11/24/2008

全英連鹿児島大会に行ってきました

第58回の全英連大会に行ってきました。今回の会場は今NHKで放送中の大河ドラマ「篤姫」の鹿児島です。大会コンセプトは「Ishin-世界を拓く若者が育つ英語教育」、英語好きを育てることを原点に、実践的コミュニケーション能力や態度を培い、異文化に生きる人々と共に世界の未来に貢献しようとする志をもった日本人を育成する教育の在り方を探ることを目的として掲げられていました。テーマといい、、分科会の数といいどんな大会なのだろうかと行く前から興味を抱かされていました。2日間の大会の感想を報告します。
 1日目(市民文化ホール)
雄大な桜島が見渡せるオーシャンヴューの会場で開催されました。開会式終了後、吉田研作氏(上智大)による記念講演。演題は「英語が使える日本人を育成するには何が必要か」でオールイングリッシュで行われました。内容は、現在の日本人の英語力の現状をとりあげ、これから小学校で英語授業が導入されてからの中・高の授業のあり方について提言をされました。
 現状では、中学校・高校の授業では英語で授業が使用されていないことがあげられました。これから小学校に英語が導入され、授業は英語で受ける。そのような生徒が中学校へ行き日本語の多い、訳読や、文法など知識的な要素の多い授業を受けることになる。ここで大きなギャップが生まれせっかく小学校で素地を築いてきても、それが育たないということです。(生徒は失望する)。だからひとつにはクラスルームイングリッシュを積極的に使用すべきだと言われていました。英語使用度の低さは、韓国と比較したGTECのCan-Do調査の結果でも明確に示されていました。私たち教師の今後の役割としては、中学校の先生は小学校ですでに学んできたことをどれだけ伸ばせるか、高校側はそれを受けてより明確なビジョンをもって指導にあたるということにあるようです。
 午後からは、研究授業。中学校、高校の研究授業を同時に別の部屋で行われました。通常の形態ではなかったので驚きました。私が見たのは高校の部、鶴丸高校の発表です。オールイングリッシュで杉原地畝氏についての教材が扱われ、発表では父、杉原氏に対する筆者の心情と戦後の境遇の把握をし、ユダヤ人との再会場面をスキットで再現する内容でした。感想としては「さすが」という言葉が適切でしょうか。生徒も積極的でした。
 最後はパネルディスカッション。松本道弘氏(国際ディベート学会会長)、松畑熙一氏(中国学園大・短大学長)、原口 泉氏(鹿児島法学部大教授)の3名のパネリストで南 徹氏(IBS学院長)の司会によって行われました。テーマは「世界を拓く人間力を育てる英語教育-薩摩の英学、郷中教育を振り返り、日本の英語教育の未来を語る」で、非常に熱く、ユーモアあふれるディスカッションでした。松本先生からの英語とカマキリの接点にはじまり、タイトルのとおり、薩摩の英学の歴史を紐解きながら最後はこれからの英語教育はどうあるべきかの提言で締めくくらました。提言は以下のとおり。
(松本道弘氏)
これからの英語教育は磁石でなければならない

(松畑熙一氏)
・英語で授業する力の育成
・学力は結果であって目標ではない
・コア学習
・人間力を育てよう

(原口 泉氏)
一人ひとりの人間が人間力を持ち、力をあわせてやっていくこと
・情報の伝達
・貢献意欲
・明確な目標を共有する

非常に有意義なディスカッションでした。

2日目(各4会場で分科会)
 2日目は4会場で分科会です。数が非常に多く、会場も場所が異なる4会場での分科会でした。私が行ったのはディベートに関するテーマと、第2分科会ではあちこちです。報告は省略します。

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