12/27/2007

ポスターセッションを使った実践研究発表-アクションリサーチの報告会から


  教員の力量を高める方法として、アクション・リサーチは大きな可能性を秘めています。高知県では、5年前に始まった英語教員の全員研修(詳細はこちら)でアクション・リサーチを導入、今年で県内の中高の英語教員全員の受講が終了しました。これで、アクション・リサーチは高知県の英語教員にとって「共通言語」になったと言えます。

 受講者は、1年間それぞれの職場で、テーマを決めて小規模な実践研究を行います(これがアクション・リサーチ)。年末の研究成果の報告会はポスターセッションで行います(2007.12.26、会場サンピア高知、高知県教育センター主催)。広い部屋に、机を配置し、発表者はアクション・リサーチの経過を蓄積したポートフォリオや授業で使った教材、プリントなどを展示。授業の様子をビデオにとってきて上映したり、生徒の音読のテープ録音を流している発表者もいます。様々な工夫とアイデアがちりばめられたポスターセッションになりました。会場のあちこちで、熱心に説明する声、楽しそうに談笑する声が聞こえます。真剣にメモをとる人もいます。デジカメで記録する人もいました。明らかに、通常の研究発表会とは異なった光景です。会場を満たす雰囲気は、とても和やかで、楽しげです。このような環境の中でこそ、同僚性も育つのではないかなあ。


ポスターセッションを選んだ理由はいくつかありますが、参加者全員が主体者にれるという点が最大のポイントです。当日は、発表者を交代して3ラウンド(各ラウンド約30分)で行いますが、全員が必ず発表者にもなり、オーディエンスにもなります。そして、オーディエンスの時も、決して「聞き役」ではありません。発表者との活発なインタラクションがあります。ポスターセッションでは「参加者のルール」を定めてあって、オーディエンスも重要な役割を担うことが期待されているのです。全員が必ず貢献できる役割があり、全員が発表もし、質問もします。大きな達成感が得られる発表形式です。

参加者同志が実践研究を共有することで、共に学びあえる。これがポスターセッションの魅力です。生徒の発表会や校内研修でも、もっともっと活用してほしい手法です。

No comments: