5/23/2008

Classroom Discipline(授業規律)


昨日の、高知南中高等学校のセルハイ運営指導委員会で「授業規律」のことが話題になった。意図的、計画的に授業規律を取り上げていることが少ないという問題意識があったので少しコメントをさせてもらった。Wong & Wong(1998) The First Days of School(Harry K.Wong Publications)という本のことが念頭にあったからだ。(Amazon.comの書評などはこちら

この本の、p.167に、

Most teachers do not teach.
They "cover" or "do" activities.
Then when things go wrong, they discipline.
In short, most classrooms are nonmanaged.

とある。本質をずばり言い当てた言葉だ。Disciplineの作り方、提示の仕方から、問題のある生徒への対応の仕方などが、実に丁寧に記述されている。同書は、Effective teacherの要件として、 1. Exhibits positive expectations for all students 2 establishes good classroom management techniques 3 design lessons for student mastery. の3点をあげ、それらを具体的に解説することが本書の柱になっており、classroom managementを重要視していることが分かる。

p.143に、"It is easier to maintain good behavior than to change inappropriate behavior that has beocme established. "とある。やはり、明確な意図をもって、計画的に「授業規律」に取り組む必要がありそうだ。高知南中高は、今年、授業規律を学校あげての重要なテーマにしているとのこと。ぜひ、しっかりとしたプランを立てて、実行してほしいと思う。

さて、How to become an effective teacherという副題がついたこの本は、日本にはあまりないタイプの本だと思う。"The frist days are critical."というセクションで始まるこの本は、始めて教壇に立つ若い教員に対して、プロの教師たるにはどうすればよいかを説いた指南書だ。きわめて具体的で、実践的な内容が丁寧に書かれている。新人教員ならずとも、役に立つことがたくさんあると思う。日本では、このような実践書があまり好まれないのかもしれない。あまり注目されたこともないようだ。経験で気付く前に、このような本で「教える」ことも重要じゃないだろうか。僕は、「教師の自己成長」(Teacher Development)ということに関心をもっているけれど、やはり基礎となる指導技術や考え方は身につけておくことが先だと思う。

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