2/07/2009

第10回英語授業研究会(報告)


 第10回英語授業研究会が城東中学校で行われました。まずは授業者の橋尾先生の進捗状況から。前回、授業研究の骨子を発表され参加者の意見を参考に取り組みがスタートしています。現在は、つながりを意識して書く練習をさせているとのことで、このあとペア活動を行う予定です。今後は最終目標をどこに定めるかが焦点となってきそうです。
 次に月刊誌「英語教育2月号」のリポートです。インプットとアウトプットについて特集されており、全8部のうち、2つを私(中馬)と長崎先生がリポートしました。
 私のリポート内容はインプットとアウトプットのつながり、シャドーイングと音読の果たす役割についてです。インプット、アウトプットそれぞれの理論と活動例が紹介されていましたが、言語習得のためにはインプット、アウトプットの両方が必要であるというのが結論です。そしてインプットとアウトプットをつなぐ役割を果たしているのがシャドーイング、音読です。これらのトレーニングをすることによってアウトプットする前の意味理解が自動化されていき、文産出を可能にするメカニズムを構築していくということです。今後の課題として、この自動化をどう確立していくのか、また自動化確立のために音声言語素材中心の先験的知識の手続きの無意識を目指したドリルが必要であるということがあげられていました。
 長崎先生のリポートでは、教科書を使用してインプットとアウトプットをどうつなげるかということについて報告されました。授業の流れを解説し、先生自身が授業でされたことを実践して頂きました。先生の実践が認知プロセスの一連の流れに当てはまっており、実際に体験をして感覚として理解することができました。授業展開ではそれぞれポイントも報告されていました。(練習)においては飽きさせないための工夫がいること、インプット活動時にアウトプットにつながるという目的意識を示すこと、フィードバックの工夫などついつい見逃されることが多いところです。授業の流れを考える時に、認知プロセスは無視できないと思いました。
 最後に橋尾先生によるパラグラフライティングについてのリポート。現在、橋尾先生が取り組まれている内容です。今回は第1章と2章についての報告で、1章では書く活動の意義について述べられています。2章では英語のパラグラフの特徴について日本語と比較して述べられていました。1つ興味深かったことは、日本語のパラグラフ構成は理解において聞き手に責任があり、英語では書き手に責任があること。どういう意味かということでみなさんからも出たのですが、日本語の場合は文章から意味の推測をしなければならない部分が多くあり、読み手の解釈に委ねられているということで、英語の場合は結論が先にくるので、主張がはっきりしているぶん理解しやすいかそうでないかは書き手の内容によるということでしょうか。うまく説明できませんが・・・。英語と日本語の構造上の違いからくる理解のしかたは認識していましたが、このような表現は初めて聞きました。
これを一通り読んだ橋尾先生の感想が印象に残っていますので紹介します。

「生徒がやってよかったと思えるゴールをみつけてやりたい!」 がんばりましょう。
「授業の流れの一貫性、自分のポリシーを持つには理論を勉強する必要がある!」 同感です。

以上、報告でした。 今日もあっという間の2時間が過ぎ、オーバーしてしまいました。

さて、次回は・・・

日 時: 3月14日(土) 普段より少し拡大版 14:00~17:00 
会 場: 今のところ城東中学校
内 容: ワークショップ形式 (多読について)

です。

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