10/11/2008

「授業以外はほどほどに」でいいのかも



今週は、睡眠不足にたたられた。理由がある。

ある夜、真夜中の12:00ころ、寝る前に次の日の授業の資料を見直していて、急に「ダメだ。」と思い始めた。あまりに無駄が多すぎたのだ。前の学期にうまくいかなかったところが、修正されていなかったし、欲張りすぎて本当に達成したいねらいが、ぼやけてしまっていたのだ。「ボツ」にする決断をした。それから、眠気と戦いながら、猛然と授業を組み立てなおした。結果として、授業はとてもすっきりしたものになったと思う。活気のある授業になった。

準備をし直しながら思い出したことがある。高校教師になってしばらくたったころ、僕は「授業以外はほどほどにしよう。」と決意したことがあったのだ。きっかけは忘れてしまったのだが、その瞬間のことは良く覚えている。もちろん、他の仕事も逃げたりはするつもりはなかった。ホーム運営も、校務分掌もそれなりに熱心にやったつもりだ。しかし、ずっとねっこのところで、「授業以外はほどほどに」と思い続けてきたと思うのだ。

当然のことだが、教育委員会や学校が、このような「ふざけた」行動規範を掲げるわけにはいかないだろう。役所というのは、徹頭徹尾「本質論」を言わなければならないところだからだ(それに、本質論は誰かが言い続ける必要がある)まして、意欲あふれる若手の先生方にこのような言葉を送ることは、やはりはばかられる。授業も、ホーム運営も、校務分掌も、全力で!と激励すべきだろう。

では、なぜあえて「授業以外はほどほどに」などという、少し後ろ向きなことを言うのかということだ。「部活が忙しすぎて、教材研究の時間がない。」「授業以前の問題が多すぎて。。。」「生徒指導が大変で、授業なんて、後回し。」という声をしばしば耳にするからだ。先生方はみんな真面目だし、どのような業務にも懸命に取り組んでいる。だから、それを軽々に「ダメだ」と言うわけにはいかない。

しかし、このままでは、学校教育の本質的な問題は永遠に解決できないと思うのだ。やはり、授業で解決するしかない。だから、他の様々な活動をやめろというのではなく、せめて「授業のプライオリティーをあげよう!」という提案をしたいのだ。

僕にとっては、問題を起こして生徒指導されている子どもも大切だし、人生に悩み授業をエスケープしている生徒も大切だ。でも、いかに、どのようなことが起こっていようとも、目の前で真剣に授業を受けようとしている生徒を放置して、他の問題に当たることはできない。それが、僕にとっての授業のプライオリティーということだ。

何度も言うけれど、生徒指導も、部活も、クラス運営も大切だ。しかし、最大のプライオリティーは「授業」にある。これは、絶対にゆずれない。

No comments: