6/29/2007

AR Navigator 2007 No.12 佐野先生のミニ・レクチャー(5)

         アンケート結果をどう読み、どう利用するか。

前回のミニ・レクチャーで私の授業のアンケート結果の概略を紹介しましたが、紙面の関係もあって、結果をどのように解釈し、それをどのように授業目標の設定やリサーチ・クエスチョンに生かしていったらよいか、くわしく説明できませんでした。実際、アンケートの結果が、自分が期待していたよりも悪かった場合に、その結果にショックを受けて怖気づいてしまい、授業改善の意欲を失うことはよくあることです。私の今回のアンケート結果も、私が予期してよりも、厳しい否定的なコメントがいくつかありました。

この場合、まず、注意しなければならないことは、適切な距離をおいて、アンケートの結果に対応することです。私の場合だと、否定的なコメントの数は予想した程度でしたが、最後で紹介したコメントは「先生は生徒の実態を正しく認識していない。力のない生徒を見捨てているのではないか」という厳しいものでした。このような場合にどのように対応したらよいのかを考えてみたいと思います。これは教師だけでなく、コメントを書いた生徒や、類似した考えを密かに持っている生徒に大きな意味を持っているのですから、十分、注意して対応することが必要です。以下、私が次ぎの授業時間にアンケート結果をどのように利用し、目標決定につないでいったかをお知らせします。

まず、正直に全体的な傾向を知らせました。授業の目標については賛成するものが約
5分の3、反対が5分の1、どちらともいえない(コメントなし)が5分の1だったこと、
また、授業の進度、宿題、文法説明などに関しての要望が多かったと伝えました。次ぎに、名前を伏せて、肯定的なコメントから何枚かを選び(8ケだった)、そのまま読みました。その後、否定的なコメントもいくつか(4つ)もそのまま読みました。この時に、肯定と否定のバランスが大切です。教師は「正直であろう」とするあまり、否定的なコメントを多く紹介しがちですが、これでは全体の姿が伝わらないので、肯定的なもの3に対して、否定的なものが1になる程度の数を選ぶことが大切です。ただ、後者に対しては、「否定的なコメントを教師にするには勇気がいるものだ。それをきちんと伝えてくれたことに感謝したい」と、まず、誉めます。特に、最後の厳しいコメントに関しては、「これだけ、論理的に意見を書けるのは、考える力のある証拠だ」と認めます。ただ、否定的なコメントには、「クラスの全員がとか、多くが・・・」と書いているけども、それは3分の1に満たない、すなわち、別の考えの人が多いことに注意させます。その上で、「ここが重要なのだが・・」と注意を引き付けておいて、次ぎのように言います。

 「この否定的なコメントをしてくれた人たちは、良い英語授業は、先生が分かりやすく文法を説明し、練習の解答に時間をかけ、和文英訳の答えも黒板に書くことだと考えているようだ。だが、こうした授業は君たちが中学校や高校で体験したものではなかったのか。それによって、本当に君たちの英語力はついたか。英語が話せるようになったか。書けるようになったか。こうした授業の進めかたは、良い点もあるが、悪い点もある。悪い点は、英語の勉強も他の教科の勉強と同じように、「理解すればよい」と思わせることだ。だが、英語の勉強は、実は「文法や単語を理解する」レベルで終わっていては、絶対に「使えるレベル」には到達しない。そのレベルになるには、人に教えてもらって分かるのではなく、自分で失敗し、その失敗の中から間違い見つけ、正しい形で自分で覚えてゆくことが大切なのだ。人によって、間違う場所も違うし、それを正しく覚える方法も違う。だが、英語の勉強は、英語を使うことがスタートだ。この授業では、それを友達との会話や英語を書くことで多くしようとしている。だから、この時に、自分の英語力の不足しているところは自分でカバーし、先生に訂正してもらった英文の誤りは、なぜ、それが誤りなのかを調べ、分からないときには先生に尋ね、暗記し、自分の力に変えてゆかなければならない。結局、自分の英語力には、自分で責任を持て」と強く説得します。

 その後、出された質問に答えます。「予習の仕方が分からない。どういう力が求められているかわからい、という質問があった。それは、教科書やワークブックの問題をやることが予習だと考えているからだ。そうではなく、教師が宿題として出している英文とその答えを暗記し、見ないで友達と会話できるように準備してくることが最も大切な予習だ。次ぎは、その会話をもとに行う英作文を、できるだけ長く書いてきて、先生に訂正してもらったら、その誤りから自分の英語力の不足を見つけ、それを補充する練習をすることだ。だから、教科書やワークブックは、あくまでも、君たちの英語力を補充するためのものだから、期末テストでも軽く扱うことになる」と説明します。

