10/05/2008

高円宮杯全日本中学校英語弁論大会高知大会



10月5日(日)、久しぶりに中学生のスピーチコンテスト(会場 教育センター分館)の審査をして、驚いた。スピーチのレベルがとても上がっているのだ。英語の発音も、いくつか気になる点はあったが、全体に非常にうまい(うまいから出てきているのだろうけど)。平均的に確実にレベルアップしていると思う。生の英語に触れる機会が増えてきたこともあるだろう、しかし、やはり日常的な音声重視の指導が効を奏してきているのだろう。中学校の先生方の地道な努力に敬意を表したい。

スピーチ自体も、とても良く構成されていて、驚くばかりだ。ただ一つ気になったのは、スピーチの質の向上が、本当に中学生のスピーキング力の向上によると単純に考えて良いかどうかだ。外国人講師や英語の先生方のご尽力が相当に入っていることが明らかに分かるのだ。僕なんかは、内容的には少し弱くても、中学生の身の丈にあったスピーチが良いと思うのだが、実際はかなり作り込んできている印象だ。もちろん、一概に悪いこととも言えない。指導の過程で、指導された生徒たちにワンランク上の英語力が身についていくことは間違いのないことだからだ。

それでもなお、やはり僕は、中学生の身の丈にあったスピーチを、より多くの学校で取り組んでもらいたいと思う。このようなコンテストには、一部の英語の得意な生徒に声をかけて、出場させることが多い。本当は、日頃の授業の中で、全員がスピーチに取り組み、お互いのスピーチを評価しあいながら、学校全体として質を高めていく取り組みをやってほしいと思う。その上で、学校代表の生徒が出てくるというふうになるといい。Jリーグもユースが育って全体のレベルが上がったではないか。「競争」のためのスピーチを、「学び」のためのスピーチにしてほしいのだ。

「指導している時間がない」とおっしゃるだろう。それはつくり出すしかない。教科書を全ページ教えきることが、必ずしも英語力を保証するわけではないからだ。そして、何といっても、実際に指導して、力をつけている実践例が全国にはたくさんあるのだから、最終的には指導する先生が「できる」と確信するかどうかにかかっていると思う。「うちではできない」と先生が思った瞬間に、こどもたちの可能性はゼロになる。

No comments: