6/02/2008

教師がいきいきと働ける環境づくり


今朝の「朝日」に教師のバーンアウトの記事が載っていた。ILOは、「教員は戦場なみのストレスにさらされている」と述べているらしい。それほど、今の学校現場は大変なことになっている。最近、先生方から「授業以前の問題」ということばをよく聞く。「やっぱ、授業でしょう。」と反論してみるものの、確かに今の学校の状況は限界ぎりぎりに近づきつつあるかもしれない。

佐藤学氏(東京大学大学院)は、教員という仕事にストレスが高くなる理由として、

1)「再帰性」(居眠りをしたり、さぼったり、すぐに目に見える反応が返ってくること)
2)「不確実性」(一度、通用した方法や考え方が、別の場面では通用しないことがよくある)
3)「無境界性」(勤務の終わり、区切りがない。ひとつ解決してもすぐに次の問題が起こる。)

の三点をあげている。的確な指摘だと思う。社会からの学校バッシング、教師バッシングもエスカレートしやすく、教師にとっては、大変な時代に入ったと言えるかもしれない。バーンアウトまでいかなくても、精神的にまいっている人は相当数いるはずだ。

とはいえ、教員という職業の魅力や醍醐味を堪能し、生き生きと教室に立ち続ける人もたくさんいる。人と人が対峙できるすばらしい職業だと思う。

特効薬はおそらくない。

1)効果的で、協働的な校内研修などを積極的に実施し、サポーティブな職場環境をつくる
2)教師としての自律や職務への確信を得られるような自己研修の方法を導入する(アクション・リサーチなど)
3)教員とは別に学校の危機管理部門をつくる
4)服務に対する考え方を、管理主義的なものから、自己責任型にする。(長期休業中の自宅研修や勤務時間のフレックス化など)
5)様々な権限を教室に近いところにもっていく。

などを試して、先生方が、いきいきと自信をもって、授業にのぞんでいけるような環境づくりに配慮すべきではないか。それが、結局のところ、望ましい教師の自己成長につながるのではないかと思う。

*写真はアクション・リサーチを使った研修会の様子。

No comments: