10/04/2008

放送教育研究大会-研究授業 Global Education I



10月3日(金)高知西高校で、放送教育研究大会が開催された。英語科2年生のGlobal Education Iの研究授業の助言者としてお手伝いをさせていただいた。とても楽しく、僕自身にとっても勉強になる有意義な時間だった。これまでに数回、授業づくりを一緒にやってきて、いよいよ本番を迎えた。講座は3分割されていて、3名の先生方(今村、国則、川口)がそれぞれ10数人の少人数講座で、地球環境問題にとり組んだ。

授業は、洞爺湖サミットに関するニュースの2言語放送を素材として、G8各国とゲスト参加した発展途上国の立場の違いに焦点を当てて、その意見の違いを把握すること。意見の違いについて考えること。そして、最終的にはロールプレーで、異なる意見を英語で述べ合うことがゴールに設定されていた。記者会見の場面を使って、異なる国の立場や特徴ある英語の発音にも注目させるという導入は、効果的だった。

助言者ということで、授業の研究協議の最後にコメントを述べさせてもらった。ポイントは3つ。

第1に、授業のゴール設定のこと。放送教育という枠組みの中で言えば、取り上げた番組からどのようなメッセージを読み取り、それをどのように提示し、最終的に授業後、生徒のどのような力を身につけさせたいかを、具体的にイメージしておくことの重要性。特に、Global issuesなどを扱う、唯一の正解のないような授業ではゴール設定が成否を分ける。

第2に、授業デザインのこと。到達点が決まったら、それを達成するための道筋をどう描くか。外国語の授業は、「道なり」になってしまいがちだ。英文を読み進めていくうちに、難解な部分を解説したり、重要語句を指摘したり、派生語や反意語を示したりと。そのような言語的なバリアがあるがために、それを取り除こうとするあまり、その授業で達成したいと描いていた大きな目標を忘れてしまいがちになるのだ。

第3に、練習と自信(confidence)ということ。各国首脳の意見を音読練習したあと、ロールプレーに入ったわけだが、少しここのところを急ぎすぎてしまった。少し活動内容を欲張り過ぎてしまったからなのだが、十分な練習ができなかったために、自信をもって、意見を述べることができなかった。近年、「発信力」が重要視されて、生徒に何とか英語を話させよう、自己表現させようとする授業が増えてきた。しかし、多くの場合、そこにいくまでの十分な土台作りをしないものだから、「自己表現」は不満足な結果になってしまうことが多い。日頃の授業における様々な活動を通して、力をつけていきつつ、具体的なゴールがある場合は、それに応じた準備作業をして、自信をもって発話できる状態にまで高めてあげることが大切だろう。

高知西高校のGlobal Educationは、同校にしかない学校設定科目だ。3年次には、小論文執筆、英語でのプレゼンテーションも控えている。非常に魅力的で、様々な可能性をもった授業だと思う。研究を続けて、すぐれた授業に育てていってほしい。

企画研修部、理科、そして、英語科の皆様、お世話になりました。ありがとうございました。 

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