化、検討し、メンバーの多様な視点や思考によって真の原因を発見し、解決策を立案し、実際に実施(行動)することで確実に問題を解決していくプロセスのことです。今日は、グループに分かれて、それぞれの課題を出し合いました。次の研究会で、課題に対する一ヶ月間の取り組みやその結果を報告しあうことになっています。

英語教員研修でアクション・リサーチの手法を身につけた我々ですが、それを1ランクうえのレベルにもっていきたい。教員同士が学びあえるサポーティブな研究会、その中で、プロとして力量を高めあう。そのような英語教員文化づくりを目指したいと思っています。

6/12/2008

1st Quarter 授業評価(3) 自由記述

最後に、自由記述の意見をまとめてみた。詳細は、「授業評価自由記述」を。

3 1st Quarterの授業でどのような力が身についたと思いますか。

「英文を読むスピードが速くなった。」(12)「文を見て意味を理解する。読解力。」(9)「リスニング」(7)「いくつかの表現とボキャブリーで練習した単語」(5)などが、複数あった意見。chunk意識を育てていったこと、シャドーイングと音読に時間を割いたことが効果をあげているのだろう。語彙の練習も、ペアワークを中心にして、繰り返しやったので定着したという実感があったのではないかと思う。英語を学ぼうとする意欲や姿勢が身に付いたという意見が少数ながらあったことはうれしい。全体として、当初のねらいは達成できていると判断してよいだろう。

4 1st Quarterの自分自身の取り組みを自己評価してください。

先のデータでも自学自習は十分でないという意見が多かったとおり、取り組みへの自己評価は、比較的がんばった学生とそうでない学生で分かれてしまった。反省の弁の中にも、今後に向けての意欲が読み取れるため、今後、授業者がどのような働きかけをできるかにかかってくると思う。どうすれば、「家に帰ってからも、音読しておこう」と思わせることができるか。挑戦だ!

5 授業・授業者に対する要望、改善してほしい点など自由に書いてください。

授業の進度、内容、難易度、進め方について、具体的な要望がいくつかあった。今後の授業の様子を観察しながら、必要なものは実現していこうと思う。

これまでにない英語の授業で、それが良かったとする声が複数あった。4月のアンケートにあったように、ほび9割の生徒が、訳読中心の受験英語しかやっていないのだから、このような声は当然かもしれない。今、この授業では、リーディング力の土台となる力をつけるために、音読やシャドーイングを十分に行い、和訳を配布したうえで、様々なペアワークをたくさん行っている。学生たちは、これらの活動に、実に、意欲的に、積極的に、取り組んでいる。一生懸命取り組む姿に感動を覚えるほどだ。あと、1 Quarterで完了するが、この間は、もう少し綿密に授業を観察し、今、導入している様々な活動の効果をみていきたいと思う。

6/11/2008

高知小津高校 SSH「科学英語」研究部会

今日は、高知小津高校で、「科学英語」担当メンバーと初めて打ち合わせをしてきた。「科学英語」のねらい、指導内容、今後の研究の進め方について話し合い、基本的な方向性が定まった。英語と理数のクロスカリキュラムとすること、オリジナルのテキストをつくりそれをもとに授業を進めること、高知のもつ技術や産業もとりあげていくこと、最終的にはプレゼンテーションを発表する機会を設け生徒の学習を評価し、encourageできるようにすることなどが確認された。カリキュラムは、これまでの「科学英語」の実践を母体としたcontent-based learningのセクションとOral presentationの基礎力を身につけるセクションの二つの柱から構成することになった。次回は、メンバーがそれぞれ、シラバス原案、基本的な授業プラン、oral presentationの指導計画を作成してきて、それらを検討することになった。ALTのNathan曰く:

「僕たちは、高校での「科学英語」の"pioneer"になるがやね。」

メンバーは全員とても意欲的。しっかりと、良いものを創っていきたいと思った。

6/10/2008

1st Quarter 授業評価(2) 授業中の活動



 授業中に行っている様々な活動に対する評価をきいてみました。「楽しいと思った活動」「英語力をつけるために役立ったと思う活動」「やめてほしいと思う活動」の3つです。

 まず、「楽しいと思った活動」は、何と、圧倒的に「のりまきせんべいの英語カラオケ道場」。英語の歌を紹介するコーナーです。時間をかけて準備した活動よりも、支持をうけたということは、少しショックですが、一方で、学生たちのニーズが表れているとも思います。やはり、英語学習の中に、何か心に響くものが必要であるということではないかと思います。歌を聴いて、空所を埋めることが中心ですが、その時代背景や、その曲のもつメッセージも伝えることを、大切にしたい。John LennonのImagineを取り上げたときは、Ono YokoがNYの同時多発テロの時に出した、新聞の全面広告の紹介をしました。次点は、「シャドーイング」。以下、「ペア語彙活動」「速読タイムトライアル」などが続きます。これらに共通するのは、自分自身が上達していく過程が実感できるという点でしょう。この授業での楽しさのキーは達成感のようです。




次に、英語力をつけるのに役立った活動。これは、圧倒的にシャドーイング。次いで、「チャレンジ音読」「速読タイムトライアル」などが続きます。やはり、少し負荷があって、チャレンジングな活動が、「英語力に効く」と実感できるようです。







やめてほしい活動というのは、あまり多くなかったですが、やはり「前に出て発表」「ドラマチックリーディング」など、人前に「さらされたり」「うけをねらった」ような活動には抵抗感があるようです。大学生の年齢、工学部で英語に自信のある学生も少ない中なので、このあたりには十分注意したいと思いました。

全体としては、思ったことは、

1)活動のバライティーを維持

一部を除いて、学生の選択は、あまり一つの活動に集中していません。授業では、一つの活動にあまり時間をかけず、いろいろな活動をテンポ良くやるように心掛けています。また、記述意見をみても、意外とペア活動が好きなようです。様々な性向、個性、好みをもつ学生がいますので、活動のバライティーを増やすこと、夢中になれるような活動を工夫すること大切なようです。

2)やはり、達成感はキー

活動を通して、自分が変わる。何かができるようになる。達成感を大切にしていきたい。そのために、活動のゴール設定に気を配っていきたい。ただシャドーイングをする、ただ音読をするではなく、実感できる達成点をもっておきたい。

3)各活動間の関連性を高める

この結果からは読み取れませんが、「シャドーイング」→「チャレンジ音読」→「ミニスピーチ」という活動は、同じパッセージで発展させている。繰り返し、読んだものが、最後のミニスピーチで生きるというふうに仕組んである。これらはどれも一定の支持があるが、一連の活動に仕立てていることが影響しているかどうかはわからない。各活動間に意味のある発展性をもたせるという点は、まだ不十分だと思う。さらに改善を図っていきたい。

6/09/2008

高知小津高校 第1回SSH運営指導委員会に出席



高知小津高校の第1回SSH(Super Science Highschoo)運営指導委員会に出席してきました。昨年までは、県教委側だったのですが、今年は運営指導委員としての参加です。高知小津高校は、第1期の5年間で、本当に粘り強く、新しい理数教育カリキュラムの開発に取り組み、すばらしい成果をあげてきました。昨年(H19)からは、第二期5年間の研究指定を受け、これまでの取り組みを高知小津理数科の核として定着させることを大きなねらいとしています。また、もう一つの柱は「科学英語」。理数系の世界では、英語で発表ややりとりができることは、必須となりつつあります。高知小津高校でも、これまで年に数回、「科学英語」の講演や演習をやってきていますが、これからは、公式のカリキュラムに統合していくことを目指しています。高校理数科としてのは、「日本にない」科学英語のカリキュラムが開発できればと思っています。水曜日には、早速、科学英語担当の先生、ALTの3名で初めての研究会をもつ予定にしています。

6/08/2008

1st Quarter 授業評価(1) 全般




1st Quarterが終了、来週から早くも2nd Quarterに突入する。初めての大学での授業であること、そもそも11年ぶりの授業であること、和訳先渡しなど以前はやったことのない新しい内容も数多く取り入れたことなど、それらが学生諸君に受け入れられたかどうか、みてみるため、quarter最後の授業に授業評価を実施した。評価表

まず、結果を集計しながら、思ったこと。結構、スリルを味わいました。はらはらしました。達成感があったのか、分かったのか、受け入れられたのか。授業をしながら、ある程度手ごたえは感じていましたが、やはり数字で出るまでは、確信はもてない。そこを確かめたいと思いました。

