10/07/2008

模擬授業から(2) Avoid "Do you know..?"



発問で、実に多いのが「知っているかどうか?」をたずねるものだ。いわゆる、display questionである。教員が必ず正解をしっていて、生徒にそれを知っているかどうかを求める。要するに知識の有無を確かめる発問だ。「それのどこが悪い。」と思われるかもしれない。もちろん、別に悪いことではない。授業で学んだことが身についているかどうかを、確認するのは当然のことだし、必要な発問である。

問題なのは、display questionばかりであるということだ。どのような場面でも、どのような内容においてもだ。「これは何ですか?」「この単語の名詞形は何ですか?」「このhave +過去分詞は何用法ですか?」。。。。延々と続く。正解を知らない生徒は、その瞬間に「参画」することをあきらめている。知っている者だけが対象になっていると直感する。

もっと、全生徒を引き込み、考えさせる発問を盛り込みたい。いわゆる、referential questionの類だ。必要な事実は、教員が与え、そこから考えさせて解答を導く、そのような手順を踏みたい。正解を知っているかどうかだけではなく、どう考えたかというプロセスに目を向けたたい。そして、生徒たちには自分で答えを出せたという達成感を味わってほしい。

知識の量を競う教育のまっただ中にいた世代が我々だ。だから、どうしても、考えさせたり、新しいものを生み出させたりする指導は苦手だ。しかし、そのような発問が、生徒の心を閉ざすことがあるということを知っておきたい。発問は、時に「知っている」と「知らない」という2グループに、クラスを分断する。そして、「知らない」グループは、授業を自分に関係ないことだと思ってしまうのだ。

生徒が授業に参加しないのには理由がある。

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