10/06/2008

模擬授業から(1) Start strong. Start Positive.




過日の初任者研修の模擬授業、いくつかの課題が見られた。しかも、それらは初任者に限らず、我々全員がつねに心がけておきたことがらだったので、簡単にまとめておきたい。

まず、第1点は、"Start strong. Start Positive."ということ。初任者の皆さんは、どこかしら逡巡しているような空気が感じられた。なんだか、もじもじして授業に入るのだ。ある程度経験のある教員でも、授業の入り(はいり)は難しいものだ。気分が乗らない日もある。教室に入った瞬間に、いつもと違う「けだるい」空気にとまどうこともある。高校教員の場合は、そもそも授業の入り(はいり)などという意識のない人も多いのかも知れない。該当のページ数を告げて、淡々とその日の授業に入っていったりする。逆に、「導入」と称して、授業とは何ら関係のない「余談」を延々と話す人もいる。授業の導入の重要性をもう一度確認しておきたい。

作家は、書き出しに渾身の力を込めるだろう。劇作家も、出だしを工夫するはずだ。ビジネスプレゼンテーションでは、イントロ部分が成否を決める。最後まで読んでもらいたい、最後まで見てもらいたいからだ。最後までつきあってもらえなければ、期待する成果が得られないからだ。「何か、おもしろいことがありそうだ。」「聞いておかんと損だ。」と思わせたい。

授業も同じだ。導入部分で、聞き手の関心や気持ちを、ぐっとこちらに引き寄せたい。先生のもっている tensionやpassionがある。授業での第1声でもって、それらを瞬時に生徒たちの心に送り込みたい。まるで、教室中のキャンドルが一斉にポッと点るように。

僕は、毎日そんなイメージで授業を開く。もちろん、言うほどうまくいったことはない。

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