1/17/2021

ライティング:教師は「間違いを直す人」である前に「読者」であれ

ライティング・ワークショップの考え方の一つに「教師は「間違いを直す人」である前に「読者」でいましょう。」★(p.55)というのがある。

日本の英語教育の中でずっと見過ごされてきた考え方だと思う。そして、今後、新しい英語教育の中ではもっとも必要になる考え方ではないかと思う。


これに近い考えがなかったわけでもない。error correctionだけではだめだという考え方はあった。誤りを直すだけでは習得は促進されないという考えもあったし、error corretionでなく、corrective feedbackこそが重要との考え方もあった。しかし、多くの提案は外国語の習得という観点からだった。


いや、それでいいのだけれど、コミュニケーションの手段である言語を学ぶ時には、メッセージの出し手、受け手という明確な意識がないと、その学習は単なる言語という記号の記憶になってしまいかねない。


まずは、「これ、面白いね!」「抜群のアイデア!」といった反応が先。言語面の焦点はその先に。


そうでないと、英語の授業で、書くこと、伝えることの楽しさを実感できることはないのではないだろうか。


ラルフ・フレッチャー&ジョアン・ポータルピ(小坂敦子・吉田新一郎訳) (2007) 『ライティング・ワークショップー「書く」ことが好きになる教え方・学び方』新評論. この10年、この考え方を英語教育に応用する実践研究を仲間とともに進めてきている。

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