 次ぎに、生徒から出された進度とか、文法の説明とか、和文英訳の要望について、上に述べた基本路線に合致する限り、できるだけそうように努力するので、いつでも意見があったら知らせ欲しいと説明します。その他に、この機会を捕らえて、これまで徹底していなかったクラスのルールの注意もします。たとえば、ペアやグループ活動に参加しない生徒は、この授業の妨害になるので、みんなと協力して欲しいし、そのことによって、自分の英語力も伸びるはずである。また、どうしてもこうした英語授業に不安のある者は、その不安な点、学習した点を毎時間ノートに書いて貯めておき、期末テスト後に提出すれば、単位の認定に考慮する、などの点です。そして、最後に、全員にノートを出させて、
 「授業の最終合意目標:前期は身近な話題について、教師の出す英文の質問をヒントに辞書を使用すれば、100語程度のパラグラフの構成のできた英文を、global
errors 葉」1個以下で書くことができる」と書き取らせ、目標設定にします。

 このように、アンケート調査は結果を公表し、それについて生徒と話しあうことによって、彼らの学習に対する誤解を解き、また、クラスの目標設定のきっかけとするのです。

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6/22/2007

AR Navigator 2007 No.11  佐野先生のミニレクチャー(4)

「やっぱり。やってみなきゃ分からないよ!」

 前回のメールを読まれた方は、私の一般教養の英語の授業は、順風
満帆で進んでいるなという印象を持たれたと思います。実は、私も、
「ほぼ、7割の学生は僕の授業に、おおむね満足している」と思って
いました。ただ、授業の最終到達目標を定め、リサーチ・クエスチョ
ンを設定するには、学生が現在の授業をどう受け止めているのか実態
の把握が必要です。ところが、授業が予定より遅れてしまって、アン
ケートのために時間を特別に確保することができません。そこで、授
業の一部に入れ込みました。具体的には、授業の最後の自由英作文
(「私の好きな場所」というテーマで与えておいた質問に答え、10
0語程度のまとまりのある英文を書くという課題)の用紙のうしろに、
「これまでのこの授業の目標や、進め方について、自由に感想を書き
なさい」と指示して書かせたのです。ですから、アンケートは記名で、
当然、教師側に都合のよい回答が多くなる可能性があります。以下、
その結果の概略です。

出席者数 34 名(在籍 38名)

・授業目標:
好意的な者 21名。  どちらとも 8名  否定的な者 5名

・授業の進め方
好意的な者 8 名。  要望あり  18 名  否定的な者 8名

結局は、授業の目標はいいが、進め方には注文があるということです。

○目標設定に関して好意的なコメント

*いろいろな人と会話しながら授業するので最初はとても緊張してしまい
ますが、クラスの雰囲気はとてもよいと思います。宿題と予習が多くて大
変ですが、がんばります。

*毎回、友達と英会話するので、だんだん自分の英語の発音は上手くなっ
ているかなと思う。対話すると、みんなスラスラ読める気がする。ただ、
教科書の問題の答えあわせが、少しはやいので、もう少しゆっくりとやっ
てほしい。教科書の音読は、前よりゆっくりで、何回もやっているので、
いいと思います。

*とても楽しい。英語力がついてきている気がする。でも、やる気のない
やつとこの授業  をやっても面白くない。どうにかして欲しい。ペアで
やったりする会話は、すごく身についている。また、宿題の頻度、量とも
に少々きついが、丁度よい気もする。

*毎週の授業を楽しみにしています。普段、英語を上手く話そうとすると、
笑われたりするので、恥ずかしくてできませんでした。毎日の会話の活動で、
それがなくなりました。最近は、毎日のできごとを英語で話すように心がけ
ています。

*話す機会のない人と話しができたし、コミュニケーションがとれていいと
思う。友達も増えた。また、授業では書くことだけでなく、口にすることで
ずいぶん上達できると思う。これまでの先生は、文法や書くことばかりだか
ら、先生のクラスになれてよかった。

*この授業は音読する時間が多くて、発音することが苦手な私にとってとて
も助かります。

また、席を移動することで、いろんな人と話せて楽しいです。知らない人
と話すのは緊張するし、失敗したくないので、家で少し読む予習をします。
なので予習した日はスムーズに読めます。これからも予習を続けたいです。
また、この授業は少し進み方が早いですが、そのほうが時間が短く感じる
し集中できます。

○否定的なコメント

*この授業は目標のレベルが高い気がします。私は英語がとても苦手なので、
正直いってついていけない気がします。発音もいきなり駄目と言われてしまう
ととてもついていけないと感じてしまいます。もっと初歩的なところからやっ
て欲しいと感じています。話すこともとても大事だと思います。だけど、ずっ
と話しているだけではあきてしまうので、もっとテープを聞くとか、いろいろ
なことがやりたいです。ただ、これからも頑張っていきたいと思います。

*1年の授業に比べて、レベルが高く、戸惑っている人が多いように思う。も
う少し丁寧に文法とかも説明して教えてください。もっとやさしくするか、ゆ
っくり進めるかしていただきたい。

*この授業のテンポがつかめません。英語のスピードを上げるために、展開を
早くするという理由で進めているようですが、大部分の生徒は授業を理解でき
ていないと思います。

授業の大部分が100語の英文レポートを書くという目標に向けられていま
すが、もともとその力のない生徒はどうすればよいのですか。どのように英語
のレベルアップを図ればよいのですか。自習が大切だというならば、その自習
の仕方をちゃんと説明して欲しい。結局、個々の生徒に基礎的な実力がなけれ
ば、この授業は意味がないと思います。


○結果をどう読み、どう利用するか

アンケート結果は、私が予想していたよりも厳しいものでした。ただ、上に
「否定的なコメント」を書いた学生の文を読めば分かるように、彼らは英語授
業自体を否定しているのではありません。自分の英語授業への期待や能力にそ
ぐわない授業を私が展開していることを批判しているのです。このコメントに
は、私の意図を十分理解していなかったり、また、彼らの英語授業への思い込
みから発している部分もあります。

ですから、まず、次ぎの授業には、自分の考え方が全体の中でどのような位置
にあるのかを気づかせるために、両方のコメントをいくつか紹介します。次ぎ
に、目標については支持されているのでこのまま継続する、ただ、進め方につ
いては、要望が多かった文法や音読指導をもう少し丁寧に進める、自習の仕方
について解説する、テープや教師の話す英語を聞く時間を多くするなどを約束
します。また、同時に、自分の英語力は自分で伸ばす意欲が大切で、文法ルー
ルを教えてもらって理解するのではなく、使いながら、誤りからルールを見つ
け、身に附けることが大切だと力説します。

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6/19/2007

AR Navigator 2007 No.10 仮説設定のヒント2 インプットの周辺

 アウトプットは、インプットなしにはありえません。聞いたことも、見たこともないことを、理解したり、言ったりできる可能性はないのです。モンゴル語を聞いたことも、見たことものない私には、モンゴル語を理解することも、モンゴル語で意見を述べることもできません。英語が分かる、英語を使えるようになるためには、そのためのインプットが必要であるということです。

 インプットのうち、記憶に蓄えられアウトプットとして利用可能なものをインテイク(intake)と呼ぶことがあります。英文の構造や語彙が、学習者の頭の中にインテイクとして残ることが、英語力が定着した状態と考えるわけです。英語を理解するうえでも、インテイクは重要です。英文の構造や語彙が頭に入っていれば、英文を読んだり、聞いた時に、瞬時に理解できるようになるはずです。

このことから、言えるのは、

(1)土台となるインプットを与えることが大前提である。
(2)インプットをインテイクとして取り込む活動が定着の基礎となる。
(3)インテイクを活用して、アウトプットする活動を行うことで実践的
  コミュニケーション能力が育つ。

のではないかということです。

 さて、ここで仮説設定の話です。(1)〜(3)のどの部分が、皆さんの教室に必要だと思いますか?そして、どのような仮説が考えられるでしょうか:

(1)の場合

○「日本語による文法や語彙の説明中心のインプットしか与えてないなあ。簡単な英語(teacher
talk)で教科書の内容を説明し、インプットを与えてみたらどうだろうか。」

○「そもそも、インプットが必要という発想がなかった。どうすれば、良いインプットを与えられるだろう。chunkに区切って、区切りごとに内容をとっていくようなインプットを繰り返すのはどうかなあ。」

○「基礎的な単語すらあやしい状態。まずは、必要な語彙のインプットから始める必要がありそう。」

(2)の場合

○「分かり易い説明は心がけているし、生徒にも評判はいいけど、英語力が定着しない。もっと、基礎を定着させるためのドリル的な活動が必要かも。」

○「内容理解までは完璧にやってるけど、音読は1回しかやってなかった。やっぱ音読が不十分かなあ。しっかりと定着するまで音読とシャドーイングをやってみようか。」

(3)の場合

○「意欲も高いし、簡単なやりとりはできるようになってきた。でも、使う英語の質がまだまだ。英語を話す時の、内容が不十分そうなので、mappingを使って練習させてみようか。」

○「とても、活発なクラスで、英語を話すのも好き。生徒が英語を使う機会をもっと増やした方がよさそうなので、教師が説明する時間を減らして、生徒の活動時間を今より30%増やしてみようか。」

などなど。。。


 皆さんが、教室で実現したいことは、何ですか?どのような力を身につけさせたいですか?まず、生徒の願いや先生の思い、教室の現状をみて、もっとも効果的な仮説を考えてみてください。

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6/17/2007

AR Navigator 2007 No.9 仮説設定のヒント

皆様へ

アクションリサーチ宣言はされましたか?これまでの時期、事前調査やリサーチクエスチョンの設定など、たくさんやることがあったと思いますが、一番大事なのは、これです。今年1年目指すこと、達成したいこと、先生が授業改善に取り組むことなど、率直にかつ真摯に自己開示をすることから始めてください。

さて、仮説設定。最大の難関です。夏期集中研修まで、じっくりと取り組んでください。

まず、第一のポイントは仮説1に達成が容易な項目を設定することです。割と変化が見えやすいものを設定して、それをクリアーすることです。仮説1の成功体験が、教員にとっても生徒にとっても、その後の弾みになるようです。授業の環境づくりや生徒との人間関係づくりなど、先生にとって、「元気のでる」ような仮説をおくと良いのではないでしょうか。「1分間のteacher
talkでクラスを英語環境にまきこめば、生徒の参加意欲が高まるのではないか。」とか「教科書に入る前に、簡単なシャドーイングテストをやれば、授業の達成感が高まるのではないか」などなど。そして、授業評価で「参加意欲」を聞いてみてください。きっと変化が実感できるはず。

オリエンテーションで、自分自身の得意な分野をあげてもらいました。自信と確信をもって授業に入っていける活動で、まずは、良い第一歩を踏み出しましょう。

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6/15/2007

AR Navigator 2007 No.8  質問への回答(続き)

 提出していただいた質問への回答「続編」です。

 いただいた質問の大半は「リサーチに対する不安」でした。それ以外は、それぞれの個別のものでしたので、それぞれにお答えします。

○データの取り方が分からない。

 データの取り方は、実に様々あり、リサーチの中身によっても変わります。アカデミックな研究ほどには客観性を意識する必要はありません。日常の授業の中で、生徒の英語力向上に役に立つ方法で、データを集めてください。分かりやすいのは、年度当初とリサーチ実施後に共通性のあるデータをとるという方法です。音読を録音しておいたり、英作文を書かせておいて、同じことを検証の時にもやってみる。そうすることで、変化がつかみやすくなると思います。

○テストが不安!

 2回受験するCASECのことだと思われます。このテストは、あくまで自己診断が目的ですので、結果が悪かったとしても、ペナルティがあったりとか、給料が下がったり(笑)などということはまったくありません。皆さんに、現在の力を把握していただき、それをもとに自分自身の英語力向上のプランをつくっていただきたいというのが趣旨です。2回目は、各学校で受験していただきますが、その受験報告書にも点数の記入欄はありません。「テストの結果をうけて、ご自身がどうするか。」それだけです。私たちは、お互い、大人であり、プロの教師です。これ以上、何が必要でしょうか?

○TTの授業でも良いか?

 もちろんです。これがだめ、あれがだめといったものはありません。あるとしたら、授業者には手に置おえない問題は扱えないということです。「週3時間しか英語の授業がないので、1日を36時間に変えよう」のようなことは、無理なわけです。しかし、「25分授業を週6回に分けて実施してみよう」ということなら、できるわけです。

○通信制で授業時数や面談回数が少なく十分なフィードバックが得られない。

 可能な範囲でのデータ収集でかまいません。アクション・リサーチは、「授業優先」です。リサーチのために授業の方が犠牲になるのは本末転倒です。今の現状の中で、できるかぎりのリサーチをすることが大切です。

○34年次サポートのテーマと重複しても良いですか?

 県立は3・4年次サポートでもアクションリサーチをやっています。1つのリサーチで十分です。この英語研修でしっかりとしたリサーチをやっていただいて、それを34年次サポートの方に生かしてください。

○多忙な中で研修に集中することが難しい。

「授業」に集中してください。それが、この研修です。

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6/12/2007

AR Navigator 2007 No.7 佐野先生のミニ・レクチャー(3)

佐野先生のミニ・レクチャー(3)

    これまでの実践を振り返り、事前調査にとりかかろう

 しばらくメールを出しませんでしたが、その後、授業はどうですか。私の一般教養の授業は、今年はかなり順調にすすんでいて、一応、以下のことは達成できたようです。

(1) 教師が自分の授業に対する思いを語り、体験から勉強の仕方を話す。

このことはかなり上手く行き、かなりの学生が、私が英語苦手人間からどう脱却したかという話しに興味を持ったようで、何人かが英語学習に関してのアドバイスを求めてきています。たとえば、「準2級に合格したが、2級を目指す勉強はどうすればよいか」とか、「将来、留学を考えていて、会話力を伸ばしたいのだが、どうしたらよいか」などです。前者に対しては、準2級のテストの成績を聞くとぎりぎりの合格だったので、もっと準2級の過去問題をやり、8割か9割の正解が得られるようになってから、2級の問題集をやるように忠告しました。後者に関しては、英会話学校にゆくのも悪くはないが、それ以上に、現在使用している教科書のまとまりのある例文を完全に暗記し、文法も語彙も正確に使えるように、徹底的に自己表現の練習をすることとアドバイスしています。

(2) 授業の目標に合意が得られつつあるか。

 この点に関しては、授業の最初に、「この授業では、身近な話題について、できるだけ沢山、しかも素早く書けるようにする」と目標は伝えてあります。また、2週間後に学生の授業に対する意欲や要望を尋ねるアンケートを実施し、そこで多くの学生が「話せるようになりたい」と書いたことを紹介し、「話すこと」「書くこと」を結びつけて指導するという方針を伝えました。ですから、自己紹介の文や故郷紹介の英文を書かせたら、それにポジテブなコメントを出して、興味付けをすると同時に、スピーチにして友達に発表する形をとり、聞き手も相槌や、コメントや質問をするように励ましています。

(3) 授業の進め方に定型のパタンができつつあるか。

 まず、宿題にしておいた例文を用いて、ペアを変えながら、会話をすることから始まります。たとえば、今週のターゲットは、It
の用法ですから、前の時間にLet's talk about our favorite place.
というタイトルで、教師がモデル文で天候気候、時間、距離、仮主語のit, 仮目的語のit
を用いた文章を示し、それと類似した文となるように疑問文を板書し、宿題として答えを用意してくるように指示してあります。実際の授業では、「自分の答えを見ないでも言えるように練習の時間を与える」という口述のもとに5分ほど、宿題をしてこなかった学生でも対応できるような時間を設けます。次ぎに隣で、また、ペアを機械的に変えさせながら、4、5人と対話をさせます。そのときに、聞き手の役割を強調し、うなづいたり、合いの手を入れたり、聞き返したりして、自然に会話になるように注意します。これは、毎時間、行っていますが、実は、まだ定着していません。でも、一応の練習ができたら、自分の答えを急いでまとめて50
語程度の英文を書かせます。次ぎに、場所を説明している教科書の文章を読み、文法を手短に説明し、また、ExerciseやWorkbook
をしながら、自分の英文を書き直すときの参考になる箇所に下線を引かせます。その後、こうした点を参考にして、最低でも100
語の英文の複数のパラグラフを書くことを宿題にします。次の授業では、書いてきた英文を、パラグラフの形、動詞と主語の一致、時制、この時間でいえばIt
の用法が正しくできているかという観点で再度チェックさせ、それを教師が配布する用紙に清書して提出させます。次ぎの週までには、私がそれぞれのglobal
errors を中心に訂正して戻してやり、それを見ながら、できれば暗記して、仲間にスピーチするという流れです。ですから、2ページ構成のone
lesson の終了には2時間をかけます。急いで多くの知識を与えるよりも、定着することと使用の機会を多くすることを大切にしています。こうした授業の流れは、次第に定着しつつあるようです。

(4) テストをする内容を通知しているか。

 目標がきまり、授業活動がきまれば、期末にはどのようなテストをするかを伝達しておくことも大切です。私の場合は、
 a) 教科書の既習の例文(80語程度のもの)の7レッスンの中から一つ選んで音読テストをする。音読テストで不合格なら、筆記試験を受ける資格なし。(ただ、一度、不合格になっても、再度機会を与えるので、結局はあきらめなければ、全員合格になる)
 b) 文法説明の中の文のターゲットとなる語の穴埋め。
 c) Exercise やWorkbook の語順や選択肢の問題
 d) 与えられたテーマでの自由英作文(実際は、これまで練習したテーマをあわせれば
   できるような問題をだす)と伝えてあります。

 さて、このように書くと、万事が上手く行っているようですが、実際は決してそうではありません。授業に平気で遅れてくる学生もいれば、開き直ってペア活動に参加しないし、宿題もださない学生もいます。上に書いたことは、いわば、私の希望的な観測にしかすぎません。(ついでながら、遅刻したり、授業に参加していない学生は、他の学生が作業している間に教卓に呼びつけ、理由を聞き、今後の注意をします。個人的に注意されると、それで改善される者もいます。依然として改善していない者は、「後で後悔するだろう」と全員に警告は発しますが、それ以上の注意はしません。「勝手にしろ。でも、後がこわいぞ」というムードを漂わせておきます。)結論としては、授業の目標も教師側の意図も方法も明確になり、学生側の反応も見え始めたところで、教師の思い込みだけで授業を進めていないかをチェックすることが必要です。具体的には、上記の5点に関して、学生はどう感じているのか、教師は本当にこの形で授業を進めているのか、ポイントを絞った観察や自己観察でチェックし、また、アンケートやインタビューで生徒の意見を聞くと同時に、実際に進めている授業のレベルが、生徒の実態や要望に合致しているのか、英語力やperformance
で調べる事前調査をします。 その内容は、次回のメールで。

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6/10/2007

AR Navigator 2007 No.6 PMA

 PMAってご存知ですか?以下の説明を読んでみてください。制限時間は20秒です(笑)。

One of the few things we have complete control over is our attitude.
When faced with adversity, we can choose to focus on the negative in
the situation or the positive. A positive mental attitude, or PMA, is
something everyone can adopt with a little practice. The benefits of
a PMA are beyond comprehension, and according to many achievers, the
number one reason for their success.

A positive mental attitude is seeing the benefits, opportunities, and
good in situations rather than the setbacks, problems, and bad. More
important, it is focusing on this positive and using it to your
advantage. PMA is asking how something can be done rather than saying
it can't be done. It is the driving force behind persistence and
perseverance.

There is a belief that nothing in this world is "good" or "bad", but
rather everything is balanced and it is only our perception that makes
good and bad. Whether you believe that to be true or not, it is hard
to debate that perception and attitude have much to do with how we
view the world.

     (http://www.yeartosuccess.com/ より)

「よいよ、またこのうるさい役回りか。やってられん。」と思うのか、「このことでは、信頼されているんだ。がんばってやってみるか。」と思うのでは、違いますよね。

不安になったり、仕事に行き詰ったり、後ろ向きになりそうなときに、このような考え方があるということを思い出してみてください。あまり楽観的すぎてもいけないのでしょうが、やはり、自分自身がどのような「心もち」でいるかで、ものごとの結果も、満足度も変わってくるものです。そして、先生のもつ、ポジティブな姿勢はきっと、生徒にも伝わるはずです。

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AR Navigator 2007 No.5 佐野先生のミニ・レクチャー(2)

佐野先生のミニ・レクチャー(2)  もう、いいかい? まだだよ。

ミニレクチャー(1)では、授業はじめには、次ぎの点を確認しようと話しました。ひとつ目は、教師の授業にかける思いを語るということです。これから1年間付き合うことになる先生はどんな人なのか、大抵の生徒は興味をもっていると思います。ですから、自分の中学や高校のころの生活や夢などを語ってやることが大切です。ただ、一度、自分のことを語ったからと言って、期待しすぎてはいけません。何人かが興味を持ってくれればよいのです。そっけない顔をしていても、内心の興味をわざと隠そうとしている者もいるでしょうし、逆に、反感を抱いてしまう者もいるかもしれません。その場合は、それはそれで仕方がない、次ぎの機会に仲良くなろうという程度に軽く考えるようにします。

次に、この授業でどんな力をつけて欲しいかを具体的に話すことです。たとえば、「英語で身近な出来事が書ければ、海外の友達とメールの交換ができるよ」というようなことです。ただ、それには練習が必要で、そのために絶対に守って欲しい教室でのきまり、自分で努力してほしいことなども伝えます。また、モデルの対話例を与えてペアで活動をさせ、相手を説明する英文を書くなどの活動もします。「コミュニケーションで相互理解を深めよう。メールも会話も、となりに座っている人から始めよう」と呼びかけるのです。

ここまでが、先週のポイントでした。ただ、教師と生徒の人間関係でも、クラスのルールも、コミュニケーション活動も、一度、話したからといってすぐにできるものではありません。時間を掛けて、リサーチの基礎作りをします。その間、ごく普通に授業は進めますが、大切なのはその進め方です。教師の個性や教科の特殊性などがあるので、いろいろの形があるのは当然ですが、忘れてならない基本もあります。それは、コミュニケーションの機会のない授業、教師指導型で講義形式一辺倒の授業であってはならないということです。なぜなら、授業で最も大切なのは、生徒が学ぶ(=英語が好きになり、できるようになる)ことなのですから、生徒を無視した一方通行では目標は実現できないからです。

とにかく、こうして、自分の授業のパタンがある程度理解されたら、それが生徒の要望に合致しているか、一度、軽くチェックしてみます。授業の流れを一覧表にしてタイプした用紙を配布し、それぞれの活動の狙いを教師が話すと同時に、それぞれの活動が理解しやすいか、役立つと思うかを授業直後に10分程度の時間を割いて、選択肢を選ばせる形のアンケートで調査します。そして、用紙の最後にはスペースをとって、「この授業でどんな力をつけたいと思いますか。先生に望むことはなんですか。自由に書いてください」と自由表記のできる箇所を設けます。この場合は、「ひとりひとりの考えていることを知りたいので、アンケートには名前を書いてください」と指示します。

こうしたアンケート調査は、教師が個々の生徒の要望を理解するためのものですが、それだけではありません。「君たちの意見を聞いて、よりよい授業にしたいんだ」というメッセージを生徒に送ることにもなるのです。ここまでは、アクション・リサーチの準備の段階です。本格的なリサーチの開始は、「まーだだよ」。

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【研修HP】http://www.kochinet.ed.jp/center/kyouka/kochieigo/index.htm

【県教委BLOG】「風、きらり」

http://kazekirari.sblo.jp/

6/09/2007

AR Navigator 2007 No.4 不安あり?

皆様へ

オリエン当日に提出していただいた自己評価表の自由記述欄に記入していただいたご質問やご意見について、何回かに分けてお答えしていきたいと思います。

トップ1は、「今の多忙な中で、仕事をしながらアクション・リサーチをできるのか。」でした。他を引き離してダントツトップです。ホーム運営、校務分掌、部活動など多忙を極める中で、新しいことが増えることに対して、不安に感じているということがよく分かります。もっともなことだと思います。

Navigator冊子の4ページを読んでみてください。「アクションリサーチを行うにあたっての心構え」の中に、

「�授業にプラスして調査を行うのではなく、授業の中で授業をよりよくする調査」

であると書いています。授業とリサーチが一体化しているところが、アクションリサーチ最大の特徴であり、現職教員が取り組む実践研究として大きな意味があるのです。

少しでも分かりやすい授業にしたい、生徒に英語力をつけたいと思って、授業に様々な工夫をしています。それは、日常のことです。それを、少し計画的に、体系的にやろうということなのです。アクションリサーチをやるからと言って、何か特別な、見栄えがすることをやる必要ないのです。

「この研修のせいで、忙しさが増して、授業の取組がおろそかになってしまった。」では、まったくの本末転倒です。この研修が授業改善にとって邪魔になってしいます。それでは何も意味もありません。むしろ、研修の方を中止すべきです。

「授業について、様々な角度から考え抜く1年にする。」

これを達成することが一番大切なことです。リサーチの報告書やポートフォリオはその副産物に過ぎません。
通常よりは忙しい1年になると思います。しかし、授業と真剣に向き合う忙しさは、意味のある忙しだと思います。ぜひ、positiveに取り組んでいただきたいと思います。

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No.3 佐野先生のミニ・レクチャー(1) (2007.6.1)

皆様へ

「佐野先生のミニレクチャー」は、昨年度、佐野先生自身が大学で
取り組まれたアクション・リサーチを報告してくださったものです。ぜひ、読みたいというご要望をいただきましたので、再度配信することにしました。昨年は、1年かけてリアルタイムで配信しましたが、今年は、アクションリサーチの全貌をつかんでいただくために、早い時期に連続して配信する予定です。

教師として経験も十分にあり、そして、英語教育の研究者としての地位も確立されている佐野先生が、それでもなお、ご自身の授業をより良いものにしたい!と取り組まれている。その姿勢に感動を覚えます。

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佐野先生のミニ・レクチャー(1)

生徒に「やる気」を起こさせる「魔法の言葉」はないか?

私が大学で一般教養の英語を教えているクラスは、結構、英語嫌いの学生が多く、一番頭を悩ますのが、どうしたら多くの学生の「やる気を引き出せるか」ということです。これは私だけのことではなく、多くの教師が、生徒がもう少し「やる気」を出してさえくれれば、授業は活気づくし、成績も上がるし、人間関係もよくなるのにと思っているのではないでしょうか。実際に、この「魔法の言葉」さえ分かればあらゆる問題への扉が開くはずだと、いろいろな学者が「動機」の研究に取り組んできました。だが、残念ながら、「魔法の言葉」は存在しないというのが、今では常識になっているようです。

というと、悲観的に聞こえるかもしれますが、そうではありません。大切なことが分かってきたからです。「やる気」を出させるには、結局、その場、その時にふさわしい、生徒の実態に合わせた、教師の言葉かけや指導が必要だということです。では、今の時期には、何が必要なのでしょうか。ドルニイ(『動機づけを高める英語指導ストラテジー35』(大修館書店)を参照)の説を参考に、自分が教室で試している方法を紹介しましょう。

まず、「やればできるかも」と思わせるように努力しています。それには、まず、私自身が英語学習にどう取り組んだか話すことにしています。幸い(?)私は中学、高校と英語が大嫌いでしたから、それが必要に迫られ、大学の2年生になってから中学校の1年生の教科書から勉強し直し、結局は2年程度で英語を片言でも話せるようになったという話しをすると、かなりの生徒が興味をもってくれます。そこで、「この授業で一生懸命にやれば、1年後には3分間の会話と、100語のスピーチができるようになる」という目標を提示し、それには発音や基礎的な語彙や文法を繰り返し練習することが大切だと話します。また、クラスの人間関係も大切ですから、できるだけ名前を覚え、「君ならできる。期待している」というメセージを発し続けるようにしています。実態は期待にはほど遠い学生が多いのですが、自己表現の作文を書かせ、ポジチブなフィードバックを与えるようにします。さらに、生徒同士が知り合うことが大切ですから、フレームを与えて、ペアでの対話練習に時間をかけています。もう一つ大切にしていることは、クラスのルール作りです。授業開始前にペアで座り、教師の指示で対話の相手をローテーションで変えてゆくということです。この準備段階が済んでから、次ぎのステップに移る計画です。

もちろん、中高と大学では様子が異なることでしょう。ですが、「やる気」が大切な点は共通しているでしょう。また、どのようなアクション・リサーチのテーマを選ぶにしても、そのときどきに狙いを明確にした実践が大切だということを語りたかったのです。みなさんは、どんなアクション・リサーチに取り掛かろうとしていますか。

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No.2 事前調査&リサーチクエスチョン (2007.6.1)

皆様へ

新学期始まって、2ヶ月がたち、はや、6月。クラスの様子も把握でき、授業も軌道に乗っていることでしょう。この時期は、中間試験をやっていることろもあるのではないでしょうか。結果が楽しみです。

さて、5月が終わったところ。アクションリサーチの進み具合はどうでしょうか?

冊子Navigatorの17・18ページを、今一度開いてください。

そうそう、そうなんです。事前調査とリサーチクエスチョンは5月一杯で終わらせるようになっているのです。この段階まで、終了してない方は、少し時間をとって、まとめておきましょう。と、いうのも、次の段階である「仮説の設定」がなかなか、難しいからなんです。できるだけ、早めに現状の把握とリサーチの方向性を定めておくと、じっくり仮説の設定に取り組めます。

大切な「仕込み」の段階です。ぜひ、しっかりと教室を見つめ、1年間の方向性を定めていただきたいと思います。もちろん、いたずらに時間に追われる必要はありませんが、まず、事前調査とリサーチクエスチョン。ここまで、仕上げて、ポートフォリオに綴込みましょう。

【ここまでにやっておくことチェックリスト】

□様式1  事前課題、オリエンまでの要約と自己評価
□事前調査
1)様式2  授業観察の記録
2)生徒による授業評価
3)学力データ
□様式3  リサーチクエスチョン

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No.1 さあ、Let's begin! (2007.5.26)

受講者の皆様へ

さあ、皆さん。1年間が始まりました。

「風、きらり」 http://kazekirari.sblo.jp/
には、「達成感から、研修が終わった今は、寂しささえ感じていま
す」という昨年の受講者の方の感想が紹介されています。ごらんになっていただけたでしょうか。学校がどんどん多忙になるなか、この研修を成し遂げることは、決して楽なことではありません。しかし、注ぎ込んだエネルギーと熱意に値するだけの充実感の得られる1年間になると思います。私たちも、できるかぎりのサポートをさせていただきますのでよろしくお願いします。

まず、最初にメーリングリストの仕組みを説明しておきます。

◎メーリングリストとは、1つのメールアドレスにメールを送ることで、登録者全員に同じメールが届く仕組みです。これを活用して、オンラインで皆さんのアクションリサーチをサポートしていきます。

◎受講者の皆さんは2つのメーリングリストに登録されています。

◎1つは、受講者全員が登録されたメーリングリストです。

e_project@kochieigo.jpn.org

このメールアドレスは主に、佐野先生からのアドバイスやアクションリサーチの進め方をリアルタイムにnavigateする "Action
Research Navigator"など、主に、私どもからの情報発信に使います。もちろん、受講者全員に何か質問やお願いがある時は、このアドレスにメールを出してください。

◎もう一つは、リサーチグループごとのメーリングリストです。ここでは、メンター役の指導主事を中心に、リサーチを進めるうえでの相談やディスカッションを行います。こちらのアドレスには、気軽に様々なメールを出して、お互いに情報交換、意見交換を行ってください。

こちらのメールアドレスは、個別にお知らせします。

さあ、それでは Let's begin!