1/02/2010

2009年第9回高知県英語ディベート大会(結果)

 2009年11月8日(日)、高知追手前高校にて第9回高知県英語ディベート大会が6校13チームの参加を得て開催されました。今年度の論題は「The Japanese Government should prohibit worker dispatching(haken roudou). 日本国政府は、派遣労働を禁止すべきである。是か非か。」。決勝戦は、土佐高校The Thoroughness (vs) 高知西高校The Fish☆Star。試合内容はほぼ互角。お互いに隙のない素晴らしい攻防を繰り広げましたが、最終的に軍配はThe Thoroughnessにあがりました。全国大会での健闘を期待します。
 現場で直接指導に関わっている先生方との話から、今回の論題が「高校生にとってはやや難しい」「高校生の関心が薄い」「政権交代で揺れ動く可能性がある」など様々な声がありました。言うまでもなく、ディベートを行う上で、論題設定は最も重要な要素の一つです。そういう意味で、今回の論題設定は、授業での指導が大変難しかったようです。指導する教員に余裕や技術がなかった、本当に教員の力量が問われた論題だったと振り返ることもできます。確かに、教員が「指導の数・量をこなす」必要があります。また、それぞれの学校には英語だけではなく、様々な教科の教員がいます。こういった他教科の先生方の協力を得ることができる組織作りも必要です。このように、英語ディベートが英語教員の力量を高めながら、学校中の先生方と生徒を結ぶ架け橋のようなものであってほしいと切に願います。
 実は、第9回大会に先立ち、2009年8月に四国大会高知大会がありました。その大会の第2分科会で、準備期間も含めた2000年から2009年までの10年間にわたる高知県の英語ディベート指導を振り返り、発表を行いました。教育委員会高等学校課上田妙指導主事、岡豊高校樫尾文雄先生、高知西高校有澤雅子先生の3名が高知県ディベート研究プロジェクト会を代表して発表を担当してくれました。分科会では、この10年の成果と今後の課題を明らかにすることができました。高校生や教員へのアンケート調査を実施し、英語ディベート指導が英語力向上にかなり効果がある手法であると、生徒や教員に実感されていることがわかりました。特に、若い世代の英語教員はディベート指導に大きな興味・関心を寄せていることがわかり、大きな勇気をもらいました。また、今後の最大の課題としては、具体的な指導方法をどのように高知県に普及させるかという問題があり、この課題の解決に向けて高知県ディベート研究プロジェクトを継続したいと考えています。指導書・DVDの作成や教員ディベートの推進等の実現に向けて、3年先、7年先、10年先の段階的かつ長期的な目標を立ててみてはどうかと思っています。
 最後に、大会後「全国大会の論題をそのまま県大会の論題として使う」ことに対する見直しの意見が出ました。高知県の英語教育の原点に戻り、確認する必要があるとの意見が出ていますので、まずは一つの区切りとして「2010年第10回大会」を記念大会と位置付け、その大会を高知県らしい英語教育実践の場として成功させるために皆さんのディベート研究プロジェクトへの参加をお願いしたいと考えます。
(文責)高知県ディベート研究プロジェクト 取りまとめ役 山田憲昭(高等学校課)

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