今回の授業評価は、具体的な授業の課題に焦点をあててやったものではありません。授業が、大学生に受け入れられたのか、機能しているかを、全般的に調べてみたものです。質問項目は、1)授業の満足度、達成度など 2)授業の内容、進め方 3)生徒本人の取組と自己評価の3領域で、それぞれ、3問づつ、5ポイントのスケールでききました。

全体的に70%~80%程度が肯定的に回答しており、これまでのところ、概ね良しと言ってよさそうです。個別に見ると、

1)今の授業は、ある程度の達成感を与えることができている。

 1 授業の内容が分かった。    
 2 授業が楽しいと思った。
 3 英語力が少しは伸びたと思う。

2)生徒が活動する時間も確保されており、授業の進度についても概ね肯定的。和訳先渡しという授業形態にも違和感はないようです。和訳を配布することで、様々な活動を取り入れる時間が十分に生み出せたので、4と6の設問は、無関係ではないと思っています。ただ、授業をした実感としては、まだまだ時間が足りないと思いました。納得にいくレベルの定着にはまだ届いていないと思う。

 4 英語を練習する機会が十分あった。
 5 授業のスピードが速い。
 6 和訳は配るほうが良い。

3)授業には積極的に参加したと考えており、英語学習の動機付けにも一定成功している。ただし、十分な自主学習にはつながっていない。

 7 授業に積極的に参加した。
 8 授業以外でも音読などの練習をした。
 9 もっと英語を勉強してみたいと思った。


ホッとしたというのが正直な気持ち。僕の授業は大学生諸君にも、今のところ、受け入れてもらっているようです。特に、英語力に変化があったとの実感、積極的に取り組んだとの自己評価、英語学習の動機付けを高めたという3点は、うれしい結果です。しかし、外国語の習得には自主的な学習や練習が不可欠。授業を、いかに自主学習につなげるか、この部分への対策が最重要課題となりそうです。

6/06/2008

Kochi英語No.88(2008.6.6)第3回勉強会、Patricia Ashby、四国英語教育学会、高知TMC

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■    英語教育の広場 -KOCHI英語-   ■
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■    第88号 2008.6.6.(Fri)   ■
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■ Blog: http://kochi-e-project.blogspot.com/  ■
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■ 発行元:高知英語Connection事務局  ■
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<もくじ>

1.第3回中・高合同・英語教育勉強会
2.Special Lecture by Dr. Patricia Ashby
3.四国英語教育学会高知研究大会
4.第29回例会 高知トーストマスターズクラブ
5.今後の英語教育関係大会やセミナーの日程
  
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第3回中・高合同・英語教育勉強会

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2009年8月に、四国英語教育研究大会が高知で開催され
ます。この大会に向けて4月より、月1回のペースで勉強会
をしています。普段の授業の悩みや新しい発見と刺激を共有
しませんか?本会の特徴は中高合同で勉強会を行っているこ
とです。中・高の先生にとっては、本会に参加して得られる
「新しい発見や共通認識」がきっと日々の授業で役立つはず
です。どうぞお気軽にご参加ください。

【日程・場所】
第3回勉強会
6月14日(土)15:00~17:00高知西高校会議室

【世話人】 お問い合わせは以下世話人までお願いします!
山中 由香(附属中学)yuka_yamanaka@kt4.kochinet.ed.jp
中馬 剛 (須崎高校)middle-h@me.pikara.ne.jp


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講演「英語のメロディー:イントネーションで意味が変わる」

"The Ups and Downs of Speaking English:
Meanings and functions of English intonation"

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高知大学教授谷口雅基教授のコーディネートにより英国ウェ
ストミンスター大学のパトリシア・アシュビー先生が来高さ
れ、下記のように特別講演会を開催します。是非、ご参加く
ださい。

            記

日 時:6月14日(土)18:50-20:20
場 所:高知大学 朝倉キャンパス
    メディアの森 6F メディアホール

講 師:Patricia Ashby博士(英国ウェストミンスター大学)
コーディネーター:
    谷口雅基教授(高知大学、日本英語音声学会副会長)

参加費:1,000円
主 催:高知大学教育学部 谷口雅基研究室
問合せ:tamasaki@kochi-u.ac.jp


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第20回 四国英語教育学会高知研究大会

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四国英語学会の高知研究大会が下記のとおり開催されます。
ふるってご参加ください。

             記

日 時:6月22日(日)9:00-16:15
会 場:高知大学 朝倉キャンパス 総合研究棟(2F)
参加費:1,500円(会員は1,000円)当日徴収
日 程:
 9:00- 9:40 受付(当日受付可能です)
 9:40- 9:50 開会行事
 9:50-12:40 研究発表

以下2つの部屋で、①~⑤の研究発表が行われます。
<会議室2>
①日本人学習者の英語変種発音の聴き取りに関する研究
②TV会議を利用した語彙指導
③高等学校における英語ライティング指導でのコンセプト・
 マッピングの有効性に関する研究
④意味と音声の関係に焦点を当てた音読の効果
⑤アクションリサーチは英語教員のどこに効いたか?
<プレゼンテーション室>
①英語学習が英語学習者の認知に与える影響:
 カテゴリー関係の判断テストによる一考察
②愛媛大学版英語運用能力判断基準(Can-Doリスト)の
 開発:項目のレベル付け 
③「発音記号の指導」を取り入れた中学校の英語教育実践
 ー効果的な「発音記号の指導」をめざしてー
④小学校における英語科経営に関する基礎的研究
⑤小学校外国語活動における評価に関する諸問題

12:40-13:30 昼食
13:30-14:00 総会
14:05-16:05 シンポジウム
「SELHiは何を残したか?
      -SELHiの成果と課題が示唆するもの」
16:05-16:15 閉会行事


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  第29回例会 高知トーストマスターズクラブ

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 会員も続々と増えています。楽しい例会に是非ご参加を!

【Date】 19:00 - 21:00, Monday, June 23, 2008
【Venue】Conference Room, 2nd floor, Sogo Kenkyu
Faculty of Education, Kochi University

【Schedule】
19:00 Call to Order President
19:05 Greeting by Toastmaster of the Evening TM Hayashi
19:10 【Table Topics Session】 TM Kawashima
19:30 【Current Topic Seesion】TM Kitaoka
19:50 Intermission
20:00 【Formal Speech Session】
◆Speaker 1 TM Minami,CC (AT Project2)
◆Speaker 2 TM Kitaoka (CC Project 2)
◆Speaker 3 TM Hikosaka (CC Project 1)
◆Speaker 4 TM Tomonaga (CC Project 1)
◆Speaker 5 TM Sugimoto (CC Project 2)
19:45【Evaluation Session】General Evaluator TM Taniguchi, ATM
◆Evaluator 1 TM Mine
◆Evaluator 2 TM Shiomi
◆Evaluator 3 TM Yamada
◆Evaluator 4 TM Nagasaki, ATM
◆Evaluator 5 TM Minami
◆Timer TM Nagano ◆Grammarian TM Sasaoka
◆General Evaluator's Report
20:50 Business Session *Officer Election
21:00 Adjourn President

  
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  英語教育関係大会やセミナーの予定(12月まで)

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 6月14日(土)第3回中・高合同英語教育勉強会
         Patricia Ashby博士講演会
 6月15日(日)第1回英語検定(一次試験)
 6月22日(日)第20回四国英語教育学会高知研究大会
 6月26日(木)高知南高校SELHi公開授業
 7月 2日(土)第4回中・高合同英語教育勉強会
 7月 3日(日)第1回英語検定(二次試験)
 8月 9日(土)第5回中・高合同英語教育勉強会
 8月23日(土)第22回英語教育セミナー21
 8月26日(火)土佐研英語学習会(北原延晃先生)
 9月13日(土)第6回中・高合同英語教育勉強会
10月11日(土)第7回中・高合同英語教育勉強会
10月19日(日)第2回英語検定(一次試験)
10月25日(土)ディベートセミナー(矢野善郎先生)
10月26日(日)第8回英語ディベート大会
11月 2日(日)秋季英語教育研究大会
11月 8日(土)第8回中・高合同英語教育勉強会
11月 9日(日)高知県中学・高校英語弁論大会
11月16日(日)第2回英語検定(二次試験)
11月21・22日全英連鹿児島大会
12月13日(土)第9回中・高合同英語教育勉強会
12月20・21日第3回全国高校生英語ディベート大会


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発信元
山田 憲昭 YAMADA Noriaki
noriaki_yamada@ken3.pref.kochi.lg.jp
noriaki_yamada@kt5.kochinet.ed.jp

自己研修型英語教員(Self-directed EFL Teacher)育成のためのメンタリング研究始動

自己研修型英語教員(Self-directed EFL Teacher)育成のためのメンタリング研究が、高知県教育センターと共同研究として始動しました。

高知県では、5年間、アクション・リサーチを使った教員研修を実施し、教員の意識改革や授業の改善に、効果があることが分かりました。一方、受講者をサポートする指導主事や助言者(supervising / mentoring)の支援方法について課題が残っていました。

私たちは、今後の教員研修は、より教室に近いところで、より生徒に近いところで、実際に職務(授業)を進めながら実施されることが望ましいと考えています。集合研修から、校内研修へ、そして、自己研修へという方向です。自主的な取り組みや校内研修などを通じて、自ら課題を設定して、あるいは、校内でサポーティブなグループを編成して、自らの力量を高める取り組みを行うことが求められると言えます。

そのような自己研修を進める際、必要となるのが、専門的な支援です。

そこで、「自己研修型英語教員(Self-directed EFL Teacher)」を育成するための、効果的な支援の方法を、教育センターの指導主事の皆さんと共同研究をすることにした。英語教員がアクション・リサーチなどを使って、省察にもとづいた自己研修を行う際に必要なメンタリングにはどのようなものがあるか、明らかにしたい。

早速、今月中旬には、初任者の授業研修にお邪魔して、授業と研究協議に参加させてもらう。指導主事が初任者のメンターとして、どのような働きかけをしているか、まずは、現状を調べていくことにしている。

第20回四国英語教育学会高知研究大会案内

本年度は、四国英語教育学会の研究大会が高知で開催されます。高知県のメンバーも多数研究発表をします。ご参加をお待ちしています。


会場:高知大学朝倉キャンパス(高知市曙町2丁目5番1号)

日程:2008年6月21日(土)紀要編集委員会・理事会・懇親会
   2008年6月22日(日)総会
             自由研究発表
             シンポジウム
               「SELHiは英語教育に何を残したか?」
                -SELHiの成果と課題が示唆するもの-
                ☆パネリスト
                  愛媛大学附属高等学校 教諭 河野 極
                        (元松山工業高等学校SELHi研究主任)
                  高知南中学校・高等学校 教諭 澤田 朝子 
                  高知県高等学校課 指導主事 山田 憲昭
                        (元高知西高等学校SELHi研究主任)
                ☆コーディネータ 高知工科大学 長﨑政浩


大会事務局:〒780-8520 高知市曙町2丁目5番1号
高知大学教育学部 英語教育研究室 多良静也

自由研究発表申し込み締め切り4月26日(土)
発表要旨締め切り5月26日(月)

大会ホームページ

第3回中・高合同 英語授業研究会

 2009年8月に、四国英語教育研究大会が高知で開催されます。この大会に向けて4月より、月1回のペースで勉強会をしています。普段の授業の悩みや新しい発見と刺激を共有しませんか?本会の特徴は中高合同で勉強会を行っていることです。中・高の先生にとっては、本会に参加して得られる「新しい発見や共通認識」がきっと日々の授業で役立つはずです。 第3回勉強会を下記日程で開催しますので、お気軽にご参加ください。

【日程・場所】  第3回勉強会 6月14日(土)15:00~17:00 高知西高校会議室

【内容】ファシリテータ: 中馬 剛(須崎高校)
 第1部   授業実践  
  (基本的テクニックや様々な実践の交流を通じて授業のパワーアップ)
    ミニ・リポート:山田憲昭(高等学校課)
           森 佳奈子(城東中学校)      
    ワークショップ:Back to the Basics 「音読」編
           長崎政浩(高知工科大学)

 第2部  授業研究 
   (授業についての省察やディスカッションを通じてプロの教師としての力量アップ)

【世話人】 お問い合わせは以下世話人までお願いします! 

山中 由香 (附属中学)yuka_yamanaka@kt4.kochinet.ed.jp
中馬 剛  (須崎高校)middle-h@me.pikara.ne.jp

6/05/2008

If people never did silly things, nothing intelligent would ever get done.

- Ludwig Wittgenstein

Patricia Ashby博士 特別講演会のお知らせ

講演「英語のメロディ:イントネーションで意味が変わる!」
“The Ups and Downs of Speaking English:
Meanings and functions of English intonation”

講師:  Patricia Ashby博士
英国ウェストミンスター大学教授
国際音声協会音声学試験委員
      ロンドン大学英語音声学夏期講習一般音声学担当

著書 Speech Sounds
(London: Routledge. 2nd edition, 2005) 他

日時   6月14日(土) 受付 午後6時20分より
講演 午後6時50分~8時20分

場所   高知大学朝倉キャンパスメディアの森6階メディアホール

対象   英語の発音、イントネーション向上、教育に関心のある方

目的   日本人の英語コミュニケーション能力向上へ貢献する為

一般参加費 千円(資料代含む) (学内関係者無料)

連絡先 高知大学教育学部 谷口雅基先生

 *このページをご覧になった方はmasahiro@nagasaki21.com までお知らせください。

6/04/2008

高知の教育とフィンランドの教育

 大崎前教育長から勉強会のご案内をいただいた。浦野東洋一先生を招いての、高知の教育を考えるインフォーマルな討論会へのお誘いだった。大崎前教育長は、たんぽぽ教育研究所を創設されて、新しい活動を始められているとのことだ。

 あらためて高知の教育のことを考えてみようと思ったとき、フィンランドの教育のことが思い起こされた。PISAの結果が発表されてから、『競争やめたら学力世界一』(福田誠治氏著)などの本も多数出版されていて、今、世界で一番注目されている国だ。世界中の教育関係者が「フィンランド詣(もうで)」に行っているという話も聞く。僕自身、テストや学歴競争中心の教育に問題意識を感じて、教職を目指したものだから、フィンランドの教育にはずっと関心をもってきた。

前掲書(p.83)に、「16歳まで、他人と比較するためのテストはない。」とある。「標準(stardard)」という言葉も、学校教育関係者の間では避けられているのだそうだ。一人ひとりの生徒の力を伸ばすことを重視しているから、「標準」という概念は意味がないのだろう。習熟度別のクラス編成も1980年代に全廃している。PISA2003の数学的リタラシーの得点のばらつきをみると、フィンランドの学校間分散は3.9(OECD平均33.6)で、学校内分散は77.3(OECD平均67.0)だそうである。これに対して日本は、学校間分散が62.1で、学校内分散は55.0になっている。つまり、フィンランドは学校間にほとんど差がなく、日本の学校は学校間の差が非常に大きいということだ。そして、フィンランドは、学校内での学力差が非常の大きいことがわかる。言い換えると、様々な能力のこどもが同じ学校で、同じ教室で学んでいるということだ。日本の常識からするとこれはすごいことだ。習熟度別の場合でも、そうでなくても、結局上位の子は学ぶ。しかし、選別をしたクラスの場合、下位の子どもにマイナス面ばかりがあると考えているようだ。フィンランドは、点数競争による選別をやめて、平等にすべてのこどもに質の高い教育の機会をあたえることで、中下位層の底上げに成功していると言えそうだ。

一方、高知県。全国でも有数の「競争」による学校選択が盛んなところだ。中学校進学段階での私学受験志向が強いのだ。中学校入学の段階(13歳)で、テストによる選別が、生徒の学習環境を規定していると言える。昨年発表された、全国学力学習状況テストで、高知県は振るわなかった。あまりにも早い、競争と選別が、低学力層の学びに何らかの影響を与えているのではないか、というのが僕の長年の仮説である。

司馬遼太郎氏は、『この国のかたち1』の中で、「江戸期の土佐藩は多様な人材を擁することで一目おかれたが、いまはただ一種類のモノサシのもので、この県の若者たちは閉塞している。」と述べている。今、高知県では、全国の学力レベルに追い付くための、まさに「血のにじむような」努力が始まっている。がんばってほしい。しかし、同時に、単に点数競争による学力のみでなく、「高知県にしかない教育のビジョン」を描いて、子どもたちの力をのばしていくべきではないかと思う。

6/02/2008

教師がいきいきと働ける環境づくり


今朝の「朝日」に教師のバーンアウトの記事が載っていた。ILOは、「教員は戦場なみのストレスにさらされている」と述べているらしい。それほど、今の学校現場は大変なことになっている。最近、先生方から「授業以前の問題」ということばをよく聞く。「やっぱ、授業でしょう。」と反論してみるものの、確かに今の学校の状況は限界ぎりぎりに近づきつつあるかもしれない。

佐藤学氏(東京大学大学院)は、教員という仕事にストレスが高くなる理由として、

1)「再帰性」(居眠りをしたり、さぼったり、すぐに目に見える反応が返ってくること)
2)「不確実性」(一度、通用した方法や考え方が、別の場面では通用しないことがよくある)
3)「無境界性」(勤務の終わり、区切りがない。ひとつ解決してもすぐに次の問題が起こる。)

の三点をあげている。的確な指摘だと思う。社会からの学校バッシング、教師バッシングもエスカレートしやすく、教師にとっては、大変な時代に入ったと言えるかもしれない。バーンアウトまでいかなくても、精神的にまいっている人は相当数いるはずだ。

とはいえ、教員という職業の魅力や醍醐味を堪能し、生き生きと教室に立ち続ける人もたくさんいる。人と人が対峙できるすばらしい職業だと思う。

特効薬はおそらくない。

1)効果的で、協働的な校内研修などを積極的に実施し、サポーティブな職場環境をつくる
2)教師としての自律や職務への確信を得られるような自己研修の方法を導入する(アクション・リサーチなど)
3)教員とは別に学校の危機管理部門をつくる
4)服務に対する考え方を、管理主義的なものから、自己責任型にする。(長期休業中の自宅研修や勤務時間のフレックス化など)
5)様々な権限を教室に近いところにもっていく。

などを試して、先生方が、いきいきと自信をもって、授業にのぞんでいけるような環境づくりに配慮すべきではないか。それが、結局のところ、望ましい教師の自己成長につながるのではないかと思う。

*写真はアクション・リサーチを使った研修会の様子。

6/01/2008

高知県春季英語教育研究大会 2008


6月1日(日)高知県教育センターで高知県春季英語教育研究大会がありました。(土佐研外国語部会、高教研英語部会主催)。午前中は小学校1校、中学校2校、高校2校から研究発表、実践発表があり、午後は、文部科学省の教科調査官菅正隆先生から「日本の英語教育の行方ー小中高連携を見据えて」と題した講演がありました。

小学校の発表は、小学校卒業後の中1生の意識調査の報告、中学校は、discourseを意識したライティング指導の報告と授業で行っているwarm upとreading活動の報告がありました。いずれも、明確なテーマをもったすぐれた研究発表でした。授業実践を、きちんと振り返っていこうとする態度やデータ収集は、昨年まで取り組んできた、アクション・リサーチが生きているなあと感じました。四万十市立中村中学校では、去年までの英語教員研修を参考にして、校内研修で全員でアクション・リサーチに取り組むようになったとの報告もありました。高校のこの会での発表は、ここ数年、「広げる」をメインテーマにしています。すべての高校が持ち回りで、英語教育実践の紹介をしてきているのです。そのため、何らかのテーマや課題を、掘り下げた発表にはなりませんが、このような研究会に参加するきっかけづくりができているのではないかと思います。

菅先生からは、新学習指導要領秘話など「ここだけの話」もふんだんにあり、みんな楽しめた講演でした。小学校英語ノートが完成・配布された直後というタイミングだったこともあり、小学校の先生方の参加も結構ありました。新たに小学校に導入される外国語活動の趣旨やねらいについて、丁寧に説明していただきました。小学校英語については、まだまだ賛否があるわけですが、文部科学省の考えている「小学校英語」がどのような方向性を目指したものなのかが、明確になった。「小学校英語は、スキル獲得までは目指していない。」これで、小学校英語導入の意図がはっきりとしたし、「腑に落ちた」気がします。

だとすれば、スキル部分を担いはじめる中学校との連携の重要性が一層高まりますね。週4時間が復活したこともあり、中学校の果たす役割がとても大きくなると言えそうです。