8/29/2012

平成24年度高知県英語教育研究大会(報告)

今年度の県英語教育研究大会が8月18日(土)、19日(日)の2日間の日程で開催された。開催日程や内容をリニューアルしてちょうど3年目の大会。今年のテーマは「高知英語Connection! ~小・中・高のつながりを考える」だ。あるテーマについて一定期間取組み、その成果を発表することで、新しい授業の方向性や可能性を提案するスタイルの提案授業が3年前に小学校から始まり、昨年は中学校、そして今年は高等学校の提案。3年前の小学校の提案授業では、中・高・大の教員をはじめ、より多くの人に小学校外国語活動の実践を知ってもらった。昨年は、外国語活動を受けてきた中学1年生に対してどのような授業実践が必要かという入門期に焦点が当てられた提案がされた。そして、今年は高校1年生の入門期5時間の実践が紹介され、新たな指導内容として提案された。
提案者は足達敬子先生(高知商業高校)で、今までの高校入門期の授業実践内容を大幅に見直し、①高校の英語授業を楽しいと思わせること ②英語を理解し、使わせること ③英語学習の方法を理解し、自立的に英語の学習ができるようにすること を柱とした授業改善を行った。授業風景や生徒のアンケートからも大きな成果が得られたことがわかる。この提案授業では、今まで行われてきた高校入門期の指導が生徒の自己責任に大きく依存している状況や中学校3年間の習熟状況の把握と学習方法の提示が十分になされていない現状を踏まえて、本当の意味の中・高接続の一モデルが示された。提案者にとっては、今までの大きな流れを変えたことは非常に勇気ある行動でもあり、エネルギーの行ったことだと思う。しかし、実践されたことで、生徒の様子はもちろんのこと、同僚との授業に対するやりとりが深まるなど、プラスの効果が得られていることがわかる。来年は小学校が提案授業を行う。2周目であり、また違った角度から提案授業がされることだろう。
午後のセッションでは、英語教師としてのスキルアップを目的としたスキルアップワークショップでスタート。以下が今年度の内容である。
小学校での実践(楽しいクリスマス)
英語の歌を活用した実践(Fun to sing)、
英語で授業を行うための工夫(Expanding the English Environment in the Classroom)










1日目の最後は基調講演。森田博士氏(NHK国際放送局アナウンサー)をお招きし、「スポーツ放送で培う英語力」という演題で講演いただいた。講演では、氏の生い立ち紹介にはじまり、現在に至るまでに、どのような学習経歴をもって英語を習得されたのか、また現在どのようにして仕事に向き合っているのかを映像を交えながら紹介していただいた。私たち教えることを職業にしている者にとって、一語学学習者として別の観点からの話が聞けたことは非常に有意義なことであった。
氏は現在、国際放送番組ASIA 7 DAYSのキャスターを務められているほか、大相撲中継英語実況NHK杯フィギュアスケート大会のMCもされている。ASIA 7 DAYSについては毎週月曜日(4:00~4:28)BS1で放送されているので、ぜひ、見ていただきたい。
以上、第1日目の報告でした。(文責 中馬)

8/14/2012

英語教育達人セミナーin 高知 & 四万十

8月8日(水)、9日(木)と2日間英語教育達人セミナーが行われた。実に3年ぶりの開催である。
8日(水)は岡豊高校で、午後13:30から、9日(木)は幡多農業高校で午前10:00からの開催。
講師は谷口幸夫先生(都立国分寺高校)と松本涼一先生(埼玉県加須市立騎西中学校)である。
谷口先生の授業バージョンアップコーナーでは、「1分間のいい話」と題して、英語教師として知っておきたい、生徒に伝えたいネタをいくつか紹介された。
松本先生は今回が四国初上陸。 「効果的な語彙指導&音読指導」と題して、単語が言える→書けるまでの指導、様々な音読指導、家庭学習について実践紹介された。「1分間のいい話」のブレインストーミングでは参加者から様々なエピソードが出され、「なるほど!」と思えるようなことであったり、「そうだったのか!」と思えるような発見もあり、盛り上がった。こういった小話を授業に入れることによって、生徒のモチベーションやその場の雰囲気を活性化させてくれる。是非、持っておきたいものである。
松本先生の実践では、グループ化し、役割を持たせていた。語彙指導もさまざま工夫がされており、緊張感をもってゲーム感覚で行えるところが印象的だった。「パパイヤジュース」、最高である。詳しくはご本人にお聞きください。単語テスト。これもいい。教科書の語彙を定着させるための工夫であるが、予備テストとして数回行うのであるが、問題数を自分で選択するのである。定着度合いによって生徒自らが選ぶので、段階的に力をつけることができる。数回の予備テストの内容は全く同じというところがいい。最終目的は生徒にその課の語彙を定着させるというところであり、練習という位置づけでされている。英語が苦手な生徒にも配慮されているし、できる生徒のモチベーションも維持できるところがすばらしい。音読にもさまざまなバリエーションがあった。これも詳しくはご本人に聞いていただきたい。松本先生の実践発表は生徒のモチベーションを上げながら、英語を楽しく学ばせている。そのために自主性と役割をもたせており、協働の中で目標を達成している。
最後に、松本先生が東北大震災の被災者であり、3.11の出来事、その後のことについて語っていただいた。私たちが報道で見聞きすることとはまったくかけ離れた現実を知った。先生が生徒に言ったことばが印象に残っているので紹介する。
・とにかく笑おう。そうすればなんか楽しく感じるから。
・別れ際に、これが最後だと常に思え。
どのような言葉をかけても月並みにしかならないが、被災者の方々に心からお見舞い申し上げる。(文責・中馬)

8/13/2012

第1回英語ディベートセミナー

8月7日(火)、午前10時から高知大学で第1回ディベートセミナーを行なった。このセミナーはディベートを初めて行う生徒を対象とした企画であり、3校8名の生徒が参加した。
午前の部では、「ディベートとは」をテーマにディベートのい・ろ・はを学んだ。そして、8人の生徒を2つのグループに分け、立論、質疑応答、アタック、ディフェンス、まとめの役割を自分たちで決め日本語でのディベートを行なった。論題は今年度のよさこいカップの論題「動物園を廃止すべし。是か非か。」である。

(ランチはみんなで学食で)
午後の部では英語ディベートの表現を学び、実践した。各グループ内で作戦をたて、教員たちの助言のもとスピーチの内容を考えた。
はじめは難しいと感じていた生徒たちだったが、徐々に流れや理論を理解し初めて行ったにもかかわらず英語で行ったのである。中には、立論を聞いて自分で考えた反駁をする生徒もいた。
はじめてのセミナーであったが生徒様々なことを感じたようである。言いたい内容を英語で言えなかったというもどかしさや悔しさを感想によせた生徒、難しいけれど楽しいと感じた生徒。
本当に実りある1日だった。これを機に、今後も実施していく予定である。
(文責 中馬)
 

 
                       最後はみんなで記念撮影